アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

映画「赤い闇~スターリンの冷たい大地」

2022-06-15 17:43:27 | 映画とドラマと本と絵画

 ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから知った映画。赤い闇 スターリンの冷たい大地で - Wikipedia「バトル・フィールド」バトル・フィールド クルーティの戦い - アンティマキのいいかげん田舎暮らし (goo.ne.jp)のあと、2020年にできたばかりの映画です。「バトル・フィールド」同様、ウクライナはかねてよりロシアの脅威をひしひしと感じ、100年近く前のホロドモールホロドモール - Wikipediaをえがいて、大国ロシア(ソ連)との間に何があったのかを国民に知らせ、愛国心を鼓舞しようとした映画の一つのようです。

  この、100年前の飢餓は、高校の世界史の教科書にでてきました。スターリンの農業生産に関する計画がうまくいかず、肥沃な土地であるはずのウクライナ地方に多大の犠牲者を出した、と習った記憶があります。

  映画は、実在のイギリスの若い外交官が主人公。ウクライナの飢餓の実態をほの聞き、単身潜入して飢えにあえぐ村や町の様子を見て回り、自らも死に瀕しながらカメラに収め、記録をつづります。

  寒村で行き倒れ、気が付いたら子供たちに看病を受けていた彼。出されたスープの中の肉が、子供たちの兄の肉だと知り、嘔吐します。映画では出てきませんでしたが、当時街では市場で人肉が売られていたとか。

  ホロドモールは、凶作が続いた上に、とくにウクライナの農家から強制的に大量の穀物を供出させたり、計画経済を推進するため富農や自作農から、土地も種もとり上げたりしたために起きた飢餓といわれていますが、ソ連は、スターリン死後も、この飢餓はソ連全土に起きたことで、ウクライナにのみ人為的に起こされたものではないと否定しているそうです。

  主人公の告発によって、西側はソ連がウクライナに何をしたか知ることになります。でも、第二次大戦直前の一触即発の状態であったヨーロッパでは、積極的にソ連を批判することに躊躇。主人公と最終的に敵対するアメリカ人ジャーナリストは、スターリンの経済政策などを著作にまとめ、ピューリッツア賞を受賞します。

  映画は暗くて重くて、苦しい。苛政は虎よりも猛し。ウクライナの村で、子供たちや老人が、貧しく苦しい境遇を吐き出すように歌う声と歌詞が印象的でした。


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