RADWIMPS「絶体絶命」全曲レビューその12は「携帯電話」です。あと2曲!
といいますかこれが終わるのって土曜日ですからマジでアニメ新番組チェック終了と同時期ですね。
中々上手い事重なったもんだ。
でもまたいつかこういうのやりたいですけど。実は毎日レビューは2回目ですからね。
12.携帯電話
【こんなものがなければ】
思い出って確かに大切ですけど時に足を引っ張りますよね。
楽しい事ばっかならまだしも
楽しい事の中に辛い事があったり
逆に辛い事の中に楽しい事があったり・・・だから切りたくても切れない。失くしたくても失くせない。
シングルの時に聴いた時は単なる携帯電話絶賛ソングだって印象も多少あったんですけど
こうやってアルバムで聴くと・・・全然印象が違う。
これ思い出を携帯してる歌だったんだって。
思い出と向き合う歌だったんだって。
そう思えるようになりました。
また、配置が良いんですよね。後半の「ものもらい」の、まだメランコリックに浸りたい時に
丁度良くこの曲が来るというか
「ものもらい」で浸りきった後に、この牧歌的なメロディーが心地良く響くというか。
アレンジもシングルよりバージョンアップしてて、この流れで聴くと素直に良い曲だった思えます。
というか元々そこそこ好きだったんですが
これでようやく本当にいいな、って思えるようになって。
淡々と紡ぐように歌う出だしからメロディの純度がグッと上がるサビが素敵ですね。
素直に胸に入ってくるメロディーだなって気づきました。
思い出は確かに厄介ですけど
何一つ思い出という思い出がないよりはあった方がマシだな、っていうのは良く分かる。
一つのロードマップというか
歩いてきた道のりというか、存在証明の一つだと思ってて。
それがあるから自分だ、っていうのもあって。
そこには勿論いい思い出ばかりじゃないでしょう。むしろ嫌な出来事の方が多いかもしれない。
それでも、それがあるからここまで、この立っている位置までやってこれたというのがあって
些細な出来事や嬉しさだったり、辛い記憶にも支えてもらって自分は生きている。
だから自分の過去を無為に嫌うのは止めにしようじゃないか。
それもまた自分の欠片の一つだから。
だから良い思い出も、嫌な思い出も、どっちも携帯して歩いていこう。そういう風にも聴こえるんです。
あと、最後に一つ。
これまで自分を責め続けてきた今作の楽曲たちですけど
この曲で初めて肯定的な面が出てきたというか
こんな自分でも誰かと繋がってるんだよ、と。
まさか「携帯電話」がここまで上手くカチッとハマるとは予想外だったので、初聴きの時は鳥肌モンでした。