超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

alfred and cavity/the band apart

2011-12-06 00:19:18 | 音楽(旧譜レビュー)






旧譜レビュー、今回はthe band apartの「alfred and cavity」です。





このアルバムは、the band apartの3枚目のフルアルバムにあたるんですが
現時点では
最も洗練された出来になっているのがこの「alfred and cavity」だと思います。
所謂パンク・メロコア系のシーンから出てきたのにも関わらず、オシャレで汗臭くないサウンド
その上でバンドアンサンブルの激しさや衝突の醍醐味も表現する、っていう
キッズもサブカル好きも両方虜に出来る様な懐の広いサウンド、
それが証拠に
ライブでもその層が2分されているように思えるんですね。
ハイスタやブラフマン系統の層と、サニーデイスーパーカーをたしなむような層と
その怒涛のいいとこ取りっぷり
それがもたらす新たなるオルタナ感覚の素晴らしさ。
オルタナっていうのが何を指すのかは個人個人の感覚に拠りますが
個人的にはゆらゆら帝国やイースタンユースに負けないくらいオルタナティヴで
わが道を貫き続けているバンドだと思います。
彼らの尽力があって
オシャレで踊れるパンクミュージックが流行ったのは言うまでもないと思ってて。

その中で、
どれもこれもお気に入りの作品ではあるんですが
この時期によく聴きたくなるのはこの「alfred and cavity」でして、
個人的な感覚でしかないんですが
メロディが一番良いと思うんです。全体的に。凝ってるのは勿論、妙な温かさがあるっていうか
激しさとじんわりくる感じが上手い具合に合さって一つになってる気がして、
バンアパの基本的なコンセプト、
バンドの特徴からしてもこれが一つの金字塔のようにも思えて。
しっかりと練り込まれたメロディに
幅広いフレーズの楽しさ、
どこを切ってもポップで楽しく、オリジナリティ溢れる音楽のバランス。
最も衝撃を受けたのは1stで、
最もアガるのは2nd、
タフなバンドサウンドを見せ付けたのが4thっていう印象ならば
このアルバムは最も安定していて、いつでも楽しんで聴けるアルバム、って感じですかね。
それ故に他のアルバムと比べて突出した楽曲は見受けられませんが
その分このアルバムは楽曲ごとの差異がなくて、一つ一つの曲を均等に楽しめる作品だとも思うんですね。
どの曲もどの曲で必要っていうか、その一つでも欠けたら物足りなくなるような、バランスに長けた作品で。
これはこれで一つの到達点だよなあ、って
先日聴いてて改めて思いました。
当時はややインパクト不足にも思えたけど、その分ずっとコンスタントに聴き続けられる安定感があるんですよね。
このバランスの取り方は、中々しょっちゅう聴けるものではないでしょう。傑作だと思う。




先日別館で「led」について書きましたが、あの曲は単体でもってバンアパ独自の表現、
バランス感を上手く表現した名曲の一つだと思ってます。
その他にも、軽快なリズムとメロに何度もハマる「beautiful vanity」、
昔の友人に捧げるちょっと胸が温かくなる雰囲気が素敵な「Stanley」、
不穏なアレンジが刺激的「headlight is destroyed」や爽やかに突き抜けるメロディ「still awake」
逆に挑発的なメロディが光る「KATANA」と楽曲のバリエーションは豊富も豊富
どの曲が云々ではなく、全体で聴いて自動的に楽しめるくらいは流れは徹底されている作品です。
キッズも当然、雰囲気が素敵な音楽を好きな方にも太鼓判って感じのアルバムですね。

以前のレビュー
Scent of August




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