超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

APOGEE@赤坂BLITZ 09.11.20

2009-11-21 00:24:40 | ライブレポ

今日はAPOGEEの「夢幻タワー」のツアー第2棟のファイナル公演に行って来ました。


会場が赤坂BLITZという大箱だったので
いつも以上に楽しみにしてました。
だってあの世界観を大きい箱で一度感じてみたかったから。

そしたらもう、こちらの予想以上だったというか、予想の何倍も上を行くステージングで
正直ありえないくらい感動しました。
っていうか、規格外過ぎる・・・。
これはちょっと観ておいて正解と言うか、
心の底から楽しいと言えるような、
確実についていく!って見終えた後思うような、
まあ一言で言っちゃえば最高だったってことですわ。
でもそれだけじゃ伝わらないのでレポートをします。


前回は1年4ヶ月ぶりだったのに、今回は9日ぶりの赤坂BLITZ。
今回は開場の30分前に着くように家を出たのですがそれには理由があって、
この時期の赤坂の街を見てくる為です。
 予想通り街はネオンでいっぱい!
特に通りの上に大量に付けられたシャンデリアみたいな形のネオンの数々には本気で見とれてました。
あれは芸術性高いや。

正にAPOGEEのライブ前に見るにはピッタリ!ですね。


今回のライブチケットは前回のワンマン、渋谷CLUB QUATTROで直接買ったものなので
整理番号も早く、
最前の方で観ることが出来ました。
そしたらステージに真っ赤なカーテンが付けられていて、この時点で何か特別な公演になりそうだなあ、と
個人的に感じていました。


7時10分くらいかな?
カーテン越にメンバーが演奏を始めて、起きる歓声。
カーテンの幕が上がり、聴いたこともないような、アップテンポの曲でテンション高めにライブはスタート。
「グレイゾーン~」ってサビで何回も言いまくる曲で、正直すげーエキゾチックで格好良かった。
これは新曲?と思って検索で調べてみたら「Grayman」という曲らしい。
ファンなのに知らなかった・・・(汗)。

そこから「ブレインストーム」へ。
2曲目から相当の疾走感!思わず踊りだしたくなる。体も動く動く。

次の「夜間飛行」で早くもドラムが極まる!
この日全体を通してなんだけど、間野航の調子が非常に良かった気がする。
何か凄い楽しそうにファンキーに叩いてて、
またそれがこっちにも凄い伝わってくるんですよ。
この日はステージが高くて、最前で観てたから表情もよく分かるし。
終わり際のドラミングが最高でした。

「こんにちわAPOGEEです」だったかな?短い挨拶をして
エレキギターのまま「Star Honey」へ突入!これは意外。アコギに持ちかえると思っていたので。
しかしこれはこれでまたエレキの音色がロマンチックに響いていて私的には良かった。
この曲はリズムがすごい心地良いな。ノレる。

「夢幻タワー」の曲は止まらず「ゆりかご」「1.2.3」とグッドメロディを堂々と響かせていく。
特に後者ではみんなでハンドクラップもして静かに盛り上がりました。

しかし次の「Spacy Blues」は更にその上を行き、
後半の永野亮のギタープレイに心酔、小気味良いアンサンブルも素晴らしく、
前半のハイライトはこの曲であったと思います。

「あなたが存在しているんじゃない
 存在があなたしている」

の、部分は思わず聴き入ってしまう。何度聴いても面白い歌詞だな。また良い声で歌うんだな、これが。
トリップ感つえー。


ここで初めてちゃんとしたMC。
「夢見がちな僕らがツアーを回ってきました~でも平日の夜にこんなに集まってくれた皆さんも夢見がちだと思います。」
的なことをいって(正確ではないです・・・汗)、
正に夢見がち?なポップ・チューン「スプリング・ストレンジャー」に突入。
今考えればロック度&スペイシー度の高いこの日のライブに於いてこの曲は異色というか
ある種のアクセントとして響いてた気がします。

続く「流星」も出色の出来で、
後半のドラミングと、決めるポイントの定まったギターが兎角たまらん!
やはり職人芸だなあ、と思う。

「ゴースト・ソング」もその流れに通じていて、
内垣洋祐のベースソロの部分で彼だけに赤いスポットが当たる演出も素晴らしく、
サビの全員で不気味に歌うパートも一段と冴えててニヤリ、と。

この曲を聴いてる最中に不穏な曲が続いたらいいな~、と漠然と考えていたら
「絵描きの絵空事」が来て驚いた。
自分の妄想オーダーぴったしで思わず嬉しい気分に。
 それにしてもこの曲、もはや人気曲なのかな?イントロの時点で結構な歓声が上がってて、
これはこのツアーの後もライブの定番曲になるかもな~、なんて思いながら観てた。
 にしても、この曲の陶酔感はやっぱり凄まじい。
永野亮の歌が情念の塊みたいになってる。圧倒的。

と思ったら次の「エクスプレス」でその上を行く圧倒がありました。
まず曲が始まる前にステージ上に巨大なスクリーンが降りて来て
この曲のイメージ映像が流れ出して
その上に乗って演奏されていたんですが、
これがとっても効果的で、この曲の持つワープ感を更に高めていました。

そもそも「エクスプレス」という曲がここまでライブ映えする曲だとは思ってなかったので
後半の滾りまくった演奏にも圧倒されて、2重に受けるものがあるプレイになってました。
気がつけば涙腺を刺激されていました。
中盤のハイライトは間違いなくこの曲です。

映像はまだ続き、ここからフリー・セッション(?)と共に展開されて
このセッションも非常にレベルの高い、熱量の高い地点からの演奏で、
シンセの音もきらびやかですこぶる気持ちよかったです。
これも特別感あったな。


そこからスクリーンが上がって映像は終わり、
名曲「グッド・バイ」から後半戦スタート。
この間のクアトロの時より堂々と響いていて感動もひとしお。
この曲も何気にギター熱し!

んで、もともと流れの良かったライブだったんですけど
ここからの流れは本当に神懸かっていて、「Tell Me Why」がここで来た時点でもう堪りませんでした。
美メロ連発!
流れを止めるのを許さないかのように、途切れることなく「Route Another」、
ベース内垣洋祐がフロントに出てきてファンキーなベースをご機嫌に披露、
バンド全体の演奏もプログレッシブなプレイでもって魅せてくれました。
この曲はライブだとまるで印象が違いますね。非常にアグレッシブ!

そこからの「アヒル」がまた・・・
もう永野亮テンションはりきり過ぎで、
後半の「アヒル~」の連発がいつもより明らかに異常な歌い方してて、自分でも驚くぐらい興奮しました。
最後のギター弾き倒しも非常に圧巻!!

で、アグレッシブパートは未だ終わらず、ここで「Rain Rain Rain」投下。
どうしよう、楽しすぎて笑顔が止まらず、
アドレナリンをフル分泌しちゃってるんじゃないの?って考えるくらい
ロックンロールとアート性のぶつかり合いに興奮を禁じえなかった。
 この時の永野亮は完全に引きつっていて、
見てるこっち側も完全に辛抱たまらん状態、
「Are you Rain ?」って叫びが投下されるたびに大きな歓声が沸きあがってました。
後半のハイライトはこの曲!


「後2曲!」という短いMCの後に「Just a Seeker's Song」「Heart of Gold」と壮大な名曲の連発!
これも個人的に参った。
なんていいセトリ考えるんだよ、と。
完璧に近いですね。
この2曲は乙女みたいにウットリしてじっくり聴いてました。
やっぱりメロが美しくて、それでいて強い。


当然アンコールは会場の熱量からして必須、
期待に答えてメンバー再び登場!

手始めに「五億回の瞬き」をやって(これも音源以上に良かった!)、
「アンコールありがとう!」とにこやかに挨拶する永野亮。
ゆる~い感じでメンバー紹介をし、
続けて「本当に大好きな、天国で歌い続けているであろう彼の曲を歌います」みたいなことを言って
マイケル・ジャクソンの「Thriller」を演奏。

時々ライブで演っている~という噂だけ聴いていたので
「ああ、遂にきた!」と嬉しく思ったのだが
これがびっくりするくらいの名演で。
何というか、完全にあの「Thriller」をモノにしてた。APOGEE色に染めている感触があって。
新曲か!と思うくらい、APOGEE流の解釈で鳴らしていて感銘を受けました。

「思えばこの曲は彼に少しでも近づきたくて作ったんだよなあ」というMCを挟んで
「GIRAFFE」に突入。思わぬ裏話も聴けて得した気分。
永野亮は「THIS IS IT」を観に行った様で、なんだか気になってきちゃったな。

締めは新曲。タイトル言ったけど聴き取れなかった(笑)。
で、これがまたえらい良かったです。シンセの音が特徴的で、サビは淡々と歌うのに徹しているタイプの曲。
非常にクールな楽曲でライブを締めくくってくれました。
この曲早く音源で聴きたいな!


そして全てが終わった後、
カーテンが再び閉じられ
そこに「FIN」の文字が浮かび上がりまして。

こんな演出初めて観たわ!(笑)。ニクイなあ・・・。
粋だと思う。

そしてライブ終了後、周りのお客さんの賞賛の声が次々と聴こえてきて、それも心地よかったです。
自分と同じ気持ちなのが嬉しかった。



もう、ここまで褒めちぎったから総評なんていらない気もするけど(笑)
何といいますか、バンドのポテンシャルを全身全霊で出してくれたというか
個々のメンバーが最大限の仕事をしてくれて
かつそれが常に化学反応を起こしていて
驚くことにそれが最初から最後まで途切れずに続いているような、
今年見たライブの中でも特別に出色な公演であったことは間違いないです。個人的に。
そして、MCがほとんどなかったのも音楽だけでAPOGEEの魅力を伝えようとしている様に思えて好印象でした。
 観てる側も恍惚も恍惚だったのではないでしょうか。
手放しで拍手したいです。万歳!


と言う訳でセットリストです。


1.Grayman
2.ブレイン・ストーム
3.夜間飛行
4.Star Honey
5.ゆりかご
6.1.2.3
7.Spacy Blues
8.スプリング・ストレンジャー
9.流星
10.ゴースト・ソング
11.絵描きの絵空事
12.エクスプレス
13.セッション
14.グッド・バイ
15.Tell Me Why
16.Route Another
17.アヒル
18.Rain Rain Rain
19.Just a Seeker's Song
20.Heart Of Gold
encore
21.五億回の瞬き
22.Thriller(cover)
23.GIRAFFE
24.新曲


どの曲も印象に残ってるなあ・・・。


セッションはもしかしてインストの新曲かもしれません。
自分がセッションっぽく感じただけで。
最後の新曲は「BOY」って単語は分かったけど、正式なタイトルが聞き取れず。
歌詞がノスタルジックな感じだったな。


個人的にベストに近いセットリストでしたね。
大好きな「ESCAPE」が入ってなくても全然気にならないくらい。
全体的な流れがほぼ完璧に近かった気がする。練りに練られたんだろうな、っていうくらいの。
なんかタイムマシンで観る前にもう一度戻りたいなあ(笑)。永遠に観ていたかった。
映像化しても面白いかもしれないね。



俄然次の動向が楽しみになって来ました。これからも追いかけます。期待大!