超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

Syrup16g全曲レビューその64「Anything for today」

2014-02-02 19:07:39 | Syrup16g全曲レビュー



















今回は思い出の一曲です。


















Anything for today              アルバム「delayed」収録



















私的な話ですが中高と友達が一人もいなくて
ずっと窓の外をぼーっと眺めていた記憶だけが色濃く残ってるんですけど
そういう・・・退屈な感じとか何もなかった感じを正に想起させるような一曲で
今だからこそ、でもなく
当時からこの曲で描かれている風景は自分そのものなんじゃないか、なんて事を思いながら聴いてた曲です
だから、ものすごく個人的に思い入れの強い楽曲ですね


君はひとりで
君はひとりぼっちで
いつでも空とばっかり
話してた


私は席替えでいつも教室の隅、しかも窓際を引く事が多かったので
余計に自分の孤独感を強く意識しながら過ごしていた学生時代でした
その辺の席になるとただでさえあまり話す機会もないのに
更に他人と接したり注目される機会が減って
益々孤立しちゃうというか
いつしかそんな空気にも慣れて気が付けば窓から何もない空を眺めている事が多かった
教室には沢山の人がいるはずなのに、何故か(実質「何故か」ではない)自分だけが取り残された感覚
澄み渡った青い空を見てると尚更そんな自分の惨めさを実感出来たんだけど、同時に
そこだけが唯一明るく悪くない気分になれる場所だった気もする
そういう停滞した退屈感だったり
達観の末に受け入れた孤独感だったり
多感な時期の色々な情感が4分間の中に詰まっていて個人的にはずっと昔から大切に聴いている曲
個人的にはなんか寂しい時に部屋の隅で体育座りを聴きながらじっくりと聴くのが好きでした
理屈云々ではなく
歌声や雰囲気からそういう退屈や孤独が滲み出ている
だからこそ自分の思い出や感情に作用して気持ち救われるような、そんな楽曲です
違う言い方をするならば、そんな寂しい感情やしがない過去に寄り添ってくれる楽曲、とも言えると思います

私はこの楽曲を聴くと必ず学生時代の風景を想起します
あの退屈で、だからこそいとおしくもあったあの時代の風景
個人的にはそんな経験や記憶があればあるほどより芯に響くような曲かな、と
ただ、その分少し甘い切なさみたいなものも付随してくるのが特徴と言えば特徴ですかね。
この曲はちょっと自分の中では特別に近いポジションの一曲かもしれません。
ある意味自分の切り貼りみたいで。


ちょっと派手さも感じられるイントロから
少しシックになるAメロ、そして雄大さを感じさせるサビと
割とメリハリが上手く付いていてその意味でも聴いてて飽きない楽曲ですね
アコースティック・ギターの音色も流麗で小気味良く間奏の部分では意外と激しさも感じられたり
歌詞自体は物悲しさも溢れてますけど、その分そんな人々の「存在」を確かに歌ってくれる
掬いあげてくれるような感覚もあったり
案外寂しいだけの楽曲でもないかな、とは最近になって感じるようになりました
その意味でも推しておきたい一曲ですね 単純にグッド・メロディだとも感じるので。


















そこには無くて
そこには何も無くて
イノセントなんてとっくに
放棄した


このフレーズも問答無用で大好きです。
望みも、期待も、「そこ」には何一つ存在しなかった
気が付けばそんな場所だらけです(それもまた「仕方のない」事ではありますが)。
純粋な気持ちも失わざるを得ない。
それでも続けるしか選択肢はないわけですけど、時折モヤモヤした気持ちになったら
こういう場所に帰ってくればいい。そんな風に思います。






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