超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

TRIGGER HAPPY/MO'SOME TONEBENDER

2011-11-28 18:56:30 | 音楽(旧譜レビュー)






久々の旧譜レビュー、今回はモーサムの「TRIGGER HAPPY」です。




このアルバムは、今聴いても異色ですね(笑)。
そもそもアルバム毎にカラーが違うモーサムトーンベンダーなんですけど
このアルバムはほぼ打ち込み、
それもダンスミュージックでもなく無機質な音像って事でなんとも形容のし難い作品ではあります。
ちゃんと歌が入ってる楽曲は10曲中5曲で
後はほぼインストの楽曲、っていうのも大胆だし面白いなあ、って思うんですが
それ故に変化球としてファンの間ではお馴染みだと思う作品で
事実私もそんな風に捉えていたんですが
先日ライブに行った時に「go around my head」を聴く機会がありまして、それがめちゃめちゃ良くてですね
それがきっかけで改めてこのアルバムを聴きなおしてみた訳です。
したら
以前聴いた時以上に格好良いなあ、
無機質でも全然聴けるなあ、と個人的な評価を改める出来事がありまして。
んでこの作品について何か書こうと思ったんですけど。

歌ってる内容自体はいつもとそんなに変わらないのに
ちょっと角度を
表現の形を変えるだけで
こんなに印象が変わるのか、っていう作品ですね。
「go around my head」の詞なんていつも通りの無秩序で半分自棄的な詞の楽曲なんですけど
敢えてこういうグシャッとした、無感情風の歌い方にする事によって
新たな感触
クールな投げやり感が生まれるっていう。それは非常に格好の良いものですよ。何度聴いても痺れる出来。
後の「C.O.W」にも繋がるエッセンスの「endless D」もクールに吹っ切れてて格好良い。
途中で一気に狂ったようにまくしたてる部分はこのアルバムの中でも一つのハイライトになってます。
当然リード曲の「hang song」も暴力的な扇情感が気持ち良く
フリクションのカバー曲「BIG-S」は今でもライブの定番になるくらいパンキッシュな出来で
感情抑え目の曲が多いこの作品のなかでは唯一エネルギーを感じれる曲になってると思います。
その分詞はかなりぶっ飛んでますけどね(笑)。
実験的な作品とは思うし
他のアルバムに比べてカタルシスが高い訳ではないけれど
しっかりと聴いてみると、意外に名曲多いなー、とか流れも面白いな、って。
そんな冷静の中にある狂気、狂気の中にある冷静。
が思う存分楽しめる
そういうアルバムになってるんじゃないか、と思います。これはこれで鮮烈で印象的なアルバムですね。




前述の通り、「go around my head」「endless D」は
今から考えても新機軸っていうか
こういう曲はこのアルバムにしか入ってないよな、って思うので
その意味でもファン的には是非
それを抜きにしても前衛的で個性的なアルバムに仕上がってると思います。


STRUGGLE

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