超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

LOSTAGE「ECHOES TOUR」@新代田LIVE HOUSE FEVER 12.7.13

2012-07-20 22:55:41 | ライブレポ






先週の金曜日、LOSTAGEのライブを観に新代田に行って来ました。







毎年参加しているレコ発ツアーもこれで四度目です。
今年もこの季節がやってきたかあ、なんて思いつつも年の楽しみの一つでもあるロストエイジのツアー
何で毎年毎年執拗に彼らのツアーに参加するのかって言うとロストエイジのライブには、
彼らのライブには毎回がクライマックスのようなテンションと
過度にストイックな姿勢が垣間見れるからで
要するにそれは「いつ観ても最高!」って事でもあるんですけど(笑)。この日も当然最高の出来で
また一つロストエイジってバンドのポテンシャルと魅力を再確認したような気にもなりつつ
この先の磨き上げだったり新曲の変化等も実直に楽しみになるような
そんな絶好調の初日であったかな、と思います。

何よりも、作風が多彩になった事でよりバンドとしての可能性が広がったというか
色々な表情を、情感を、その豊かな音楽性を十二分に楽しめる仕様にもなってるので
それも含めてますます面白いバンドになって来たかなって印象もあって
その意味でも正統進化を感じずにはいられない出色の公演
狂気も優しさもノスタルジーも怒りも
全部同じラインで鳴らされているかのような真っ当な人間らしさを垣間見れた最高の一夜だったと思います。
改めて、LOSTAGEが大好きになりました!一応初日なのでセトリのネタバレには注意です。では以下。






◆Ropes

一年前の柏公演でも観ましたね。この日もこの日で静寂の活かし方が上手くて素直に良かった
特に「何に怯えて かみつくの」って歌詞の曲が一番琴線に響いたような
戸高さんのギターも情感たっぷりで素晴らしい出来栄え
そしてアチコさんのMCは相変わらずユニークで面白かったですね(笑
戸高さんを差して「私よりは有名だよね・・・」って発言が微妙に卑屈で応援したくなりました。
それとロストエイジに関しては歌い手として尊敬してる、って話で
ファンとしては少し嬉しい気分になったりもしましたね。



◆LOSTAGE

この日はお客さんのテンションが異様な事になってたんですけど(笑)。
軽いモッシュ、手拍子、歓声と棒立ちが基本だった昔と比べると随分変わったなあ、というか
多分BKTSからの方も居たとは思うんですけど。まさかここまで観客のテンションが上昇するとは驚き
それ即ち新しいお客さんやリスナーが徐々に増えてるって事なんですかね。
それが証拠にこの日は当日券なしの完璧なソールドアウトでした。
お陰で半分スシ詰め状態でした(笑)。


一曲目「BROWN SUGAR」の勢いと手拍子の演出で早速ヒートアップする会場のテンション
続く「真夜中を」の音源以上の激しいアンサンブルのせめぎ合いにも大いに場が盛り上がりつつ
個人的には「DOWN」のどうにもならない感情の放出に一気にヤられてしまいました(笑)。
本当に聴いててダウン出来たなっていうか
ダウンする事が出来たな、っていう。
BKTSの時は「SF」の亜種って印象があったこの曲ですけどこの日聴いて確かに個性と衝動と
そこに込められた諸々のペーソスを受け取る事が出来て個人的にも嬉しかったし更にこの曲を好きになれました。

相変わらず情感たっぷりで最高に気持ちが良かった「楽園」、
ミドルテンポのバラッドですけど拓人さんのつんざくようなギターの響きがいつ聴いても至福で
これぞオルタナの名曲!と言わんばかりの「65 SHADOWS」の鬼グルーヴも迫力満点
後半の凄まじいレベルのトリップ感に完全に心酔していましたね。


「あいつ」は、冒頭の歌詞を間違えて一回やり直ししてました(笑)。
「この曲は歌詞が良い曲やから・・・」とちょっと悔しそうに苦笑する岳久さん
その後拓人さんが忘れた歌詞を口頭で伝えたりと初日ならではのムードにこれはこれで、
とは言いつつやり直した後の堂々たる佇まいは実に格好良かったですね。
ストレートにシンプルに突き刺さってくる感触。

で、この後の「僕の忘れた言葉達」があまりにも名演過ぎました・・・!
限界まで優しく歌われるメロディとポップとオルタナの気持ち良い融合の妙に感銘を受け
兄弟で一緒に歌っていたサビの福音は正に新境地と呼べる出来で
ここが一つのハイライトだと思ってますけど
加えて「雨のち晴れの空を~」ってフレーズには完全に心を包まれた気がしました。
ここまでポップで優しい曲なのに別に嫌じゃないっていうのは年代を重ねて得た説得力なのかも。
一気に場を幸福と反抗のオーラで覆っていくその表現力に骨抜きにされたワンアクトで。

「ギターマガジンに弟のギターが10ページも特集されてます」という発言の後で
一気にアグレッシヴ・モードに突入、激情をステージ上に叩き付けた「ひとり」から
狂気のエナジーを過剰にぶち撒けた「断層」の圧倒的破壊力!!
いつも以上に支離滅裂な印象だったボーカリゼイションも大変に魅力的で
全力疾走って言葉が相応しい「BARON」のスピード感だったり
地獄のドラミングが火を吹いた「カナリア」の暴力的で気持ちが良い演奏に最後まで魅了されつつ
本編のライブ演奏は終了、実りも発見も情感もしっかりと受け取って終われた印象で
この時点で観客側としても半分出し切ったような気分でした。
小ハコで満員ならではのクタクタ感も
逆に度を越えれば快感に変わっていった印象で「BARON」の頃には素直に気持ちが良い、
とすら思えるほどになっていましたね。いやはや本当に良い具合の初日でした。面白かった!


アンコールではRopesのアチコさん等ゲストを加えて新譜の楽曲を披露
「NAGISA」は思ってた以上にライブでもしっくり来る感触
美メロをしっかりと堪能出来た印象で
拓人さんのギターも棘や激しさを抑えてひたすらにムーディで温かみ溢れる音色を奏でていて
そのサウンドに浸るのもまた気持ちの良い時間でした。続く「これから」も浮遊感が癖になる出来で
そういうふわふわゆらゆらと泳ぐように聴けるサウンドも一つの新境地だと思ったり
その流れで繰り出された「NEVERLAND」はもう反則レベルで
あまりにも優しい歌声と聴き手を勇気付けるような音像にカタルシスも尋常ではなかったです。
ちょっとどうにかなりそうなくらいこの日の「NEVERLAND」も素晴らしかった。
なんか船出のイメージが頭の中に浮かんでいて
こういう「光」を描けるようになったのも今のロストエイジの強みの一つかな、と確かに。

ダブルアンコールではこのツアーで対バンもするZのギタリストを加えて4人編成で開始
まずこれも思ってた以上にライブ映えしていた「ペラペラ」、
Aメロとサビの時の落差が極端で結構ユニーク、かつ
そんな神妙な空気感に新鮮さも憶える楽曲に仕上がってて感動
その後は初期の名曲「MIND JIVE」「手紙」を超エモーショナルに叩き付けてライブは終了
なんていうか、この人たちライブの度に出し切ってて凄いなあ・・・と実直に尊敬出来るレベルの
そこまでのカタルシスが今回もあって「手紙」の「計画実行」の部分では思わず我を忘れて飛び上がり・・・
完全にイカせてもらいました。流石の手さばきでした。ありがとうございました。






セットリスト
1.BROWN SUGAR
2.真夜中を
3.DOWN
4.楽園
5.BLUE
6.65 SHADOWS
7.あいつ
8.僕の忘れた言葉達
9.ひとり
10.断層
11.BARON
12.カナリア
encore
13.NAGISA
14.これから
15.NEVERLAND
encore2
16.ペラペラ
17.MIND JIVE
18.手紙





対バンなのにワンマン並みの曲数を演奏してくれたので
これで満足しない訳がない、っていうね(笑)。新譜の曲は唯一「瘡蓋」だけ未演奏で
後は全部聴けましたがどの曲も早くも温まっている様子で
特に「DOWN」「僕の忘れた言葉達」「ペラペラ」の完成度が高かったかなあ、と。
それと同時に新譜の新曲に対する評価も更に高まるくらい楽曲の輪郭を垣間見れるライブにもなってて
正に新アルバムのツアーとしては相当に成功していた公演だったんじゃないか、と。
とにかくどの曲も圧倒的に良い具合に感じたのが本音ですね。

新譜は激しい、盛り上がるというよりも
割と多彩さだったりメロディを重視している印象だったので
実はこれまでのレコ発と違いそこまでグッと来る衝撃はないんじゃないか、って
そんな心配も実は始まる前にあったんです。
「聴かせる」曲が中心ですと大抵は盛り上がりとは違うラインのライブになるのがパターンですから。
でも、ロストエイジはどこまで行ってもロストエイジでした(笑)。
私の大好きな憧れたロストエイジのままでした。
それが何より嬉しかったし
益々これからも追いかける気になれて個人的には過去を振り返っても特に出来の良い
初日ならではの空気感も織り込んで最高だって断言出来る出色のライブだったと思います。
ツアーはまだまだ続きますし追加公演でクアトロワンマンも決まったので
今後の深化に関しても実に楽しみに思いを馳せてる今日この頃です。
素晴らしいライブを本当にありがとう。お疲れ様でした。





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