花邑の帯あそび

1本の帯を通して素敵な出会いがありますように…

「薬玉(くすだま)文様」について

2011-02-02 | 文様について

presented by hanamura


寒い日がつづいていますね。
それでも明日は節分の日、暦の上では立春を迎えます。

節分というと「鬼は~外、福は~内」と叫びながら
鬼に豆を投げるものですが、
この節分は飛鳥時代に中国から伝来した
「追儺(ついな)」という鬼払いの儀式と、
邪気を払うために行われた「豆打ち」という儀式が
一緒になったもののようです。

古来から、季節の変わり目には
邪気が生じるといわれ、
節分はその邪気を払うためのものなのです。

節分のように、
日本には古来から行われている
邪気払いの行事や飾りが多いですね。

本日お話しする「薬玉(くすだま)文様」のモチーフ、
「薬玉」も、同じく邪気を払うために平安時代ごろにつくられたものです。

薬玉とは、数種類の香料(薬)を玉状にして
錦の袋に入れ、造花を周りに配し、
青、赤、黄、白、黒の5色の糸を結んだ飾り物で、
平安時代の頃には端午の節句の日に
飾られました。
しかし、現代では端午の節句以外にも
厄除けとして桃の節句でも飾られています。

また、薬玉に飾る五色の色糸は、
古代中国で生まれた万物は木・火・土・金・水の5種類の元素
からなるという「五行説」に由来しています。
鯉のぼりの吹き流しに用いられているのも
この5色なのです。



江戸時代になると、薬玉をモチーフとした文様は、
邪気を払い、縁起がよいことはもちろん、
その姿の可愛らしさ、雅さから着物や帯の意匠に多く用いられ、
とても人気になりました。

ちなみに、お店の開店のときや福引の会場などで
天井に吊るされている金色の球体も「くすだま」と呼びますね。
このくすだまは、垂れた糸を引くと半分に割れ、
中に入った紙吹雪が舞うというものですが、
これも、薬玉に由来しているようです。

花邑のブログ、「花邑の帯あそび」
次回の更新は2月8日(火)予定です。


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