goo blog サービス終了のお知らせ 

フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

10月21日(日) 晴れ

2007-10-22 02:46:56 | Weblog
  9時起床。秋晴れだ。今日は大学の創立記念日。明治15年(1882年)10月21日に早稲田大学の前身である東京専門学校が創立されて、今年が125周年である。事情を知らない人には125周年というのは中途半端なものに思われるであろう。これは大隈重信の「人生125年説」に由来する。大隈は「すべての動物は成長期の5倍の生存力をもっている」という生理学者の説(ホントか?)に依拠して、人間の成長期はおおよそ25歳だから25歳×5倍=125歳が人間のもっている生存力であると考えたのである。大隈講堂の時計台の高さが125尺なのもこれに由来する(できれば教員の個人研究費も125万円にしてくれないだろうか)。というわけで、125周年というのは格別の意味をもつわけだが、よく考えてみると、これで早稲田大学の寿命も尽きるわけで、大往生だから目出度いというわけにはいくまい。それで「第二の建学」「ネクスト125」という標語が生まれた。死と再生の物語というわけである。
  今夜は戸山キャンパスの記念会堂で早稲田大学交響楽団(ワセオケ)によるベートーベンの「第九」の演奏会がある。2年生の演習の学生でワセオケの一員であるO君からチケットをいただいたので、聴きに行く。いいお天気なので、少し早めに家を出て、神楽坂を歩く。TVドラマ『拝啓、父上様』の影響だろう、神楽坂は東京でも有数の人気スポットになっている。今日も結構な人出である。飯田橋の方から坂道を登っていたら、向こうから見覚えのある人が歩いてくる。昨日、牧阿佐美バレエ団の公演会場で遇ったばかりの二文の卒業生のOさんである。この広い東京で二日連続で出くわすとはなんたる奇遇であろうか。毘沙門天で開かれている落語会を聴きに来て、いま中入りの時間なのだそうだ。場所柄を考えてのことだろう、和服がなかなかお似合いである。お連れの方がいたので、少し言葉を交わしただけで、失礼する。
  演奏会の開場は午後6時である。10分前くらいに到着すると、すでにスロープのところに長蛇の列が出来ている。最後尾はスロープを登りきった中庭である。しかし私がそこに並んだ後もどんどん列は長くなって、校舎の壁の手前でUターンして今度はスロープを下っていった。私の隣に並んでいた外国人の夫婦が「地下鉄の駅まで行っちゃうんじゃないかな」と言って笑っていたが、もしこれで天気が悪かったら大変だったろうなと思った。
  演奏は7時から始まった。私はこれまで「第九」をちゃんと通しで聴いたことがなかった。なるほど、こういう曲なのか、ふむふむ、けっこう繊細なところもあるんだね、といった感じて聞いていたら、第4楽章のお馴染みの「合唱」が始まった。バリトン歌手の独唱に思わず聴衆全員の背筋が伸びた。「待ってました」という感じであった。人の声というものがいかなる楽器にも勝るとも劣らない響きをもっていることを感じた瞬間であった。コーラスを担当するのは、早稲田大学の4つの合唱団、すなわち早稲田大学混成合唱団、早稲田大学合唱団、早稲田大学グリークラブ、そして早稲田大学コール・フリューゲルである。このコラボは圧巻であった。ちなみに「第九」の正式名称は交響曲第9番二短調「合唱付き」作品125、すなわちベートーベンの125番目の作品である。
  終了は8時半ごろ。どこかで夕食をとって帰ろうと思ったが、日曜日は「ごんべえ」も「秀永」もお休みである。早稲田で食べるのは諦めて、蒲田に着いてから「つけ麺大王」でレバ焼き定食を食べた。ボリューム満点であった。今週も頑張ろうと思った。

           
           写真には入っていないがご飯はどんぶり飯