フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

10月25日(木) 晴れのち曇り

2007-10-26 02:18:57 | Weblog
  8時起床。朝食は昨夜の残りのおでん。味が染み付いて昨夜よりも美味しい。9時半に家を出る。2限の社会学演習ⅠBは今日からグループ報告が始まる。後期は途中でグループを組み替えてグループ報告を2ラウンド行なうのだが、1ラウンド目は毎週1グループ、2ラウンド目は1月5~7日の鴨川セミナーハウスの合宿で集中的に行なう。松の内の合宿は私も初めてである。クリスマスの合宿の企画には「えっ~!」と声を上げた学生たち(とくに女子学生)だが、松の内の合宿の企画にはとくに不満の声はなかった。ひとつ気がかりなのは、合宿というと、いつも直前まで発表の準備に追われるものだが、今回は、正月三が日に集まって直前の作業というわけにはいかないであろうから(帰省している学生もいるであろう)、年末にほぼ発表の準備を済ませおかなくてはならないということである。はたしてそれができるかどうか・・・。
  昼休み、現代人間論系室に顔を出して、進級相談の当番の岡部先生、安藤先生と雑談。研究室に戻ると、部屋の前の廊下に演習ⅠBの学生が3名(Aさん、Nさん、Wさん)がいて、ドアをノックしているところだった。来週の発表の相談のために来たのである。アポなしなので、もし私が論系室から直接昼食を食べに外に出てしまっていたら会えないところだった。40分ほど相談に乗り、昼食を食べに出る。どこにいくかは馬場下の交差点のところに着くまでに決める。「たかはし」は昨日行ったし、「秀永」は明日行くつもりだし、「すず金」はこの時間ではもう鰻重の上は売り切れの可能性があるし、「五郎八」は最近限定メニューで私の好きな揚げ餅そばや揚げ茄子のもみじおろしそばを注文できないし・・・結局、「メルシー」でチャーシューメンを食べる。ところが今日はいつもよりスープの味が濃いような気がした。いや、気のせいではなく、はっきりと濃い。普通はスープを全部飲み干すのだが、今日は残した。あれを全部飲んだらさすがに塩分の取りすぎであろう。

           

  食後のコーヒーを喫茶店で飲みながら読書でもしようかと思っていたのだが、時間がちょうどよかったので、飯田橋ギンレイホールで上映中のアルゼンチン映画『ボンボン』を観る。20年勤めたガソリンスタンドを解雇された52歳の男が、ちょっとした親切を他人に施したお礼にもらったボンボンという名前の一頭の白い猟犬のおかげで、人生のやり直しに成功する(たぶん)というストーリー。もっともどん底からいっぺんに這い上がるといった単純な話ではなくて、紆余曲折はある。そもそも救世主たるべきボンボン自身が性交不能という障害をもっている。ボンボンは血統書付きの愛犬家なら一目見て惚れ惚れするような姿形のよい犬で(ただしハンサムとは言えない)、コンクールで優勝して種付けの依頼が来るのであるが、子犬時代の何らかのトラウマが原因で性交不能なのである。けれど、映画のラストでボンボンが「再起」し、そのおかげで主人公の男も人生の再起ができるのである。めでたし、めでたし。それにしてもこの作品がヨーロッパで大ヒットしたということは、彼の地において、失業という事態がたんに経済的困窮だけでなく、「働いて家族を養う」ことで維持されてきた男性性の凋落をもたらしていることを如実に物語るものではなかろうか。

           

  チャーシューメンのスープのためだろう、喉が渇いて、かつ甘いものが欲しい。映画館を出て「紀の善」に行ってみたが、予想通り順番を待って座っている女性たちがたくさんいる。早々に諦めて、JRの飯田橋駅構内のスタンドカフェ(カフェ・エドモンド)でコーヒーとツインロール(生クリームをパイ生地で包んだもの)を食す。合計400円なり。普通の喫茶店ならコーヒー一杯分にも不足であろう。もっともここは長居をして読書などをする場所ではないけれど。

           
          
  研究室に戻って明日の授業の準備。メールのチェックすると、社会学の卒業生のHさんから先月の結婚式の写真が添付されたメールが届いていた。ケーキにナイフを入れているときの写真で、純白のウエディングドレスの笑顔が実に美しい。心からおめでとう。
  7時帰宅。風呂を浴び、夕食(ロールキャベツ)をとり、1時間ほど眠る。『医龍2』の第三話を観て、明日の授業の準備をして、フィールドノートの更新。いま2時を少し回ったところ。これからHさんに返信のメールを書いたら寝るとしよう。