超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

ORANGE&BLUE/COIL

2012-01-26 22:58:54 | 音楽(旧譜レビュー)






久々の旧譜レビュー。今回はCOILの「ORANGE&BLUE」です。





12年前に出たアルバムですが、今聴いても余裕で新しい。
というかこの時期のバンドはどのバンドも色々先取りし過ぎていた感がありますね。
だから当時はそんなに評価もされてないイメージでしたけど
でも今なら堂々とこれも最先端だな、って言えるんじゃないかと。今は色々壁がなくなってるイメージですからね。
洋邦の壁って意味で。良い意味で影響を消化していて随分と気持ち良い音楽だと思います。

基本的にはオールディーズの流れを汲んだロック・ユニットですけど
そのまんまではなくきちんと日本のポップスやフォークの要素と合体させて
聴きやすく提示されてるのが非常に良いですね。
聴きやすい感じやすい。
その中で確信を突いた詞だったり、懐かしさを感じさせる雰囲気だったりと詞もちゃんと面白くて。
メランコリックとセンスとユニークとシリアスが良いバランスで混在している感じ。
全12曲中ほぼ名曲レベルの楽曲なので、最初から最後まで滑らかに聴ける。そんなアルバムになっています。


そういう古き良き音楽からの影響も良いんですけど
やっぱそのまんまだと辛い。
どっかでそのユニットにしか出せない味が欲しい。って観点ではCOILはもうバッチリで
オルタナ好きには堪らないような「追放と楽園」もまた彼ら独自の味って言える位調理されていて。
日本語の使い方、メロディへの調和のさせ方、力の抜きどころも色々分かってる感じで。
ズバリな名曲「海とゼリー」からノリノリのロックンロール「カウンセリング&メンテナンス」、
アコギ主体かつ挑発的な「覚醒<めざめ>」、素直な思い出ソング「河川敷ドリーム」、素朴な「ユメオチ」、
子供時代のペーソスをゆったりとしたメロディで歌う「幼少時代」は最高のロッカバラード。
最後の「White Room」なんかも脱力と真面目が良い具合で混ざってて素敵です。
一枚目の流れを引き継ぐおふざけ「COILの暴動」なんかも入っててそのひねくれもまたオツで(笑)。
オマージュと尊敬の念を含みつつ、自己流ポップに昇華出来ているそのセンスは
懐古って訳ではありませんが
やたらそのまんま、がまかり通ってる今では本当強いオリジナリティを感じるのです。
今だからこそ聴いて面白がって欲しい、そんなアルバムですね。傑作です。

特にフォークの名曲と言っても構わないくらい堂々とした名曲っぷりの「BIRDS」は必聴レベル
あの頃もあの頃で感動しましたが、今聴くと歌詞の深みが強く感じられて
尚更心に染み渡ってきますね。
英語に聴こえる日本語詞、って観点でもこの時期から先取りしてるのは凄いと思う。「有終の美~」の部分。




久々に「追放と楽園」聴いてたら、今のオルタナ勢にも負けないくらい強烈なオルタナっぷり発揮してて
これは是非今のロックファンの反応も気になるな~って所からこの記事書こうと思いました。
基本ロックですけどポップスのファンが聴いても満足出来るような秀作だと思います。
二人とも作詞作曲歌もこなすっていうのも基本に忠実で良い感じです。




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