超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

海北大輔という男(中編)

2009-03-14 23:12:03 | 音楽
こんばんわ、西京BOYです。
BACK DROP BOMBの「THE BDBEST」についてのレビューが
今さっきAmazonに載ったんですが、
まあいつも通り最初は未掲載になりまして(笑)
ギリギリまで削ってアレになったんですが
削った部分とは「REMIND ME」の良さについて暑苦しく語る部分だったんで、
まあある意味削って正解だったかもしれません。蛇足かもしれないんで。
いつも長文になりすぎてしまうなあ・・・。

今日は昨日の続きで、LOST IN TIMEの総括です。


昨日はシングル「蛍」までを記事にしたんですが
その後、「時計」というアルバムが出まして。
この「時計」というアルバムは彼らの作品の中では一番洗練された、
良い意味で達観したような奥行きの広い作品になっているんですね。
 今までのロストのアルバムはどれも大好きなんですが、
最高傑作は?と聴かれたら自分はこれかな。
4枚目も熱くて好きなんですけどね!


「生活の匂いのする 帰る場所を見つけたとき
 少女は女に 変わりゆくのでしょう」

「途方もない憧れを 静かにそっと諦めたとき
 少年は男に 変わりゆくのでしょう」

「時に不甲斐無い自分自身を 言い訳もせず許せた時に
 誰しもがまた一つ 歳を穫るのでしょう」
(以上、「羽化」より抜粋)

この曲、好きすぎて3箇所も取り上げてしまった。
とにかく雰囲気も歌い方も、非常に繊細な曲でして。
バンド名から考えるに、これが一番ロストらしい曲なんじゃないか、と思う。
海北大輔の声があまりにも優しすぎて時々泣きそうになります。


「憎しむ大人には 見つからないように」

「許しあうことも 出来ないまま僕等は」(ライン)

この曲も名曲ですね。
浮遊感があって、海の上を漂っているような感覚になる曲で、
このようにシンプルな歌詞ながらも、1フレーズごとに重みがあって。
バンジョーという楽器の音色がすごく印象的な曲。


「刻一刻 消えていく想いに もうきっと 手も振らないんだろうな」
(サンカク)

ご存知の方も多いと思いますが、LOST IN TIMEというバンド名は
これまた私の人生のバンドの内の一つであるbloodthirsty butchersの
同曲から来ているものなんですよ。
で、bloodthirsty butchersにも「△」って曲があって(名曲!)。
ある意味アンサーソングなのかなあ、って思いますね。
もちろん巷に溢れるマネーゲームの象徴とも言える使い回しのメロではなく
完全オリジナル曲ですが。
 このフレーズでは一歩先に進んだロストが感じられますね。正しき成長。


「憂鬱なこの日々が 誰かのせいなら良かったのにな」(残像)


この歌詞も思い入れありますね・・・。
結局のところ、私のようにしがない日常、人生を送っている人間にとって
最大の敵は自分自身だなあとはよく思います。
私の場合、何かに衝撃を受けても全て「自分のせいだ」って思ってしまう。
そういう人間にとっては共鳴せざるを得ない歌詞だ。


「頑張っている振りなんて しなくてもいいんだよ」(証)


世の中、苦労している人間や辛い過去を背負ってる人間=偉い、
と考える風潮があるので、気楽に振舞う事が罪なのではないか?と
考えるとき、いつもこの詞には救われる。
 要するに、「普通の人だって辛いんだ」ってことですね。
Syrup16gの「ハピネス」に通じる部分もあるなあ。なんとなく。


「時計」で描かれているのは日常を過ごすことは、
それだけである種のドキュメントというか、一大事というか。
そういう風に解釈してますね、私は。

このアルバム、まごうことなく傑作と呼べる出来なので是非聴いて欲しい。


この次の年に、デビュー作を除いて正式メンバーだった
ギター榎本がなんと脱退してしまいます。
榎本聖貴のギターの音色はとてもシャープで美しかったので
非常に残念な出来事でした。


その脱退後にリリースしたのがシングル「まだ故郷には帰れない」です。
・・・が、春コミの準備と残業による疲れで仮眠を取りたい為に
記事を引き伸ばし、更に明日に続きます。



・・・すいません。
残業さえなければ絶対書ききったのに!


このブログを見てる人のうち、どれだけロストファンがいるかは未知数ですが
明日には書ききるのでよろしくお願いします。


お気軽にコメントもどうぞ。