ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

カーズ・クロスロード

2017-07-26 12:51:00 | 映画

いつかは引退しなくてはならない。

それは分かっているが、その覚悟と準備が十分出来ている人は稀だと思う。サラリーマンならば退職年齢が分かるし、その後のことも比較的分かり易いはずだ。

私の同期の友人たちが、そろそろ分かる時期に来ている。役員への昇格を密かに期待するものもいれば、なんとか子会社への出向をキープできないかを悩む奴もいる。

いずれにせよ、組織の中で生きてきた人たちなので、自分の意思が必ずしも通るとは限らない。それは、組織の一員として仕方ないことではあるが、半ば強制的に仕事の終わりを決められることは、ある意味楽かもしれない。

自営業である私の場合、仕事を終える決断は、基本的に自分で決めねばならない。もちろん、事故や急病による強制的な終わりもあるかもしれない。自分の替わりを果たせる人材がいないので、その場合はそこでお終いだ。

だが、一番難しいのは、自分の引退を自分で決断しなければいけないことではないかと考えている。おそらく、その時期は時代の変化についていけなくなったと自覚するときではないかと思う。

税法という奴は、毎年こまごまと改正がある。小さい改正が大半で、新しく創設されるような改正は少ない。日ごろ、法令を読む習慣があれば、ある程度は対応できる。

ただ、以前は自ら赤いボールペンで線を引き、ラインマーカーで条文をピックアップしていたのだが、ここ数年は研修会での耳学問が増えている。講師の話を聴くだけなのだが、自分で読むよりも理解は早い。

正直、楽をしていると云うか、手抜きの印象もあるのだが、多忙な毎日の中で自ら税法書を紐解くよりも簡単なので、ついつい研修会を多用してしまう。だからこそ危機感もある。

以前は法人会などで、改正税法の講師などをやっていた頃は、それほど危機感はなかった。しかし、税理士会の幹部職についてからは、お役御免となっていた。これがイケなかった気がする。

幸い、経理部長の座は退いたので、少しは自分の時間がとれそうだ。まだまだ引退するには早すぎる。自分で勉強できなくなり、税務の変化についていけなくなった時が引退の時期だと思う。だから、今年後半は自ら研鑽に励まねばならないと自覚している。

実はもう一つ引退のパターンがある。それは後継者が一人前になってくれた時だ。私がこのパターンで独立しているが、あの頃より経営的に余力がなくなっている。だから、後継者を育成する余裕がない。

このまま、経営的に伸びなければ、後継者を育てることは適わないかもしれない。そんなことにならないよう、事務所を少し大きくしたいと密かに願っているが、このデフレの時期には難しい。

そうなると、最初のパターンでの引退かもしれない。まだ時間はあるので、焦らずやっていこうと思う。

ところで表題の映画の主人公にも、引退の時期が迫ってきたようだ。彼がその危機をどう迎え、どうやって対処したのか。

子供向けのアニメ映画ではあるが、私はけっこう真剣に考え込んでしまいましたよ。ピンチをチャンスに変えるなんて理想に過ぎると思うけど、出来たらいいなぁと考えてしまう弱気な自分が、ちょっと嫌でした。

まぁ、映画自体は楽しかったのですがね。

コメント
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