失敗作って、見ている分には面白い。
飛行機が空を飛ぶようになって、はや100年がたった。世界中の誰もが空を飛ぶことを願い、その夢を実現するためには、どうしたって人力以上のエネルギーが必要だった。
ガソリンを燃焼させることにより、爆発的なエネルギーを得るエンジンを開発したことで、その長年の夢が叶った。後はそのエンジンを載せる機体のデザインだ。これが面白い、いや面白すぎて笑っちゃう。
とりわけ、複葉機から単葉機になって以降、機体に軽量な金属を活用しだした時代が一番面白い。見た目が流麗で、いかにも華麗に空を飛びそうなのに、地上から飛び立つことも出来なかった飛行機もある。
革新的アイディア満載で、見ているだけでワクワクするのに、実際には満足に飛べなかった飛行機もある。原因はいろいろあるが、空体力学も未発達で、風洞実験技術でさえ未熟だった当時の飛行機業界は、設計者の夢が舞い、投資家の資金が飛散する、なんとも面白おかしい世界だった。
8年ほどまえにヨーロッパを旅行した時、わざわざ航空機が展示してある軍事博物館などを見て回った。表題の本で取り上げていた、奇妙奇天烈な飛行機の実物が保管してあり、実に楽しい見学だった。
アイディアは分るが、本当にこんなの飛ぶのか?と思っていたベルギーの戦闘機など、見ていて乗りたくなるくらい可愛いものだった。時間の都合でイタリアに行けなかったのが残念だ。デザイン倒れの飛行機、ワサワサあるんだよね。
可笑しいのがイギリス。表題の本でも沢山、駄作っ機が取り上げられている。真面目に考えた上での、おかしな飛行機の数々。笑ってもいいのだけれど、この自由な発想に少々羨望を覚える。
実はすべての駄作機が無駄に終わったわけではない。現在、アメリカがほぼ独占的に活用しているスティルス航空機のうち、膨大な爆弾を搭載して長距離飛行が出来るB2は、駄作機から進化したものだ。
ブーメランのように機体、すべてが翼で作られた全翼機は、アメリカのノースロップの夢だった。最初はプロペラで、やがてジェットエンジンを搭載しての初飛行に成功したが、操縦が難しく、結局失敗作とされた。
しかし、コンピューター制御とフライバイ・ワイヤー方式による操縦により、見事にそのアイディアは甦った。技術の進歩が、駄作機を最新鋭の航空機へと再生させたのだ。
失笑を買った技術者の夢が、長い年月のすえ甦り、大空を羽ばたく。ちょっと羨ましいと思うぞ。
飛行機が空を飛ぶようになって、はや100年がたった。世界中の誰もが空を飛ぶことを願い、その夢を実現するためには、どうしたって人力以上のエネルギーが必要だった。
ガソリンを燃焼させることにより、爆発的なエネルギーを得るエンジンを開発したことで、その長年の夢が叶った。後はそのエンジンを載せる機体のデザインだ。これが面白い、いや面白すぎて笑っちゃう。
とりわけ、複葉機から単葉機になって以降、機体に軽量な金属を活用しだした時代が一番面白い。見た目が流麗で、いかにも華麗に空を飛びそうなのに、地上から飛び立つことも出来なかった飛行機もある。
革新的アイディア満載で、見ているだけでワクワクするのに、実際には満足に飛べなかった飛行機もある。原因はいろいろあるが、空体力学も未発達で、風洞実験技術でさえ未熟だった当時の飛行機業界は、設計者の夢が舞い、投資家の資金が飛散する、なんとも面白おかしい世界だった。
8年ほどまえにヨーロッパを旅行した時、わざわざ航空機が展示してある軍事博物館などを見て回った。表題の本で取り上げていた、奇妙奇天烈な飛行機の実物が保管してあり、実に楽しい見学だった。
アイディアは分るが、本当にこんなの飛ぶのか?と思っていたベルギーの戦闘機など、見ていて乗りたくなるくらい可愛いものだった。時間の都合でイタリアに行けなかったのが残念だ。デザイン倒れの飛行機、ワサワサあるんだよね。
可笑しいのがイギリス。表題の本でも沢山、駄作っ機が取り上げられている。真面目に考えた上での、おかしな飛行機の数々。笑ってもいいのだけれど、この自由な発想に少々羨望を覚える。
実はすべての駄作機が無駄に終わったわけではない。現在、アメリカがほぼ独占的に活用しているスティルス航空機のうち、膨大な爆弾を搭載して長距離飛行が出来るB2は、駄作機から進化したものだ。
ブーメランのように機体、すべてが翼で作られた全翼機は、アメリカのノースロップの夢だった。最初はプロペラで、やがてジェットエンジンを搭載しての初飛行に成功したが、操縦が難しく、結局失敗作とされた。
しかし、コンピューター制御とフライバイ・ワイヤー方式による操縦により、見事にそのアイディアは甦った。技術の進歩が、駄作機を最新鋭の航空機へと再生させたのだ。
失笑を買った技術者の夢が、長い年月のすえ甦り、大空を羽ばたく。ちょっと羨ましいと思うぞ。