presented by hanamura
「かいつ」について
私の母は「かいつ」を指し、
「帯を仕立てるときのお友達だと思いなさい」
とユーモアをこめて言いました。
この言葉は、「かいつ」の役割を
とても的確に表現していると思います。
しかし、「かいつ」のもつ重要な役割と、
どの段階でどこにつかえばその役割を生かせるのか
ということが理解できていないと
「かいつ」との良い関係は築けません。
「かいつ」という名は、
一説では「重しをかう」という方言に
由来するとされています。
その名前の由来どおり、
「かいつ」は、帯を仕立てるときに
重しとしてつかいます。
「かいつ」の直径は9cm、高さは5cmほど。
上の写真のように布で包んで使用するため、
一見、軽そうにみえますが、
重さ2~3Kgの鉄の塊でできていて、
手にもってみると、「ずっしり」としています。
この重さにより、
布を固定し、張った状態にすることで、
縫い目にたるみがでず、
ぴんと張りのある帯を仕立て上げることが
できるのです。
帯を仕立てるときには、
「かいつ」をほんとうによくつかいます。
そのため、いつでも手にとれるように
自分のすぐ脇へ置いておくようにします。
お友達、あるいは親友のように、
帯仕立ての良きパートナーとして
「かいつ」を上手に使いこなせるようになったとき、
帯仕立ての技術をひとつ習得できたと
きっと、胸をはっていえることでしょう。
● 次回は帯を仕立てるときに必要な道具~その3~のお話しです。
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