フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

5月4日(月)雨のち曇り

2020-05-05 12:44:28 | Weblog

8時半、起床。

トースト、ベーコン&エッグ(付け合せはスナップエンドウ)、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

アマゾンで注文したコピー用紙が届いた。A4判が500枚で一包み、それが5包みで一箱、2000円である。これまでであれば自転車で池上のホームセンターまで行って買っていたものである。即日で購入できたものが一日、二日かかるという時間的遅れはあるが、ホームセンターの往復の時間や労力は節約できる。価格は、紙の値段はメーカーによって幅があるので、厳密な比較はできないが、ホームセンターの方が安いように思う。コロナ的日常でネット購入が増えるのは当然だが、ポスト・コロナの日常でもそれが持続・定着するのではなかろうか。

昼食は牛肉の大和煮の缶詰をおかずにご飯を食べようと思ったら、家に牛肉の大和煮の缶詰はなかった。「マイバスケット」に買いに行ったら置いてなかった。「セブンイレブン」にもなかった。あるのは圧倒的に魚肉の缶詰で、あとは鶏肉が(焼鳥の缶詰も含めて)ちょっとあるくらい。妻に言ったら「牛肉の缶詰は高いからじゃない」と。そうなのかな。

「セブンイレブン」でレトルトの豚の角煮を買ってきて、角煮丼の昼食。

食事をしながらテレビを観ていたら、「新しい生活様式」という提言がコロナ対策の専門家会議から出るという話題をやっていた。「生活様式」とは「ライフスタイル」ということであるが、箇条書きされたものを見る限り、「生活習慣」と呼ぶべきもので、「生活様式」というほどのものではない。でも、ポスト・コロナの「生活様式」(ライフスタイル)がコロナ以前の「生活様式」と違ったものになるのは確実だろう。週休の日数は同じでも出勤日は減るだろう。日頃よく顔を合わせている人との社交だけでなく、遠距離の人とのオンライン社交が増えるだろう。マスクは花粉症の人だけのものではなくなるだろう。「行列のできる店」を人は避けるようになるだろう。論文指導は研究室ではなくオンラインで行うのが主流になるだろう。

午後3時から卒業生のユカさん(論系ゼミ6期生)とオンラインカフェ。彼女は全国紙の記者をしていて、卒業以来、高知支局で働いている。ゼミ同期で先日オンラインカフェをしたしたセツカさんも新聞記者で金沢支局で働いている。6期生には公務員も多く(都庁・区役所・市役所)、他の代と比べて公的な職業に付いている人が多いという特徴がある。

記者という仕事柄、外出することは多いが、それでも以前に比べればずいぶんと減っているそうだ。ドライブが趣味だが、それも控えるようになったという。外出してお金を使う機会は減ったが、決して貯金が増えたわけではないのは、通販での買い物が増えたからだ。買い物にはストレス発散の効用がある。先日も任天堂スイッチを苦労して入手したそうだ(当然、定価より高かった)。「集まれ動物の森」を始めたわけだが、どういうゲームなのかを詳しく聞いた。無人島での生活。自分の思い描く生活を実現していく過程が楽しいのだろうと思うが、このゲームにはゴール(完成形)というものがないようだ。あたかもガウディのサクラダファミリアのように不断の工事を続けるのだ。狸の不動産から借金をして家を大きくするというのは中心的なテーマのようで、それは戦後日本人の生き方に似ているが、結婚や子供をもつというライフイベントはなく(人間は自分ひとりだけ)、マイホーム=家族の物語の舞台ではないところは違う。個人化された人生の物語だ。しかし動物たちは擬人化されており(人間の言葉を理解する)、彼らとの交流は重要なテーマになっている。個人化してはいても、決して孤立しているわけではないのだ。ふ~む、そういうことね。

彼女は今年の初めから日記(ほぼ日手帳オリジナル)を付け始めたのだが、コロナ的日常になってから日記をつけることが(内容が)楽しくなくなってきて、停滞しているそうだ。それではということで、私のほぼ日手帳カズン(10年続いている)を見せながら、日記を持続する方法(および目的)についてレクチャーした。「お話を聞いてやる気がでました」と彼女は言った。もともと向上心の強い人だから話は早い。

高知での生活も今年で5年目。暮らしやすい街だという。私は一度行ったことがあるだけだが、そうだろうなと思う。気候はいいし、鰹のタタキが美味しい。でも、そろそろ転勤だろう。通例、次はもっと大きな都市、東京か大阪だろうか。東京なら(そしてそのときコロナが終息していたなら)リアルカフェをしましょう。大阪ならオンラインカフェですね。どうぞお元気で。

妻が買って来た「ヴィ・ド・フランス」の食パン。「かまた」の焼印が押されている。

スライスして冷凍する。

アマゾンから注文していた本が届いた。妻も私以上にアマゾンを利用しているので、一日何回も宅配がある。

 村上春樹の新作『猫を捨てる 父親について語るとき』(文藝春秋)

 『文藝春秋』2019年6月号に掲載されたエッセーを単独で本にしたもので、小型で薄い本である。テーマも挿絵の雰囲気もこれまでの彼のものとは違う。

「亡くなった父親のことはいつか、まとまったかたちで文章にしなくてはならないと、前々から思ってはいたのだが、なかなか取りかかれないまま歳月が過ぎていった。」(「あとがき」から)

「僕がこの文章で書きたかったことのひとつは、戦争というものが一人の人間――ごく当たり前の名もなき市民だ――の生き方や精神をどれほど大きく深く変えてしまえるかということだ。そしてその結果、僕がこうしてここにいる。」(同)

「短い文章なので、どのような形にして出版すればいいのか、じぶん迷ったのだが、結局独立した一冊の小さな本として、イラストレーションをつけて出版することに決めた。内容や文章のトーンなどからして、僕の書いた他の文章と組み合わせることがなかなか難しかったからだ。絵に関しては、台湾出身の若い女性イラストレーターである高研さんの画風に心惹かれ、彼女にすべを任せることにした。彼女の絵にはどこかしら、不思議な懐かしさのようなものが感じられる。」(同)

宅配便を受け取るとき玄関先の薔薇の花の匂いがずいぶんんと強くなったなと感じた。

夕食はシシャモ、甘唐辛子と厚揚げの煮物、冷奴+なめこ、ワカメの味噌汁、ごはん。

デザートは苺。

食事をしながら中村昌也主演の『美食探偵明智五郎』第三話(録画)を観る。毎回殺人事件が起きるのだが、今回はかなり凄惨だった。

深夜、近所をウォーキング&ジョギング(4キロほど)。

今日は演習「現代人と社交」の受講生(35名)に授業の進め方について説明したメールを送った。メールを受信したらその旨返信を求めたが、一日でほとんどの学生から返信があった。さすがにワセダメールを使いなれている2年生以上である。一方、「必修基礎演習」の1年生からの返信が滞っている。丸4日が経過したが、まだ8名(26名中)の学生から返信がない。「メールを開くように」とメールをすることができないのが困りものである。

2時半、就寝。