presented by hanamura
昨日の2月8日、浅草の浅草寺にある淡島堂まで、
「針供養」に行ってきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/1a/e199d7ce1858c4514712185297b6f70c.jpg)
昔から、私たち人間は細くて小さな「針」1本で
布地を繋ぎ合せ、さまざまな「かたち」を作ってきました。
考えるとすごいことですよね。
私も帯仕立てのときにはたいへんお世話になっています。
しかし、細くて小さな針は、
使用しているうちに曲がってしまったり、
ポキッと折れてしまうことも多いのです。
こういった針は、
残念ながら縫い針として
用いることができず、
お役御免となってしまいます。
針供養は、こういった現役を引退した針を供養するための行事です。
また、現在活用している現役の針を休ませる為に、
針仕事は一切しない日でもあります。
針供養の成り立ちは、奈良時代まで遡ります。
女帝だった元明天皇が、
裁縫の上達を祈願したことからはじめられました。
そして、平安時代には清和天皇が針を納めるお堂も建てました。
その後、針供養は毎年12月8日と、2月8日に行われる淡島神社の年中行事にもなりました。
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針供養が行われる淡島神社には、
日本古来の神様である
淡島神(あわしまのかみ)と
少彦名命(すくなひこなのみこと)が祀られています。
この淡島神は、女性の神様で女性の守護神とされています。
一方、少彦名命は日本にはじめて農耕や医療、
裁縫の技術を伝えたとされています。
どちらも針と縁が深い神様なんです。
昔は、針供養が行われる12月8日と2月8日は、
「事八日(ことようか)」と呼ばれていました。
12月8日は農耕作業が終わる「事納めの日」、
2月8日は農耕作業をはじめる「事始め」の日だったのです。
昔は農耕によって生活の糧を得ていたので、
「事八日」は、とても大切な日でした。
この大切な日に針供養が行われてきたということだけでも、
針という道具が昔からいかに活用され、
人々の生活を支えてきたかということがわかりますね。
日にちについては、
12月8日と2月8日の両日とも行う所もあれば、
どちらか1日のみの所もあります。
関西では12月、関東では2月に行うところが多いようです。
さて、私が行った淡島堂では、
堂内に入ると、神棚の前にとても大きな
お豆腐が2丁どーんと置かれていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/b6/a6d866902563a5cbedec932ab7387ddd.jpg)
針供養のときには、このお豆腐に用をなさなくなった針を刺します。
お豆腐以外に蒟蒻を用いる所もありますが、
いずれも酷使してきた針を
柔らかなものに刺し、
今までの仕事をねぎらうという意味合いがあるのです。
さっそく大きなお豆腐に針を刺し、
手を合わせ、感謝を告げました。
針供養は、「すべてのものに神が宿る」とする
日本ならではの美しい風習として
いつまでも残っていってほしいと深く感じました。
花邑のブログ、「花邑の帯あそび」
次回の更新は2月16日(火)予定です。
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