花邑の帯あそび
1本の帯を通して素敵な出会いがありますように…
 




presented by hanamura


梅雨入り前の蒸し暑い日がつづいています。
公園の池では、石の上で亀の親子が甲羅干しをしていました。
夏の訪れを感じる光景ですよね。



今日は、暑い夏に涼やかな「絽」についてのお話しをします。

「絽」は、薄く透き通るように織られた夏用の絹織物です。
街着から礼装まで着用が可能なので、
夏の着物や帯の中では、
最も活躍している素材でしょう。

この「絽」がはじめてつくられたのは江戸時代の頃です。
当時から同じく夏の素材として用いられていた「紗」から
織り方を変化させたものです。

その織り方はたいへん複雑で、
平織りと捩り織り(もじりおり)を
組み合わせてつくられています。

平織りとは、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)が
直角になり、隙間なく織っていくことで、
ほとんどの布はこの平織りでつくられています。

一方、捩り織りとは、
経糸を隣の経糸に絡ませて隙間をつくり、
そこに緯糸を通して織っていきます。
「絽」の原型である「紗」は、
この捩り織りで織られています。

つまり、平織りと捩り織りを組み合わせると、
平織りの部分はスジができ、捩り織りの部分には隙間が生まれます。
こうして織られた「絽」は、「平絽」とよばれています。



さらに同じ「平絽」でもいくつかの種類があります。

平織り部分の緯糸の本数は
三本、五本、七本のものがあり、
この本数から「三本絽」、「五本絽」、「七本絽」と区別されています。

また、撚った糸を用いて織られたものは
「駒絽(こまろ)」と呼ばれ、
絽目が細かくシャリ感があります。

涼を求めて考え出された「絽」の生地には、
日本ならではの精巧な技術が隠されているようです。

ちなみに「絽」の帯は着物より早く、
5月の末頃から着用できるので、
暑い日にはぜひ身につけて涼を呼びたいですね。

花邑のブログ、「花邑の帯あそび」
次回の更新は6月2日(火)予定です。


帯のアトリエ「花邑hanamura」ホームページへ



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )