花邑の帯あそび
1本の帯を通して素敵な出会いがありますように…
 




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「花邑日記」

寒い日がつづいています。
先週の土曜日には、東京でも雪がちらつきました。
しかし、鹿児島ではもう菜の花が咲いているそうです。
「春はもうすぐ」と、自分を勇気つけながら、
雪がちらつく中を歩きました。

さて今回は、その寒さも少しやわらぐような
仕立て上げたばかりの面白くて可愛い柄の帯をご紹介します。



用いた布は、昭和中期頃につくられたものです。

「競馬」の様子がデザインされていて、
走る馬と一緒にすずめまでも飛んでいるのが、
柄行きになんとも言えない面白味を与えています。
競争する馬の「キリリ」とした表情と対照的な
すずめのとぼけた表情も味があります。



そして馬に乗っているのは、大人ではなく幼い男の子です。
よくみると、男の子が着ているシャツや帽子の柄はそれぞれ違っています。

この布のデザインになった「競馬」が、
現在のように一般の人々の間に広まったのは、
戦後まもない頃のことです。
そして当時、多くの人々は海外からもたらされた
その新しい競技に熱中したようです。



この布をつくった人も、当時「競馬」に熱中した人だったのでしょうか。
見ればみるほど、この布をつくった人が
楽しんでデザインしたことが伝わってきます。

この布のように、昔の布のデザインには、
当時の文化が映し出されているものが、多く見受けられます。

現代にはない自由さと、面白味があるので
嬉しくなって、つい手に取ってしまいがちです。

ご紹介した帯は、今週の金曜日に新商品として
花邑でご紹介しますので、ぜひご覧ください。

花邑のブログ、「花邑の帯あそび」
次回の更新は2月3日(火)予定です。


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「花邑日記」

大寒を迎えて、ますます寒い日がつづいていますが、
よくみると、椿や梅は花のつぼみをつけています。
少しずつ、春の気配を感じ取れるようになりました。

この日、花邑の作業所にも、春のお知らせが届きました。
染め屋さんに依頼した白生地の反物が、
若草色、すみれ色、青竹色などの
春の草花のような色に染め上がってきたのです。



この春色の反物は全て、
以前手に入れた紅型に合わせ、
帯に仕立てるものです。

その紅型は春に吹く南風を思わせる、
あたたかでやさしい印象の色柄が魅力的なものです。

しかし、そのほとんどが
小さい布に染められているので、
帯へと仕立てるためには、
他の布とつなぎ合わせなくてはいけません。



そのため、紅型の色柄に合わせて、
染めた白生地がこの春色の反物なんです。

染め上げられた反物に
紅型の布を合わせると、
あたたかな色柄がより引き立ちました。

素敵な帯が仕立て上がるのが楽しみで、
早速、作業に取りかかっています。

なお、仕立て上げた紅型はすべて、
3月に花邑で開催する「紅型の帯展」で出展します。
お楽しみにお待ちくださいませ。



花邑の専務は、すこし春めいてきた陽射しにおなかをむけて、
とてもきもちよさそーです。

花邑のブログ、「花邑の帯あそび」
次回の更新は1月27日(火)予定です。


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「花邑日記」


新年おめでとうございます。

花邑 銀座店では、今年の干支である「丑」にちなんだ、
「牛」のお人形を飾って、新年のお客さまをお迎えしています。



この「牛」のお人形は、花邑代表 すぎえすみえの母、
同じく帯仕立て職人であった、杉江いつえがつくったものです。

材料には、着物の素材として使われていた縮緬(ちりめん)と、
帯の素材が使われています。
牛には角やふさふさの尾がつけられ、
金の鞍(くら)まで施されています。

可愛くて、とても丁寧につくられているので、
この干支のお人形は、身内でも大好評です。

縫い物がとても好きで得意ないつえは、
昭和元年生まれで、今年で84歳になる帯仕立て職人の大先輩です。

いつえが夫とともに、
東京・日本橋の杉江ぎんが開業した「杉本屋」にて、
帯の仕立てを習得したのは、戦後まもない頃のようです。

当時は日常的に着物を着る人が多く、
「帯仕立てを身につけると、家を一軒建てられる。」
と言われたほど、呉服に関係した仕事はとても需要があったようです。

そのため、帯職人として独立してからは、
帯仕立ての見習いとして、
数人を住み込みで雇ってもいたようです。

いつえは夫とともに帯の仕立て仕事に追われ、
休みもなく、朝の6時過ぎに起きると夜中の2時頃まで
1日中「仕立て部屋」にこもって、黙々と帯を仕立てていました。

その後、若くして夫を亡くしてからも、
帯の仕立てを続けましたが、
時代とともに仕事は徐々に減っていきました。
帯の仕立てとともに人生を歩んできたいつえですが、
年齢もあり、10年ほど前に帯仕立てからは引退しました。

もちろん、現在でも帯仕立ての技はしっかりと覚えていて、
たずねれば細かく指導してくれます。

現在では、お友達や子ども、孫へプレゼントするための
人形やバックをつくったりしています。
ちなみに、花邑の1周年記念でお客さまにプレゼントした香袋も
いつえの手によるものです。

近年の年末では、今回の牛のお人形のように、
翌年の干支の人形をつくって、
お正月に周囲へ配ることが
いつえの恒例行事になっています。

仕事から離れてだいぶ経った現在でも、
いつえの中ではつくり手としての気持ちが
まだまだ衰えていないようです。



杉江いつえから学んだ技と心を大切にしながら、
花邑は本年も帯仕立てに励みます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

花邑のブログ、「花邑の帯あそび」
次回の更新は1月20日(火)予定です。


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