超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

絶対絶命 全曲レビューその12「携帯電話」

2011-04-14 23:56:08 | 音楽(全曲レビュー)





RADWIMPS「絶体絶命」全曲レビューその12は「携帯電話」です。あと2曲!

といいますかこれが終わるのって土曜日ですからマジでアニメ新番組チェック終了と同時期ですね。
中々上手い事重なったもんだ。
でもまたいつかこういうのやりたいですけど。実は毎日レビューは2回目ですからね。





12.携帯電話


【こんなものがなければ】

思い出って確かに大切ですけど時に足を引っ張りますよね。
楽しい事ばっかならまだしも
楽しい事の中に辛い事があったり
逆に辛い事の中に楽しい事があったり・・・だから切りたくても切れない。失くしたくても失くせない。
シングルの時に聴いた時は単なる携帯電話絶賛ソングだって印象も多少あったんですけど
こうやってアルバムで聴くと・・・全然印象が違う。
これ思い出を携帯してる歌だったんだって。
思い出と向き合う歌だったんだって。
そう思えるようになりました。

また、配置が良いんですよね。後半の「ものもらい」の、まだメランコリックに浸りたい時に
丁度良くこの曲が来るというか
「ものもらい」で浸りきった後に、この牧歌的なメロディーが心地良く響くというか。
アレンジもシングルよりバージョンアップしてて、この流れで聴くと素直に良い曲だった思えます。
というか元々そこそこ好きだったんですが
これでようやく本当にいいな、って思えるようになって。
淡々と紡ぐように歌う出だしからメロディの純度がグッと上がるサビが素敵ですね。
素直に胸に入ってくるメロディーだなって気づきました。


思い出は確かに厄介ですけど
何一つ思い出という思い出がないよりはあった方がマシだな、っていうのは良く分かる。
一つのロードマップというか
歩いてきた道のりというか、存在証明の一つだと思ってて。
それがあるから自分だ、っていうのもあって。
そこには勿論いい思い出ばかりじゃないでしょう。むしろ嫌な出来事の方が多いかもしれない。
それでも、それがあるからここまで、この立っている位置までやってこれたというのがあって
些細な出来事や嬉しさだったり、辛い記憶にも支えてもらって自分は生きている。
だから自分の過去を無為に嫌うのは止めにしようじゃないか。
それもまた自分の欠片の一つだから。

だから良い思い出も、嫌な思い出も、どっちも携帯して歩いていこう。そういう風にも聴こえるんです。






あと、最後に一つ。
これまで自分を責め続けてきた今作の楽曲たちですけど
この曲で初めて肯定的な面が出てきたというか
こんな自分でも誰かと繋がってるんだよ、と。

まさか「携帯電話」がここまで上手くカチッとハマるとは予想外だったので、初聴きの時は鳥肌モンでした。



NICO Touches the Walls@柏PALOOZA 11.4.13

2011-04-14 21:17:15 | ライブレポ






昨日はNICO Touches the Wallsのライブを観に行ってました。柏に。ツアー初日ですね。


なんか3月に色々と中止になったり延期になったのが4月までも続いてて
結果的に4月初ライブになった訳なんですけど
その分・・・なんていうんだろうな
ライブに対するありがたみというか、感謝の気持ちが強くなったような気がして
単純に元気をもらえる、って部分も強まってたかもしれません。
初日ですが正直かなりの完成度のライブだったと思う。
まだ手なずけてない曲もあるんでしょうが、それはそれでいいじゃないか、って思いました。
ツアー終盤での変化が楽しみですからね。正にニコニコとなるようなライブでしたね。

ちなみに柏でのライブは相当久々になるようで、「ようやく帰って来る事が出来ました」、と。
確かに言われて見ればそんな感じもします。
とはいえ自分は実は千葉では千葉LOOKでしか観たことないんですけど(笑)。だからその分新鮮でした。

ついでに言うと柏PALOOZAはこれで3度目なんですが
正直すごくいいハコですよね。千葉は小ハコばっかなんですけど、ようやく中ハコが出来たなあ、っていうか
それでいて音もかなり良質だと思うんですよ。ようやくこのクラスのハコが出来てくれたな、と。
多分UNIT以上クアトロ未満な感じかな、サイズとしては。

という訳で初日ですので行く予定の方はネタバレ注意です。では以下。




なんてことを書きつつも、いつもよりも到着が遅れてしまって
1曲目の「ロデオ」は聞き逃してて、2曲目の「THE BUNGY」からのスタートでした。
ちょっと悔しいな、と思いつつも
2曲目から早くも脂乗りまくりのアンサンブルにすっかり夢中で(笑)。この曲が2曲目って出し惜しみないなあ。
個人的にそこまで盛り上がりはないだろう、って思ってた「容疑者」が思った以上に盛り上がってて
かつ染み入る感じでもあって中々に驚いたり
序盤からの「サドンデスゲーム」投入に興奮したりと掴みはOK、って印象のスタートでした。
後方なのにメンバーの表情もよく見えるのは中ハコならでは、か。

MCでは電車で来たらしいが、光村くん切符失くして倍額取られた、とのこと。ついてねー(笑)。
でもこれが後々に他のメンバーに伝染することになろうとは。


再開は「3年目の頭痛薬」と「錆びてきた」っていうかなり渋めの布陣。
前者は久々か、もしかして聴くの初めてか・・・?
怪しいムードが漂っていて素敵でした。これぞブルースバンド的、な。
「SURVIVE」では歌詞に合わせて坂倉くんがコーラを飲み干す演出があったんですけど
一気が出来なくて、何度かに分けて飲み干してました。
その一環として対馬くんがヘリウムを吸って声を出すって演出もあったらしいんですが
肝心のヘリウムが切れてまして(笑)。
いや~これは見事に滑ったなあ・・・と思いつつそんな逆境にも負けずに頑張る姿が眩しかったり。
この季節にピッタリな「ぺージ1」もまた爽やかで良かったんじゃないかと思う。

ただ、ここで個人的なハイライトが来まして、
「君だけ」。
これがめちゃくちゃ良かった・・・!なんていうのかな、照明落としてランプの明かりだけで歌うっていう
分かってる演出の時点で素晴らしかったと思うんだけど
音の伝わり方が尋常じゃなくて
歌モノとオルタナが合体したようなサウンドアプローチも非常にグッと来てしまったのです。
じんわりとグイグイが一緒にくるような感覚。
新譜の中で一番良く演奏出てきたと思う。

その後は盛り上がりモードに突入、いつも以上に荒々しく歌われた「ホログラム」だったり
ガチンコで歌いきった「Diver」、
そして予想通り相当ライブ映えする「妄想隊員A」あたりが特に素晴らしかった。
今回のアルバムは裸一貫のアルバムらしく、楽曲主体じゃなくてバンド主体で作ったものらしい。
だからこそサポートを入れずに4人だけで回るツアーにしたい、だとか。

そんな前置きの後に決意のアンセム「Passenger」。これも思った以上にライブ向けだと思った。
みんなで歌って本遍終了。


アンコールではやはりミュージシャンならば必ず触れるであろう震災に付いて話して
予定してた仙台公演が中止になってしまって悔しい
その分の想いも引き連れて回る、と。
ちなみにこの日仙台から来てた人も居たみたいです。仙台から千葉、って!色々と凄いな。

ライブ観てる最中に「今4月だから「April」演るかな?」とか思ってたら
本当にやってくれてビックリした(笑)。
この曲はやっぱり武道館思い出しちゃうね。
更に個人的にも初めて聴く?「雨のブルース」なんて粋な選曲もしてくれちゃって。
この時期この季節にはピッタリですね・・・。
幸せになろう、って。
歌に関しては一番冴えてたと思うな。この日この曲が。

ライブ終了後にはメンバーが普通に会場の外に出てきて義援金を募ってました。
握手もしてくれるみたいだったんで
思わず坂倉くんとしちゃいました(笑)。いやしかし握手って嬉しいけど恥ずかしくもあるよね。
ってな訳でホクホク顔で会場を後にしたのでした。




セトリ
1.ロデオ
2.THE BUNGY
3.容疑者
4.サドンデスゲーム
5.3年目の頭痛薬
6.錆びてきた
7.SURVIVE
8.ダニーボーイとバニーガール
9.ページ1
10.君だけ
11.マトリョーシカ
12.Broken Youth
13.ホログラム
14.Diver
15.妄想隊員A
16.Passenger
encore
17.April
18.友情賛歌
19.雨のブルース


いやーこうして見るとセトリ頑張ってるなあ。新規も古参も楽しめるようなセトリというか。
元気をもらえるって意味では
相当のライブだったんじゃないかと思います。
いつものようなハイテンションもありつつ、所々グッと来るような場面も演出出来てて
今は以前以上に逞しいバンドになってるんだなあと。

んでツアーはまだまだ続きます。自分もまた参加する(予定)ので、その時また書ければ。