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フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

9月15日(日) 晴れ

2024-09-16 13:26:42 | Weblog

7時半、起床。

秋模様の空。

朝の外出。

朝風呂。

チーズトースト、目玉焼き、ソーセージ、サラダ、牛乳、珈琲の朝食。

食事をしながら『ア・ターブル ノスタルジックな休日』(録画)を観る。

新聞の書評欄に目を通す。何冊か興味を惹かれる本があったが、その中に、黒井千次『老いの深み』(中公新書)があった。1932年生まれの作家が『老いの時間の密度』(1995)を出したのは63歳のときだった。以後、彼は「老い」をテーマにしたエッセイを書き続け、92歳の今に至っている。高齢者の増加を背景に世の中には高齢期の人生論があふれている。その多くは「ライトノベル」ならぬ「ライト人生論」である。「捨てる」「切る」「自分勝手」などをキーワードにした身軽な(身軽な気分になることを説いた)人生論である。それはどれだけ重い気分で生きている高齢者が多いかということの裏返しである。人生論も商品であるから読者の願望に応えるために書かれるのである。黒井千次が「老い」をテーマに書いてきたエッセイはそうではない。軽佻浮薄なところがなく、しかし、ユーモアがある。ユーモアとは自分の置かれた状況から少し距離をとってその状況を語るときに生まれる感覚である。

さて、昨日のブログを書こう。

ブログを書いている途中で、NHK杯将棋トーナメントの藤井聡太七冠対西山朋佳女流三段の一戦が始まった。注目の一戦である。企画された対局ではなく、普通の二回戦の一局である(藤井は一回戦はシード、西山は一回戦で木村九段に勝った)。

後手番の西山が自分から角を交換し、向かい飛車に振った。研究してきた戦型なのだろう。

中盤までは互角の形勢が続いたが、徐々に藤井が優勢を拡大して行った。盤面は西山が4九馬と入った手に対して藤井が同飛と応じたところ。同角成と飛車を渡すことになるが、藤井の「飛車切り」は「寄せ」の開始を告げる手である。以下、西山に飛車を使わせる余裕を与えなかった。

局面は最終晩。西山が7六馬としたところ。ここで藤井は8五桂と打った(もし西山に一歩あれば8七歩打ちを防がなばならない)。以下、8六馬の形づくりに、7三桂成、同玉、5一角打ち、6二金打ち、7四銀打ち、で後手の投了となった。

はっきりとした力の差を感じたのだろう、感想戦での西山は笑顔だった。彼女にはプロ編入試験の第2局以降(すでに初戦は勝っている)を頑張ってほしい。

ブログをアップしてから、昼食を食べに出る。

自転車に乗って(歩くにはまだまだ暑い)、呑川沿いの道を池上へ。

川沿いの道にはオレンジ色のコスモスが咲いている。

本門寺の総門あたりでは3カ月に一度の定期市「池上日和」が開かれている。いい天気でよかったですね。

久しぶりの「花くるま」。

「お暑い中、ありがとうございます」と店主さんに挨拶される。いや、いや、猛暑の夏はすっかり足が遠のいておりました。

8月に値上げがされたようである。

鮭、昆布(葉唐辛子)、稲荷、水団を注文。

注文を受けてからにぎるおにぎりはふっくらとしている。

土日だけの営業だが、来週末から3週間、お休みとのこと。せっかくいい季節になってきたのに、どうしたのかしら。

お向かいの古民家カフェ「蓮月」で何かの撮影があり(よく映画やドラマやCMの撮影に使われるのである)、店舗を貸すのだそうである。タレントさんの控室かな。

「ヒトナミ」にも久しぶりに顔を出す。

テーブル席が一つ空いていた。

店主のオガサワラさん、お元気でしたか? 「はい、元気ですよ!」

お米を使ったワッフル。甘すぎないところがいい。

カフェオレ。

小説の続きを読む。「ハードボイルド・ワンダーランド」の主人公と博士の孫娘はまだ洞窟の中を走り続けている。

 私はもう一度刷りたての朝刊のことをことを考えた。指にインクのあとがついてしまいそうなほど新しい朝刊だ。中の折り込みの広告が入っていて、とても分厚く、朝刊には何もかもが載っている。地上の生命の営みについての何もかもだ。首相の起床時間から株式市況から一家心中から夜食の作り方、スカートの丈の長さ、レコード評、不動産広告に至るまでの何もかもである。
 問題は私が新聞をとっていないことだった。私は三年ほど前に新聞を読む習慣をやめてしまったのだ。どうして新聞を読まなくなってしまったのか自分でもよくわからにが、とにかくやめてしまったのだ。たぶん私の生活が新聞記事やTVの番組とは無縁の領域で進行していたせいだろう。(中略)
 しかしこの光を失ったわけのわからない暗闇の中で、無数の穴と無数の蛭に囲まれて、私はひどく新聞が読みたかった。日のあたる場所に腰を下ろして、新聞を隅から隅まで猫がミルクの皿を舐めるみたいに一字残らず読みつくすのだ。そして太陽の下で世界の人々が営みつづける生の様々な断片を体の中に吸い込み、細胞のひとつひとつをうるおわせてやるのだ。
 「祭壇が見えてきたわ」と彼女が言った。(『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』23章より)

帰宅して、昼寝。30分ほどのつもりだったが、1時間半も寝てしまった。寝不足かな。いや、歳なのだろう。

夕食は小松菜と玉子とベーコンの炒め、春巻、鶏肉団子の味噌汁、ごはん。

食事をしながら『マル秘の密子さん』第9話(録画)を観る。姉が死んだ火災事故の真相を探ろうとする密子を夏が会社から排除しようとする。火災現場の防犯カメラに姉を残して社長を救い出す夏の姿が映っていた。姉は夏に何かを叫んでいる。これって、映像には音声が入っていないけど、読唇術を使えばわかるのではないだろうか。おそらく社長秘書だった姉は「社長を先に助けて!」と夏に叫んでいるのではなかろうか、という展開しか予想できないのだけれど、他の可能性はあるのかな。次回はまだ最終回ではないようである。

既定の2万字を越えているので、本文の推敲が残っているが、参考文献リストの作成をまずやってしまおう。

風呂から出て、今日の日記を付ける。

1時半、就寝。