超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

NICO Touches the Walls「TOUR2012 ALGORHYTMIQUE」@SHIBUYA-AX 12.10.2

2012-10-03 01:26:56 | ライブレポ





NICO Touches the Wallsの新ツアー「ALGORHYTMIQUE」に参加して来ました。






すっごくいいライブだったし、また一回り逞しくなってるのを如実に感じたりもしましたが
正直途中までは満員電車以上の人と人との距離感覚のなさ・・・
というか、はっきり言ってみんなくっ付いてた(モッシュとか関係なく)。
そんな状態で観てたので
若干人酔いしちゃったんですけど(笑)。朝方の山手線レベルだった。
でもしかし、内容的にははっきりと「次」の音像に向かってる手応えがしっかりと感じられて
人酔いはしたけれど、終わってみると確かに何かを掴めた感覚が残っていて
それが凄く良かったですね。
多少実験的な要素も強かったけど
今年に入って集大成的なライブばかりだったので
そろそろ「遊ぶ」時期に入ってるのかもしれませんね。そう考えると、またこの先も楽しみになってくる公演で。

☆セトリのネタバレあるので注意です。






◆カップリング曲多し

「夕立マーチ」「速度」「風人」・・・最後のは一応タイアップも付いてましたけど
割とメジャー以降のニッチな選曲が多かったように感じました
それを考えると
ある程度予習はしていった方がいいかも
私の場合は以前武道館で「速度」を聴いてたのでめっちゃ懐かしい気分に
でも何より初披露の「夕立マーチ」が異様に良かったですね。普遍的な内容ではあるんですけど
ギタリスト作曲の楽曲らしく、とにかく煌びやかなリフが聴いてて飽きない
ちょっと聴いてて感じたんですが
これからは割と奇抜なアレンジで遊んでいくのかな?とか
この前に演奏した「カルーセル」もやっぱNICOにしては斬新なアレンジだと再確認しましたし
「ラッパと娘」なんて光村さんがドラム叩いたり、坂倉さんがキーボード弾いたり
かなり自由度が高くなってましたから
これからは華麗に暴走するような方向性に持っていくのかも?
そして久々に聴いた「風人」はおしくらまんじゅう状態の中でも艶やかに感じたくらい
ストレートに格好良く色気のある仕上がりになってました。これは正直今の方が全然良い。


◆自由度の高いアレンジが光る

「ホログラム」のアレンジはまったく別の曲、といっていいぐらい違かった
最初は「えっ?」って思ったけど聴いてたら慣れていった(笑)。
「ページ1」も同様にアレンジが加えられましたけど、こちらはよりキュートな仕上がりに
どっちも斬新で良かったですけど
元々の性質を活かした後者の方がより好みでした
ロックバンドにこういう言葉を使うのもなんですが、非常に可愛らしい曲になってて(笑
多分ここでしか聴けないと思うので是非そのチャレンジには触れといて欲しいですね。
後者に関してはカップリングに入れて欲しいとさえ思ったくらい。


◆昔の定番が復活

「ビッグフット」「B.C.G」「Aurora」等
前は必ずセットリストに入れていた楽曲が所々復活
この辺もこのツアーの長所の一つですね。
長らく生で聴いてなかったので
まずは「懐かしい」って印象が先立ってはしまったのですが
それでも「ビッグフット」の堂々とした佇まいのロックンロールや
「B.C.G」の暴走っぷりは流石に気持ち良かった。ここ最近足を運んでなかった人にも是非
多分最近の曲と混じっても全然違和感なく聴けると思うし
何よりも全体的にロックモードになってるので
その意味でも空気読んでる選曲で素晴らしいと思います。こういう、
昔からのファンに対するアプローチ的な選曲を欠かさないのもNICOの良い部分
未だに「泥んこドビー」とか演奏してますからね。



◆よりシンプルに、バッキバキになったサウンドスタイルが気持ち良い

個人的に感じたことなんですが
前よりも吹っ切れていて
また本来のロックモードがじわじわ復活している印象も受けました
オールラウンダーからのランアンドガン、的な
「カルーセル」なんかはちょっとビックリするほどロックアンセム化してましたし
「手をたたけ」も今はシンプルなロックンロールとして鳴っています
一番新鮮だったのは
「夏の大三角形」のアレンジが本当に飾り気のない肉体的な音像に変化していたこと
正直本編最後に置かれても「これで終わり?」とは全然感じなかった
この曲はもっともっと伸びていきそうな予感を感じる
やっぱり色々と侮れない楽曲だなあ、と。

しかしそんな驚き以上に「マトリョーシカ」を完全にものに出来てたのがロックモード一番の収穫か
以前のも良かったんですけど「Broken Youth」とかと比べたら劣ってはいましたからね。
その点この日の「マトリョーシカ」はきちんと音源以上のものを出せていて
こういう部分でも大いに成長を感じました
勿論「THE BUNGY」なんかは言わずもがな、あんだけ人酔いしてた筈なのに気が付けばジャンプしまくってた(笑
何度も生では聴いたはずなのに、正直この日が最も良いんじゃないか?ってくらい
自分の中では興奮が抑え切れなかった
それもまた不思議な話ではありますが、単純にメンバーの力量が上がってたのかも
アレンジ加えたりカップリング曲多発したり実験的要素も多々あったので
その意味じゃこの曲が一本太い幹として立っていた感はアリアリで
それもまた個人的には頼もしく感じられましたね。いつでも自分達らしさを直に出せる武器がある、という。


◆でも、一番は「バイシクル」

なんでしょうね、ライブで聴く「バイシクル」って音源の数倍は良い様な気がする
恐ろしいのは音源自体が個人的には至高の出来ではあるのに
ライブでは常にその何歩も上を往ってる
聴いてると本気で真っ白に、真っ更になってしまいたい、ってそう感じてしまうんです
それくらい感情移入を促すマジックが働いていて。
それは自分との相性が特に良好ってだけなのかもしれませんが
あの「何もかもを直ぐに放り出せる感覚」は、やっぱライブで聴いてこそだよなあ、って思う
この曲は「THE BUNGY」以上にライブで真価を発揮出来る楽曲だと感じますね
この日も随分助けられました。
見事でした。


◆MCでは対馬さんが韓国アイドルのダンスを(笑

しっかり振り付けもマスターしつつ気持ち良さそうに歌ってました(笑
その前にもカリフラワーの話題をしてたら古村さんが「そうカリカリすんなよ!」って
駄洒落を言って場の雰囲気がシーンとなったり
この日のMCは
本来予定してない部分で印象深い出来事が起こる、不思議な夜でした。
というか、多分音楽に集中し過ぎてノープランだったのかな?って感じもしたけど
結果的にネタにはなったから一応OKはOKなのか(笑)。MCとは全然関係ないんですけど
演奏してる間のメンバーの表情がこの日は異様に明るく感じられて
その意味でも
このツアーって自由に気の赴くままに演奏を楽しむツアー、って感じがしていて
ある種「HUMANIA」ツアーの気合とはまた違うベクトルではあるんですけど
それでもこれはこれで素直に楽しめるライブで
何の縛りもなく自由に感じる類のライブで。
実験的な要素も含めて、今後に及ぼす影響も振り返った時大きいんじゃないか、とも思うので
ファンならば是非、というところですね。前回のツアーが一つの到達点なら
今ツアーはさしずめそこからの新しい一歩、ってところかな。
その手探り感も真剣に面白がりつつ、
最終的にはタフなロックバンドとしての旨みもたっぷり感じられたライブでした。
また、次に参加する時どうなってるのかも実に楽しみですね。
個人的ハイライトは「バイシクル」で。







セトリ
1.ビッグフット
2.Diver
3.カルーセル
4.夕立マーチ
5.速度
6.B.C.G
7.風人
8.Aurora
9.ページ1
10.ホログラム
11.ラッパと娘
12.マトリョーシカ
13.手をたたけ
14.新曲
15.THE BUNGY
16.バイシクル
17.夏の大三角形
encore
18.エトランジェ
19.N極とN極




いやあ、振り返ってみると実に面白いライブでしたね!
また一つ何かを模索している印象もありつつ、今後はよりプログレッシブな方向性になる事も有り得るか?とか
考えようとすれば色々と考える事は出来るんですけど
ただ一番気持ち良かったのは
間違いなく「マトリョーシカ」以降の展開でした
オートマティックに聴いて盛り上がれる磐石の展開もありつつ
聴き手の反応を探る実験的な展開もあったりと
「今まで」と「これから」の中間地点のような、ある種台風の目的な感覚もあったので
その意味でもこのクロスポイントは後から振り返れば貴重なものになりそうだな、と。そう思いました。

ただまあ、新曲はかなり初期のテイストっぽい?ロックンロールだったので
原点回帰しそうな雰囲気もあったり、割と先が読めないんだけど(笑
それもまた先読み不可能な感じで、ドキドキ出来るのでは、と。





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2 コメント

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脱皮 (caress)
2012-10-03 23:16:39
ニコ、たぶん生まれ変わるんではないかと。

ライブをぼーーと見ててそんな気がしただけで、まったく根拠はなくてなんかね、感じが違ったんですよー ライブの出来とかじゃない何か・・

どこらへんが?と聞かれたら、まーーったく説明できないのですがw

楽しみー♪
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ほぼ同じ感想ですね (西京BOY)
2012-10-04 21:39:46
caressさん、コメントありがとうございます!
今回は大阪が初日でしたよね。
ちょっと羨ましい(笑


>ニコ、たぶん生まれ変わるんではないかと。
「HUMANIA」ってアルバムがまさしくオールラウンダー、
何でも出来るってストロングポイントを存分に示したアルバムだったので
多分次はまた違う音像に向かうんでしょうね~。
それが楽しみでもあり、
ドキドキでもあり(笑

前回の作品がとことん王道を追及した作品だと思うと
結構邪道な作品を作る事も想像出来たり?
でも「チェインリアクション」って新曲はバリバリのロックンロールだったので
単純に磨き上げる音像に向かうのかもしれない・・・
何にせよ、
そんな次への変化が垣間見れるとても面白い公演だったのは間違いないです。
どんな風に脱皮をしてくれるのか、期待!ですね。


年末のシングルも楽しみです。
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