読書な日々

読書をはじめとする日々の雑感

『ロングライドに出かけよう』

2009年10月13日 | 自転車
米津一成『ロングライドに出かけよう』(河出書房新社、2009年)

気持ち的にはそんなに自転車に入れ込んでいるわけではない今日この頃なのに、なぜかしらバイクの話題が連続するというのも、いったい何なのだろう。

自転車に乗り始めると、一番驚くのが、意外と遠くまで走れるということ。もちろん5時間6時間も走り続ければ当たり前なのだが、そうでなくても、3時間程度でもけっこう遠くまで行ける。

たとえばうちのマンションから遠くに見える生駒山、二上山、大和葛城山、金剛山、岩脇山、三国山、和泉葛城山なんかへは往復でも3時間あれば余裕で行ってこれる。うちからそれらの山々を眺めて、あそこまで自転車で行ったんだという感慨は、車や電車を利用したハイキングでは得られないものだろう。

そしてそれらの山を越えてうちからまったく見えない場所に行くとなると、それが4時間程度で帰ってくるようなところでも、なんだか遠くに来たもんだという思いが湧く。初めて、山越えをして、法隆寺に行ったとき、このまま行って、帰ってこれるだろうかという不安が湧き上がって、ずいぶんと肝の小せえ奴と自分で自分が情けなかったが、この本を読むと、この人もそういう感情に襲われたというから、私一人のことではなかった。

車に乗り付けている人なら、これまで車で出かけていたところにバイクで行くということなら、あまりそういう感情も湧いてこないだろう。道だけは知っているわけだから。でも私のように車に乗らない人間には知らない道路を走るのは、まだ距離感ができていない頃だったので、恐ろしく感じられたものだ。

しかしこの本で紹介されているブルベというのは200Km~600Kmというとてつもなく長い距離を走って戻ってくるという大会らしい。100kmを超えると体力的な限界にくる私には考えられないような距離だ。

暗闇だろうが、雨が降ろうが、ロードバイクで走るというのが、私には理解できない。そもそもロードバイクはスピードの出るように作られたバイクだから、昼間走っていても、下りなんかで落車の危険があるのに、暗闇を走るだとか、雨の中を走るというのは、自殺行為にしか思えない。ブルベの大会でそういう事故が起きて死者が出たなんて報道は見たことがないので、そういう事故はないのかもしれないが(たんに報道されていないだけの話か?)、まぁ人それぞれだから、出たい人は出たらいいけど、私は危険度が何十倍にもなるような条件では走らない。

まぁロードバイクで600kmも走ったら、たしかになにか今まで見えてこなかったものが見えてくる、自分に対する自身だとか満足感なんかが得られるのかもしれない。

昨日も金剛山へのライドで、何人ものローディに追い抜かれたけれど、私はそれで構わない。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 金剛山 | トップ | 『愛の夢』 »
最新の画像もっと見る

自転車」カテゴリの最新記事