ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

設備投資の全額損金算入

2006-02-28 09:52:04 | 経済・金融・税制
今朝の日経新聞に、設備投資が全額損金算入との記事が一面に出ていました。

企業の利益は、売上(益金)から費用(損金)を引くことで利益(所得)を計算します。なかでも設備投資は、いったん資産として計上し、減価償却として期間按分されることで費用化されます。しかし、日本では残存価額なるものが存在し、設備投資額の5%は資産として残さねばならず、除却か売却しない限り費用化されることはありませんでした。

平成10年の法人税改正の議論の際の大蔵省の言い分は、代替財源がないから残存価額は残さざる得ないとのことでした。先進国でこのような時代遅れの制度を残しているのは日本だけでしたから、日本の産業界の国際競争力を削ぐものとして、批判が根強いものでした。

まだ自民党税調の段階ですが、いずれ税制改正大綱に乗ることは確実だと思われます。ただ・・・日経でも少しだけ触れてますが、これは消費税増税の前触れと考えて間違いないでしょう。

旧・大蔵省時代から今日まで、政府には一貫して増税と減税は一体で行うものとの伝統があります。これは歳入の安定確保のためですが、多少の時期的なずれは容認しているようです。

早ければ、来年(平成19年)には残存価額の改正はなされると思われますが、その先には消費税の増税が待ち受けていると考えて、ほぼ間違いないでしょう。私はそれを平成二十年もしくは二一年と踏んでいますが、どうなるやら。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする