のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

放射能のこと。大人は好きにすりゃいいけど

2013-03-17 | Weblog
小出裕章さんじゃありませんけれど、正直、大人はもう好きにすりゃいいやと思っております。
ただ、子供や、これから子供を産み育てようという人たちのことを考えたいのです。

「ただちに健康に影響はない」と言った人がおりました。
まあ、確かに、少量の放射線にさらされても即死するわけではありません。
100%の確率で癌や白血病になるわけでもありません。
この点だけを拡大してみれば、煙草やアルコールと同じようなものとも言えましょう。
(この例えによって世代間に渡る放射線の影響を矮小化するつもりはありません)
煙草を吸ったからといって即死するわけではないし、喫煙者全員が肺癌で亡くなるわけではない。
少しのお酒で即死する人はあまりいないでしょうし、飲酒者全員が肝硬変で亡くなるわけではない。

しかし「少しぐらいなら大丈夫だから」と言って、子供にあえて煙草を吸わせる人がおりますでしょうか。
「ただちに影響はないから」と言って、妊婦さんをあえて喫煙席に案内し、お酒をすすめる人がおりますでしょうか。

昔はともかく、今の日本ではまずおりませんでしょう。
なぜなら、煙草やお酒が身体に与える害についての認識が社会にある程度浸透しており、責任と倫理観のある大人なら、たとえ少量であろうとも、身体に害があると分かっているものに子供を晒すべきではないと考えるからです。
だからこそ、未成年の喫煙や飲酒を禁止する法律があり、妊婦さんは喫煙席よりは禁煙席を選び、子供に煙草をくわえさせるようなことはしないわけです。

それと同様の配慮が、子供たちの身体を有害物質から守ろうとする努力が、なぜ放射能に関しては「気にし過ぎ」と言われるのか。

「低放射線被ばくで深刻な健康被害」仏米科学者が学術誌に発表/サイエンス・デイリー(11月13日): フランスねこのNews Watching

重ねて申しますが、大人は好きにすればいいと思いますよ、他人に迷惑さえかけなければ。
(社会保障費といった観点から、どっちみち間接的には迷惑になるかもしれませんが)
煙草を吸いたい人は、喫煙スペースで好きなだけ吸ったらいい。
お酒を飲みたい人も飲んだらいい。おお飲みますとも。のろさんは肝臓悪くして死ぬんです。
マリファナをやりたい人は、カリフォルニアかオランダあたりへ行って、好きなようにおやんなさい。
そして、それなりの年齢で、これから子供をもうけるつもりもなく、放射能なんかへっちゃらさという人は、どこへでも住んで、好きなものを何でも食べたらいい。
皮肉でも何でもなく、そう思います。
ただ、誰であれ単に自分は平気だからという理由で、他人に対しても「影響はない」と言い切ったり、子供の健康を心配している親御さんに対して「気にし過ぎだ」と言う資格があるとは、私には信じられません。

天下のWHOが「おおむね大丈夫」と言ったんだから大丈夫だろうって。
そう信じたい所ですが、そのWHOの誠実さも、残念ながら疑わしいものです。

無限遠点: 医師団がWHOの隠蔽行為を非難

WHOとIAEAの癒着あるいは従属については、こちらでもレポートされております。

カナダde日本語 真実はどこに?―WHOとIAEA 放射能汚染を巡って

↑の冒頭で紹介されている約50分のyoutube動画を文字起こししたものが↓こちらで読めます。
真実はどこに?

のろさんの未来がたいして明るくないということはまあ了解済みのことではあり、割とどうでもいいことでもあるのですが、これから生まれて来る人たちのことを思うと、やりきれません。

原発事故で150万人死んだと公表したウクライナでは人口密度が福島の6分の1しかない







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2 コメント

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おはようございます。 (菜菜)
2013-03-18 06:25:38
知人と小さな映画館で【100000年後の安全】と【チェルノブイリ・ハート】を観ました。

観終わった後に、お互いに言葉がうまく見つからなくて。
ただ、、来てよかったね・・・って、それだけは確かめあった事を思い出しています。

のろさまの記事を拝読しながら、自分がうまく言葉にできなかった想いを、こちらで拝読できて、嬉しく思っています。


実は、私ブログを作りました。
のろさまのブログ記事を拝読していたら映画の事を書きたくなったのです。
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ブログ開設、 (のろ)
2013-03-18 22:18:37
まずはお喜び申し上げます。
映画について書く時、考えをまとめるために他のブログさんの記事を参照することがままありますので、そのうち菜菜さまのブログに御邪魔させていただくこともあろうかと思います。

「10万年後の安全」、私も京都シネマで観ました。
原発について賛成とも反対とも声高に言いはしないものの、放射性廃棄物の最終処分という、原発が必然的に伴う問題について、現実的に考えれば考えるほど非現実的な様相を呈して来る、という皮肉な現状を淡々と描き出した秀作であったと思います。

フィンランドが有する原発は現時点で4基きりです。
翻って、最終処分場の建設地すら決まっていない
某地震大国に54基もの原発があるという事実を目の当たりにすると、まったく絶句するほかありません。

映画では核廃棄物管理会社のかたが、「原子力エネルギーが長期的に持続するとは思えない」、「石油と同じようにウランもいずれ尽きる」とはっきり述べられた上、万が一、オンカロの入り口を発見してしまった未来の人々に対するメッセージとして「地上に戻って我々より良い世界を作ってほしい」とおっしゃっていたのが、たいへん印象的でした。

こうした長い射程、いわば7代先のことを考えて今を生きる視点を、果たして日本で原発に携わる偉いさんたちが持っておいでかどうか、私は甚だ疑問に思っております。
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