日々

穏やかな日々を

記憶つながる仕組み解明 脳細胞の活動重複がカギ 富山大

2017年01月29日 23時09分45秒 | 医療情報
記憶つながる仕組み解明 脳細胞の活動重複がカギ 富山大
2017年1月27日 (金)配信朝日新聞

 ヒトは経験した様々な出来事を関連づけて記憶する。富山大などのグループは、脳の中でどのように関連づけるかをマウスの実験で解明し、27日付の米科学誌サイエンスで発表する。違う記憶どうしを結びつけて新しいアイデアを生みだすなど、脳の高度な働きの解明につながりそうだ。
 研究グループが、マウスに甘い水を飲ませた後、腹に薬の注射を繰り返すと、甘い水が嫌いになった。次に、ブザーを鳴らした後に電気刺激を与えると、ブザーの音だけで体をすくめるようになった。さらに甘い水を飲むとただちにブザーを鳴らすと、甘い水を飲むだけで体をすくめるようになった。
 実験したマウスの脳を調べると、好き嫌いの判断にかかわる脳の扁桃体(へんとうたい)という部分で、甘い水に反応する神経細胞の集まりと、ブザーに反応する細胞の集まりがあった。二つの細胞の集まりは一部重複していた。
 この重複部分の活動を特殊な方法で抑えると、甘い水を飲むだけで体をすくめる割合は減ったが、甘い水は嫌いなままで、ブザーの音に体をすくめる動作も変わらなかった。研究グループは重複部分は二つの記憶を関連づける働きをしていると結論づけた。
 富山大の井ノ口馨教授(神経科学)は「ヒトもマウスと共通する仕組みで記憶をつなげているとみられる。記憶の情報を関連づけて知識や概念をつくり出すなど、ヒトの脳の高度な機能の解明につながるだろう」と話す。
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孫と暮らして

2017年01月29日 20時02分52秒 | 私自身や健康
子孫(こまご)と暮らして6年になる。
25歳、28歳、42歳で、実子を出産、育児。
58歳にて孫育て。
今、8歳と5歳。

何の因果で貝殻子になった🎵の歌ではないが
ナンノインガデコソダテスウカイシナクチャナラヌ

歌ってしまいたい。

幼子はかわいい
とてもとても
今、幼子がいるから、生きていける
エネルギッシュに
感情の波の中で

でも、時々思う
ナンノインガデ
こうも長期に・・・
わが命を使うのかと

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天気は回復

2017年01月29日 16時47分54秒 | 
天気は回復
早くこいこい
早く来い

この頃になると冬にくたびれる

春を待つ思いが膨らんでくる

晴れた夜に星屑がきらめいて
オリオン座にため息

そんな冬の夜に明日はなるといいね

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岡山)県警、「マタニティー制服」導入へ

2017年01月29日 16時40分39秒 | 地域
岡山)県警、「マタニティー制服」導入へ
2017年1月27日 (金)配信朝日新聞

 県警は妊娠中の女性警察官向けの「マタニティー制服」を5月から導入する。現場で活躍する女性警察官が増える中、女性が働きやすい環境を整える取り組みの一環。県警によると、西日本の府県警では初めての導入だという。
 「ズボンはおなか回りがゆったりしていて、全体的に大きめ。動くのが楽になりました」
 1月上旬から試行用のマタニティー制服を着用する県警本部の20代の女性巡査長はうれしそうに話す。
 ズボンはおなかを圧迫しないよう腰回りに伸びやすいゴム素材を使用。ベストはおなかを覆うよう丈は長く、ゆったり作ってある。このほか、ベストとスカートが一体となったジャンパースカートも用意された。
 この巡査長は妊娠7カ月。仕事内容は事務作業が多いが、犯罪の容疑者に接することもある。
 今でも妊娠中の女性警察官は、所属長の許可があれば私服で勤務ができる。それでも巡査長は「ただでさえ気遣ってもらっているのに、特別扱いがはっきり目に見えて気まずい」と通常の制服を着用していた。
 日に日に大きくなるおなか。腹巻きに制服のズボンをつなぎ合わせて着用していたが、おなか回りがきつくなり、もう制服を着られないと思っていた。そんな時、上司からマタニティー制服の着用を勧められた。
 「(着た時に)『妊娠していても働いていいんだよ』って言われているような気持ちになった。女性の味方です」
 マタニティー制服を県警が導入するきっかけは、妊娠中に制服のサイズで悩んだ経験がある女性警察官の提案だった。この提案を受け、県警が昨年1月に女性警察官対象のアンケートを実施したところ、制服で勤務する警察官の約6割が導入を希望していた。
 5月の導入に向け、妊娠中の警察官に試行用を試着してもらい、着心地などの意見を募り、必要なら改良を加えるという。
 県警によると、女性警察官の割合は増加傾向にあり、昨年4月1日現在で9・6%を占めた。容疑者の女性の身体検査や被害者の女性の事情聴取など、女性警察官が担う役割は大きい。県警は2011年以降、県内各署に女性警察官を複数配置している。
 県警装備課の山下健司次長は「現場では取り合いになるほど、女性警察官の必要性が高まっている。制服が女性の活躍を阻む要因にならないように支援したい」と話している。(村上友里)
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秋田)統合失調症の男性、幻想紡ぐ 秋田で展覧会

2017年01月29日 16時36分03秒 | 地域
秋田)統合失調症の男性、幻想紡ぐ 秋田で展覧会
2017年1月27日 (金)配信朝日新聞

 統合失調症を患いながら、色鉛筆を使って幻想的な絵を描き続ける秋田市在住の男性、はじめさん(58)の作品を集めた展覧会「色えんぴつのはじめさん」が、秋田ケーブルテレビ(秋田市八橋南1丁目)内の秋田公立美術大学ギャラリー「BIYONG POINT(ビヨンポイント)」で開かれている。2月5日まで。
 企画したのは、同大学助教の安藤郁子さん(46)。数年前、大学で開かれた展覧会で、はじめさんの作品に引きつけられたのがきっかけだ。別の機会にはじめさんと話してみて、発想や表現の豊かさに驚いた。「作品と一緒に言葉も展示しよう」と決めた。
 ある作品は、小川を挟んで2頭、鹿のような動物が向き合っている。川に色とりどりの魚が泳いでいる。
 国境にいるんだよな、国境。川の流れのように逆らわないで生きて、それがしあわせを与える。川がしあわせを運んでくる。
 
 絵の意味を安藤さんが問い、はじめさんが語る。自分で描いたのに、過去の絵を忘れてしまっていることも多い。安藤さんは、録音したはじめさんの言葉を文字にして、数十点の絵とともに展示した。
 はじめさんが描き始めたのは15年ほど前。色鉛筆絵画の通信講座の新聞広告が目に留まった。受講した講座を終えてからも、ひたすら描いた。今は秋田市川元山下町の就労支援施設「ごろりんはうす」(藤原芳子理事長)に数百本の色鉛筆を入れたリュックを背負って通い、はがき大の紙に多い日は10枚も描く。
 描いている世界は何か。はじめさんが言う。
 「実際に見たもの、夢で見たもの、想像したもの、何が絵に出てくるのか自分にも分からない。人間なのか、妖精なのか、未知の生物なのか、その人なりの美的感覚で感じて欲しい」
 描いた絵のことをすぐに忘れてしまうのは、描きたいイメージが次々と頭に浮かんでくるから。逆に、猫がスズメに襲いかかる瞬間を見た時は、カメラのシャッターを切ったように映像が脳裏から離れない。構図を少しずつ変えた、似ているようで違う、そんな絵がいくつもある。 
 思考が止まらないのね。すぐ湧くんだな。(中略)追いつかないんだよ。
 
 展覧会は午前9時から午後6時までで、会期末まで休館日はない。入場無料。(山田佳毅)
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児童ら600人、食中毒か 和歌山、幼稚園と小中学校

2017年01月29日 16時27分53秒 | 地域
児童ら600人、食中毒か 和歌山、幼稚園と小中学校
地域 2017年1月27日 (金)配信共同通信社

 和歌山県御坊市教育委員会は27日、同市の給食センターが調理を担当する四つの幼稚園と小中学校計11校の園児や児童、生徒ら計600人超が下痢や嘔吐(おうと)、発熱などの食中毒症状を訴えたと明らかにした。
 市教委によると、重症者がいるかどうかは分かっていない。午前9時現在で633人が症状を訴えており、市教委などは全てを臨時休園・休校にした。幼稚園と小中学校には、教職員も含め計2267人が在籍しているという。
 同7時すぎから、学校などに「子どもが食中毒のような症状を訴えている」との連絡が寄せられた。
 市教委はセンターから提供された給食が原因の集団食中毒の可能性もあるとみて調べる。
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医療機関の禁煙、94%が実施 県受動喫煙防止委、状況を報告

2017年01月29日 16時17分18秒 | タバコ
医療機関の禁煙、94%が実施 県受動喫煙防止委、状況を報告
2017年1月27日 (金)配信山形新聞

 県の「やまがた受動喫煙防止宣言」の効果的な推進策を協議する実行委員会(委員長・高橋秀昭県医師会員)が26日、山形市の県建設会館で開かれ、各施設の敷地内、建物内禁煙の実施状況が報告された。病院など医療機関は2016年12月現在、敷地内、建物内の実施率が94.1%で、16年度末までに100%とする目標に向けて取り組みを推進することを確認した。
 県が掲げた数値目標の進捗(しんちょく)状況は、医療機関の敷地内、建物内禁煙の実施率は16年4月現在が92.6%で、同12月現在は94.1%に改善。敷地内禁煙だけに限定した場合は、同期間で75%から79.4%となった。対策未実施の主な理由として、県側は精神科の入院患者らの禁煙が難しい状況を挙げた。
 他施設も軒並み改善傾向にあり敷地内、建物内禁煙の実施率は「美術館・博物館」が98.8%から、「体育館など運動施設」が98.9%から、いずれも100%を達成。役場庁舎など官公庁施設は同じく95.3%から98.1%となった。
 この日は委員14人が出席。委員からは「病院では、医療関係者が率先垂範して受動喫煙防止に取り組んでほしい」「(啓発活動は)喫煙のリスクを分かりやすく伝えることが、受動喫煙防止を訴えることにつながる」との意見や、「加熱式たばこの取り扱いが難しい。旅館などでもグレーゾーンとしている状況があり、その方向性を注視している」といった意見が出された。
 厚生労働省が受動喫煙防止策を強化する方針を示している。
 同宣言を提出した施設数は17年1月23日現在、1675件。
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産婦人科病院が保育事業に 京都、大規模園を来春開設

2017年01月29日 16時13分24秒 | 地域
産婦人科病院が保育事業に 京都、大規模園を来春開設
2017年1月27日 (金)配信京都新聞

 京都市中京区の中京税務署旧庁舎跡地に、産婦人科の足立病院(中京区)が出資する社会福祉法人が来年4月、定員140人の保育園を開設する。市中心部でありながら約2千平方メートルの広大な敷地を生かした大規模園で、定員40人の学童保育所も併設する。京都市によると、産婦人科主体の病院を母体とする保育園は珍しいという。
 新保育園は社会福祉法人「あだち福祉会」が運営する。中京税務署は2014年に同区の京都地方合同庁舎に移転しており、近く財務省京都財務事務所と売買契約を結ぶ予定。同法人は来月から旧庁舎の取り壊しを始め、今年8月に新保育園を着工、来年3月の完成を目指す。
 足立病院は、京都市認可の病児保育所や2歳児までの小規模保育事業所(定員19人)、認可外の一時保育施設も運営しているが、別法人とはいえ0歳児から小学校就学前までを対象とした保育園事業に乗り出すのは初めて。院内の小児科診療の経験などから積極的な障害児の預かりや、保育士の再就職支援などの事業も検討している。
 京都市保育課は「共働き世帯が増える中、妊娠・出産から中学校入学前まで一連の支援施設ができるのは、出産を考える人にとって大きな後押しになるのではないか」と話している。新保育園は同病院から約300メートル東。園児募集は今秋から開始する予定。既存の保育事業は現状のまま続ける
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残業上限、月平均60時間案 繁忙期は100時間 政府調整

2017年01月29日 15時58分41秒 | 行政
残業上限、月平均60時間案 繁忙期は100時間 政府調整
2017年1月29日05時00分

 政府は「働き方改革」で、これまで事実上、青天井になっていた長時間労働に制限を設け、残業時間の上限を繁忙期も含めて年間720時間、月平均60時間とする方向で調整に入った。忙しい時には月最大100時間、2カ月の月平均80時間までの残業は認める。労使との調整を経て、年度内にまとめる働き方改革の実行計画に…
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外国産クワガタ、特定外来生物に指定検討 販売禁止も

2017年01月29日 15時33分37秒 | 行政
外国産クワガタ、特定外来生物に指定検討 販売禁止も
小坪遊
2017年1月29日05時06分

 外国産クワガタムシの一部について、環境省は輸入などが原則禁止される「特定外来生物」の指定に向けた検討に入った。ペットとして根強い人気がある外国産のクワガタやカブトムシが指定されれば初めて。日本の在来種との交雑や競合を防ぐ狙いがある。
 対象はインドや台湾などに生息する大型のマルバネクワガタ属の約10種。年度内に専門家会合を開き、結論を出す予定だ。特定外来生物になると、ペットとしての輸入や販売、野外に放すことが禁止される。すでに飼っている個体は飼い続けることができるが、新たに飼育はできなくなる。
 日本には、アマミマルバネクワガタやオキナワマルバネクワガタなど、鹿児島県や沖縄県に近縁の固有種が生息しており、種の保存法に基づく国内希少野生動植物種のマルバネクワガタも3種いる。外国産のマルバネクワガタはまだ野外では確認されていないが、定着すれば、在来種との交雑や、エサなどを奪い合う恐れがある。
 専門家会合のもとにある専門グループの委員を務める九州大学の荒谷邦雄教授(昆虫系統分類学)は「(奄美や沖縄は)世界自然遺産登録を目指す地域でもあり、外来種を防ぎ、希少種を守る上で指定は必要だ」と指摘する。
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介護医療院への転換容認へ 厚労省

2017年01月29日 11時43分50秒 | 行政
介護医療院への転換容認へ 厚労省
2017年1月27日 (金)配信朝日新聞

 要介護度や医療の必要度が高い高齢者が多い「介護療養型老人保健施設」(転換型老健)について、厚生労働省は2018年度から新たにつくる「介護医療院」への転換を認める方向で検討に入った。
 高齢者らが長期入院する「療養病床」の再編計画では、介護型(約6・1万床)を中心に介護医療院に転換する。転換型老健は療養病床から先行して転換したもので、13年現在、全国に約7千床ある。
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勤務初日から年休を 政府会議、厚労省に提案

2017年01月29日 11時36分42秒 | 行政
勤務初日から年休を 政府会議、厚労省に提案
2017年1月27日 (金)配信共同通信社

 政府の規制改革推進会議は26日、年次有給休暇(年休)の現行の仕組みを改め、転職した人が勤務開始の初日から取得できるようにする提案をまとめた。転職が不利にならない環境を整えるのが狙いで、会社に義務付けるため、労働基準法の改正も視野に厚生労働省に対応を求める。
 労働基準法は、事業主や経営者に対し、雇い入れてから6カ月勤務した人に10日の有給休暇を与えるよう定めている。勤務開始から半年間は、本人や家族の病気、子どもの世話で休む場合、賃金が減る欠勤扱いになる。
 推進会議は、勤務の初日から年休1日、以後1カ月ごとに1日、7カ月目で4日を与え、6カ月超で計10日の年休を付与するよう提案した。入社の月から一定の法定休を認める制度がある英国などの事例を参考にした。
 年休上限の20日を与えるまでの勤務期間を現行の6年半から1年半に縮める案も示した。
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(耕論)介護保険、どこへ 大西秀人さん、鈴木亘さん、丸尾多重子さん

2017年01月29日 11時06分20秒 | 行政
(耕論)介護保険、どこへ 大西秀人さん、鈴木亘さん、丸尾多重子さん
2017年1月27日 (金)配信朝日新聞

 高齢者は増える。国の財布はもう限界。だからって、あれやこれやの財政節約術に制度の使い勝手は悪くなるばかり。これっていつまで続くのか。介護保険よ、どこへ行く。
 ■急激な見直し、苦しむ現場 大西秀人さん(高松市長)
 相次ぐ制度の見直しは、急激すぎます。現場はとてもついていけません。
 一つ目は、要介護度が軽い人向けのサービスです。
 昨年の社会保障審議会の部会で「要介護1、2」の人向けの介護保険サービスの一部を、(市町村の)地域支援事業に移すかどうかが議論されました。これにはびっくりしました。
 なぜなら、(要介護1、2よりも軽い)要支援の人の一部サービスは、全国一律の保険給付から外れ、市区町村の独自の事業に移行している最中です。これに現場では四苦八苦しています。このサービスの新しい担い手として、民間事業者が期待したほど手をあげてくれない。小さな町村は人材が少ない。簡単に移行できる話ではないのです。
 その検証もできていない段階で、今度は「要介護1、2」を移行する話が出てくる。あまりに時期尚早だと感じました。今回は押し戻したというか、厚生労働省は見送り方針を示しましたが。
 サービスの対象を(要介護3~5の)重度の人に限定するのは、簡単にやらない方がいい。要介護度が軽くても認知症の人はいます。高松市では「要介護1、2」の人の約6割が認知症です。保険給付から外したら、対応が難しい事例が出てくる。保険料を払っているのにいつまでも介護保険のお世話になれない人が増えれば、保険としての信頼がなくなってしまいます。
 もう一つは利用者負担。2015年に一定所得以上の人の自己負担が1割から2割になったばかりで、18年にはそのうち現役並み所得者は3割になる方向です。中には必要なサービス利用を控える人も出て逆に重度化してしまう。そうなれば本末転倒です。
 確かに財政は厳しく改革は待ったなし。伸び続ける社会保障費を抑えないと、国の財政自体が持ちません。では、なぜ国は今年4月に予定されていた消費税率引き上げを、2年半先延ばししたのでしょうか。引き上げた分で低所得者の介護保険料を軽減すると約束していたんです。これがなくなったのは大きい。
 この先、高齢者ばかりになって介護する人は減っていきます。官民一体となった地域の中での助け合い「地域包括ケアシステム」を作ることが重要。高松市では44のコミュニティ協議会ごとに取り組んでもらう計画ですが、問題は地域包括ケアが何のことか、一般市民にほとんど認知されていません。まず言葉が難しい。「包括」と言われても、私も最初は、よく意味が分かりませんでした。
 もはや介護の世界だけで負担のあり方を探っても限界があります。医療との連携はもちろん、障害者施策との整合性をどうするかなど、社会保障全体からみた見直しを考えることが急務だと思います。
     *
 おおにしひでと 59年生まれ。全国市長会の介護保険対策特別委員長。厚生労働省の社会保障審議会の部会委員。元総務官僚。
 ■公費減らし、積み立て式に 鈴木亘さん(学習院大学教授)
 日本の社会保障は世界の非常識です。お金がたくさんあればいいですよ。でも日本はかつてのような成長や税収の増加は見込めません。
 そのような状況で、そろばんに関係なく理想を追求し、足りない分は借金する。借金とは、子や孫が払うお金です。将来世代に莫大(ばくだい)な負担のツケを回しているわけで、これはやり過ぎでしょう。
 介護保険の利用者負担が2018年に3割に上がる。当たり前です。今は一定所得のある人だけですが、そのうち全員が3割になるでしょう。良いか悪いかではない。そうしないと持たないのです。
 財政が深刻な状況に至った原因は明らかです。少子高齢化が急速に進んでいるにもかかわらず、高齢者の介護にかかる費用を主に若者が負担するやり方で、つじつまが合うわけがありません。負担を上げ続けるか、サービスをカットし続けるしかないのです。
 諸悪の根源は、公費(税金)の投入が多すぎることです。高齢者も保険料を払っていますが、それでは全然足りず、財源の半分は公費を投入しています。
 「社会全体で支え合う」と言いますけれど、一方的に若者がお助けしているだけでしょ。保険の運営は保険料でやるのが原則。社会保険であっても公費を入れるのは理屈に合いません。税金で助けるなら、せいぜい低所得者です。日本の介護保険は、たとえ大金持ちでも公費で半分を援助してもらっている。大盤振る舞いが過ぎますよ。
 公費投入が引き起こす最大の弊害は、利用料負担が抑えられ、国民のコスト感覚が狂うこと。つまり、サービスが本来の価格に比べて安すぎる。これだけ安いならと、ついつい使いすぎるのです。介護費の総額が、年間10兆円にまで膨らんだのも当然です。
 問題は、日本の少子高齢化が、(団塊の世代がすべて75歳以上となる)2025年で終わらないということです。経済産業省の推計では、少なくとも60年まで介護費は増え続ける。小手先の財政抑制策を打ち続けて、どうにかなる話ではないんですよ。
 だからといって、消費税を上げればいいという考えには反対です。医療も年金も大変で、いくら上げても足りません。消費税頼みの発想は、ほかの努力をしない論法に使われるだけです。
 変えるべきは財源の仕組みです。異常な公費投入を改め、若者は自分の老後のため少しずつ金を蓄えていく。そんな長期的な積み立て方式に切り替えるのです。要は介護用の貯蓄口座で、積み立てた分を介護保険料や利用料負担など自身の介護支出にあてる。シンガポールには医療費などに使うそうした制度があります。自分で自分の面倒をみる方式なので子どもが減り続けても財政は持続します。
     *
 すずきわたる 70年生まれ。専門は社会保障論、福祉経済学。著書に「社会保障亡国論」など。小池都政の顧問を務める。
 ■遠い安心、地域でつながれ 丸尾多重子さん(NPO法人「つどい場さくらちゃん」代表)
 介護保険が始
まった17年前は父を介護している時で、すごく期待した。それまで家族が担うしかなかったから。でもね、介護保険でいいことばかりだった? 地域も家族も、ヤワになったと思うよ。
 まず地域のつながりが弱くなった。以前は公園や市場で、ちょっとボケたばあちゃんも集まってペチャクチャやってた。あえて「ボケ」という言葉を使うのは、町全体が今よりおおらかにそんな年寄りを受け入れていたと思うから。それがデイサービスの車が朝から年寄りを連れてって。あれで地域のボランティアは随分ばらばらになった。
 あと、介護がビジネスになった。もちろんいい施設もある。でも金もうけ優先の施設も一部にあって、ひどいケアでかえって状態が悪くなったりして、泣いている家族をいっぱい見てきたわ。
 その家族も介護を人任せにしすぎた面がある。ケアマネジャーにお任せ、医者にお任せで、言われるがまま。情報集めて見学に時間かけて、本気で考えなきゃ。ケアマネが勉強不足なら別の人に代えればいいのに、「代えてもいいの?」って驚く人も多い。
 介護保険って、ころころ変わって信用性がない。あれダメこれダメ。スリムになった分、かえっておかしくなったと思わへん? 安心して在宅介護できる制度から遠くなった。家族は疲弊している。
 介護保険だけでは年寄りも家族も支えられへん。そう思って私は保険外にこだわって、2004年から介護する人、される人が交流する「つどい場」をやってきた。
 介護ってしんどいよね、でも一人で悩まないで、っていう場所がここ。平日の昼はほぼ毎日、来た人たちとメシを囲む。家族も介護職もボランティアも、医者も行政マンもいる。基本的に、運営は来た人たちからいただく利用料で、寄付金などもあり、なんとかやっている。家族と年寄りだけでは難しい旅行も、みんなで行けば大丈夫。北海道や台湾にも行く。
 地域には若者や子育て中の人もいる。巻き込んでネットワークを作りたい。年寄りに大事なのは「きょういく」と「きょうよう」。「今日行く所がある」「今日必要とされる」って意味ね。自分ができることをし、時には支えてもらう。そんな地域のつながりの中で生きていけたら。
 それが国が期待をかける「地域包括ケア」じゃないかって? うーん、どうも違うんやなあ。制度になった時点でうさん臭いと思うわけ。制度の枠からはみ出てしまう思いや悩みも出てくるはず。だって人間の暮らしやから。
 年寄りは、ボケゆく姿、死にゆく姿を周りに見せなあかん。年寄りから学べるものっていっぱいあんのよ。制度が変わっても、私はやるよ。
 (聞き手はいずれも十河朋子)
     *
 まるおたえこ 兵庫県西宮市で介護者らのつどい場を運営。多くの家族の悩みを聞いてきた。両親と兄の介護経験がある。
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