アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

棕櫚箒を修理してもらいました。

2015-06-21 14:35:10 | 便利な道具・好きな道具
    5年半前、私は和歌山県の桑添勇雄商店から棕櫚箒を購入しまいした(コチラ→)。棕櫚箒の使い心地は抜群で、もともと掃除機を出すのが嫌いなこともあって、日々の掃除は棕櫚箒ばかり使っていました。

   ところが、絨毯の上で無理な力を入れてはいたり、家具の隙間の細いところにつっこんで乱暴にゴミをかきだしたりしたせいか、数か月前から棕櫚の毛が抜けて落ちてきてました。修理に出しても結局新しく買うのと変わらないことになってしまうかもしれないと思って、ためらっていたのですが、やはりせっかく気にいっている道具なので、一度「箒の修理」というものをしてもらうのも経験かもしれないと思って、HPで桑添勇雄商店を検索しました。

   ところが、くだんのその商店のHPは閉鎖。代わりに見つけたのが、同じ和歌山県のたぶん同じ町の棕櫚箒製作舎です。読んでみると、桑添勇雄商店で修業したお弟子さんの製作所のよう。しかも、5年前の購入時、丁寧な応対で感心した女性のお弟子さんその人の立ち上げた製作所です。

    さっそくお願いしたところ、やはり今回もとても丁寧で細かいところまで配慮した文面のメッセージをくださいました。数回のやり取りの後、送付。2週間ほどたって修理が終わり、昨日送られてきました。

    新品かと思うほどの美しさ。一瞬、間違って新品を送ってくださったのではなかろうか、と思ったほどです。丁寧に結い上げています。最初いただいたときよりもっときれいな箒になっている気がしました。

    添えてあった3枚の紙には、私が送ったいたんだ箒の写真と修理内容、そして修理完了後の写真が載っていました。修理個所は6点。「全体的にゆるんでいたので、すべての糸・銅線をきつく締め直し新しくしました。見える部分は以前の意匠を尊重して修繕し、見えない部分は以前よりも強くゆるみにくい作りに改めました」と補足してあります。さらに自社のオリジナル葉書には、「お陰様で良い勉強になりました」とあります。わたしの雑な使い方でいたんだ箒をごらんになって、職人として「勉強」してくださったのです。

     さらにおまけも入っていました。いたんだ箒の棕櫚繊維を使って作ったミニ箒です。銅線も捨てないで、こちらに使ってくださったそうです。

     丁寧な仕事を心がけるだけでなく、材料を最後まで大事に扱うその姿勢に脱帽しました。こういう方がいて、いいものを世の中に出しておられることに感動です。うれしくなりました。今度こそ、大事に使おうと思います。ただいまこの箒、居間の壁につるしてあります。しけった納戸に置くのがもったいなくて。これからしばらくの間、うちに来た友人たちは、この箒と箒を修理してくれた遠い地方に住む女性の話を、わたしからきっと聞かされることになると思います。




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