花邑の帯あそび
1本の帯を通して素敵な出会いがありますように…
 




presented by hanamura


ここ東京でもとうとう梅雨入り宣言が出され、
傘が手放せない季節がやってきました。

そこで今回は、この雨の季節から、
冬にかけて織り上げられる
「科布」についてお話ししましょう。

「科布」は、東北地方でつくられている織布です。
その原料には、東北地方の山間に自生する
しなの木の繊維が使用されています。
風合いがざっくりとしていて、
とても丈夫なこともあり、
むかしは野良着や穀物を入れる袋などの
素材としても用いられていました。

「しな」という言葉は、
アイヌ語で「結ぶ」「縛る」を意味しています。
アイヌの民族衣装である「アッシシ(アツシ)」にも似ていることから、
北方系の民族から東北地方に伝えられたものといわれています。



「科布」を織るための作業は、
6月中旬から7月にかけて
しなの木を伐採することからはじまります。

伐採したしなの木の外皮と中皮を剥ぎとり乾燥させ、
水に浸して2~3日間煮て、樹脂を取り除き柔らかくします。
これを川の水に晒して汚れを落としながら
竹棒、石などで皮をしごき、
さらに1~2日間糖漬けにして、
秋になるまで軒先に吊るします。

秋になったら、吊るしていた皮を細かく裂いて、糸状にします。
そして、雪が降り農作業ができない冬の時期に
何か月もかけて丹念に織っていくのです。

まさに東北の厳しい風土に根ざしているんですね。
そしてたいへんな手間がかかるのです。
このため現在では、作り手も少なくなり、
東北地方でも一部の集落でしか生産されなくなってしまいました。
それでも「科布」は、現在も当時と変わらない工程を経て、
つくられ続けています。

「科布」が持っている自然のままの素朴な色合いや風合いには
深い味わいがあり、そのため愛好されている方も
かなり多くいらっしゃいます。
夏用の帯の素材としても
とても人気がありますね。

花邑でも科布の帯を紹介していますので、
ぜひご覧になってみてください。

花邑のブログ、「花邑の帯あそび」
次回の更新は6月23日(火)予定です。


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