ヌマンタの書斎

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多数派による横暴って?

2013-12-03 11:59:00 | 社会・政治・一般

先週のことだが、特定秘密保護法案が衆議院を通過した。

その際、反対する議員たちの口から出た科白が「多数派による横暴だ!」である。相変わらず民主主義をご理解していないようである。

民主主義の根幹は、主権者たる国民の多数意見をもって正しいと見做すことだ。その国民の代表たる国会議員の多数が、この法案を良しとして賛意を示したのなら、それこそが民主主義政治の成果そのものである。

もっと云えば、多数派による少数派の意見の合法的押し潰しこそが多数決原理である。

逆に少数派(独裁者)の意見が、多数派の意見を押しつぶすのが独裁政治である。どちらがより横暴であることは、誰の目にも明白だと思う。この程度の道理も分からぬ愚者だからこそ「多数派による横暴」などと口にするのであろう。

やるべきことは、まず何故善意溢れる自分たちが少数派であるかを冷静に分析することだ。自分たちは正しい、その確信のみを盲信しては、いつまでたっても少数派のままであろう。

もっとも、もし仮に冷静に分析したのなら、その結果はひどく残酷なものになろう。それを予感しているがゆえに、彼らは決して顧みない。なにしろ民主党の下野でさえ、まともに反省する気がないのだから、彼らが永久の少数派であろうことは容易に想像できる。

ただ、それとは別にこの法案には問題も多い。私は政府が特定の情報を隠し通さねばならぬ場合があることは理解できる。でも、その隠された情報は、いつかは開示されるべきだし、誰がどのような目的で情報を保護したのかも、しっかりと記載されねばならないと考える。

どうも、この法案そのあたりが曖昧に過ぎる気がする。この点は今後、改正を望みたいところだ。

蛇足だが、この特定秘密情報保護法案について、これをアメリカのためだと非難あるいは疑念を呈している向きがある。相変わらずの反米志向なのだろうが、現状認識が甘すぎる。

日本の平和と安全は、アメリカとの良好な関係あってのもの。如何にシナとの貿易取引が増えようと、日本の安全を保証してくれるのは世界で唯一、アメリカのみである現実から目を逸らさずにいて欲しいもの。

もちろんアメリカだって、あくまで自国の平和と繁栄そして防衛のために日本列島を重視しているのであり、必ずしも日本政府のためではない。更に付け加えるのなら、半世紀前にアメリカに牙を剥いた島国に対する不信感は決して消えていない。

なればこそアメリカは日本の首都を取り囲むように米軍基地を配置している。日本軍の敵味方識別装置はブラックボックスとして日本政府に手出しを禁じている。事実上、アメリカは日本を軍事的従属化に置いている。

この屈辱的状況を甘受しているがゆえに、日本はアメリカを中心とした世界経済のなかで経済発展に傾倒できたのも事実。だからこそ、そのアメリカを安心させるためにも特定秘密保護法が必要となった。ただ、それだけのことだ。

自ら血を流さずに平和と繁栄を享受できる異常な状況だからこそ、反日自虐の平和愛好市民なる歪んだ存在が生まれたとも云える。この永遠なる少数派は、いつまでたっても「多数派による横暴」を叫び続けるのでしょうね。

コメント (4)
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