アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

旭川アイヌ遺骨返還

2018-07-03 15:00:21 | 日記

さる、6月24日に旭川の旭岡墓地にてアイヌ遺骨返還にともなう再埋葬の儀式が行われたとのニュースが報じられました。手元に旭川遺骨返還裁判ニュース『ヤイコ ホシピレプ(自らに帰させるもの)』No.5がありますので、その内容をご紹介します。

昨年の7月に旭川アイヌ協議会の川村エオリパック・アイヌ会長と同協議会が旭川から持ち出されたアイヌ遺骨の返還を求めて北海道大学を訴え裁判を起こしました。5月29日に和解が成立しました。和解決定後の記者会見で川村さんらはこのように語ったとニュースにあります。

「1985年5月にウタリ協会(当時)の皆と北大(アイヌ納骨堂)に行った時、頭骨に旭川ナンバー1から旭川ナンバー5とマジックで書いてあるのが5つあって、『返してくれ』と言ったら、すぐに返してくれた、あの頃は。そして、旭川に帰ってきて市長に言ったら、納骨堂をすぐ作ってくれて、8月には北大が車で5体を運んで来て、一緒に慰霊もやってくれて納骨堂に納めた。それが、今回は、新たに見つかった2体見つかったと報告書(2013年3月)に書かれたきりで、返せと言っても返事がない。うかうかしていたら、2020年に白老にできる慰霊施設に、北大ばかりではなく全国にある遺骨と合わせて1600体、まとめてしまって、しかもそれを研究のためにレンタルもすると言うんだ。50年も100年も研究材料にされてきたのをまだそのままにすると言うんだから。自分の先祖、同族を売り渡すようなことは許されないでしょ。だから、他の地域にも出かけていって、返還運動を始めようと誘うんだけど、川村は過激派だから会うななんていう邪魔が入って中々動き出さないね。この裁判、結局は謝罪もないし、行方不明のタマサイもそのままだけれど、一時も早く遺骨が故郷に帰ってきて土にかえせるならそれで何より満足だということで和解するんだ。」

 わたしは一度も裁判にも行けず(再埋葬当日も日曜日であったために参列できず)、詳しいことが分からずにいましたが、この記者会見の発言はたいへんわかりやすく説明されています。このような報道はわたしの観た限りでニュースには流れていませんでしたので、ここでご紹介しました。

和解調書によると、85年に返還され納骨堂に納めていた5体のうちの4体—その内の2体は「散らばっていた骨盤や手や足の骨を取り戻した」もの(残り1体の遺骨は身元確認の可能性があるため調査)と、今回返還された遺骨3体の計7体、そして、副葬品5品を埋葬。「散らばっていた」骨の一部は、北大の納骨堂に納められていた際には骨箱名「常呂不明1」の中に保管されていたといいます。なんともずさんな管理だったことでしょう。

報道によると旭岡墓地にある納骨堂の隣に無事に再埋葬されたとのこと。朝日新聞20180625

 クロユリ

7月8日(日)に一人芝居をされる舞香さんが東京文京区の求道会館にて、知里幸恵没後96年記念公演をされるとのこと。お近くの方はぜひ。

フェイスブックにてご案内のチラシが見られます(こちら 神々の謠

わたしは4回ほど観せて頂いていますが、毎回感動しています。そして、回を重ねるごとに深まっているのに感心します。さる6月8日、旭川での知里幸恵さん誕生祭にてお会いしたのでご挨拶しました。今度、DVDを送ってくださるとも。楽しみにしております。

7月22日(日)午後1時より札幌エルプラザにて、シンポジウム「アイヌの視点で問う『北海道150年』」チラシは以下の通り。

 

7月29日(日)には、台湾ブヌン民族の少年少女合唱団が歌う讃美夕礼拝が札幌北光教会にて午後7時より開催されます。ブヌン民族出身で北海道にて活動されているディヴァン・スクルマン宣教師のメッセージと美しい讃美をどうぞ。無料(ただし自由献金あり)。

 



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