アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

佐久島ウォーキング

2022-04-03 15:05:06 | 小さな旅

   昨年の夏と晩秋に次いで、先日3回目の佐久島訪問を果たしました。

   今回の目的は、ウォーキング。地図を手に、島の山側の道をあるくこと。

   春休みとあって、船は人でいっぱいでしたが、港に降り立って山への道を辿ると、私たちのほかには観光客の姿は全く見えなくなりました。山と言っても標高は30m。なだらかで歩きやすい美しい小道が続きます。

   ついた先は丹梨海岸。前に訪れたときも静かで気持ちのいい場所でしたが、きのうは干潮だったこともあって、海の生物をたくさん見ることができました。

   海藻三種。手前の緑色の藻はアオサだと思います。黒いひじきのようなのはアマモらしい。黄緑色の藻は不明。どれもちょっとずつ食べてみました。アオサがやはり一番おいしい。黄緑色の藻は苦みがありました。

   アマモはこの辺りにたくさんあった海藻だそうです。今はかなり減っているとか。

   たくさんのイソギンチャク。指を突っ込むと食われそうになります。左の石の壁に張り付いているのは、親玉? 緑色しています。

   イソギンチャクの卵? 石にへばりついています。

    小さいなかわいい花。浜にある草花は、どれも稲武辺りでは見ない雑草がほとんど。

   ハマダイコンです。若芽と葉と花を食べてみました。どれも大根の味がちゃんとします。根元を見ると、立派な大根ができていました。このハマダイコン、あちこちで群落を見ました。

   山椒の香りがするのですが、棘がすごい。なんとかザンショウとかいう名前なのでしょうか?

   海岸の岩にへばりつくように生えていたという植はツルナ。一見アイスプラント風。

   白いタンポポをはじめてみました。花も綿毛もやけに大きい。島で見る植物は、この辺にある草より大きく見えます。葉っぱも大きい。栄養が豊富なんでしょうか?  

 

   民家の庭先にアラメが干してありました。久しぶりに見たアラメ。昔は、昆布よりアラメのほうが、食卓に上ることが多かった。おせちの昆布巻きはアラメ巻きでした。20代のころ湘南海岸でアラメを拾って帰り、京都の下宿で煮て食べたことを思い出しました。昔は、昆布より下級の食材だったのですが、薄いので早く煮えるのがいいところ。だしは取れるのかしら。

   匂いタチツボスミレ。歩く道にたくさん群生しています。

   まだやわらかそうなサルトリイバラ。山帰来とサルトリイバラは違うものだそう。なんとなく同じだと思っていました。山帰来は中国産の外来種で葉が大きい。京都で食べていた麩饅頭は笹に包まれていましたが、三河に来て、山帰来の葉で包まれた麩饅頭を初めて食べました。

   シイ、おそらくスダジイだそうです。常緑樹も広葉樹もほぼ手付かずのこの森、昔は島民の薪炭を得る場所として大事な里山だったところなのでしょうが、いまは伸び放題となっています。

   カクレミノ。大きな葉です。

   こちらは、ひだまり広場にあるヤマモモ。ものすごく大きな木です。ヤマモモの大木は、森の中で何本も見ました。実のなる時期は壮観だろうな。 

  昨年夏に来たときは、山の小径は蚊が多くて往生しました。いまは、蚊も蛇も蜂もいないので、一番快適な時かもしれません。

   海岸べりにたぶん人の手で植えられた松。防風林なのでしょう。松くい虫の防除のため、薬が注入されています。

   オダマキのような葉っぱのヒメウズ。ヒメウズ属と一般には分類されているそうですが、オダマキ属に分類される場合もあるそう。ウズとは烏頭と書き、トリカブトのことだそう。花がトリカブトに似ていて、小さいことに由来するとか。目立たない花ですが、かわいい。

   シイの大木の下に一杯あったドングリ。こちらの山で見かける物より大きい。

     北の海岸を望む展望台から。

    葉の先がとがっているスミレを見つけました。マキノスミレというのだそうです。牧野富太郎命名のスミレ。

   ウラシマソウを初めてみました。ただのテンナンショウはうちの敷地内にも結構あるのですが、これはない。テンナンショウの花の先から長い紐のようなものが伸びているというだけで、浦島太郎を思い起こすとは、想像力がたくましいというか、つねになにかにこじつけて遊んでやろうという気もちが旺盛というか、とにかく感心します。

    木に巻き付いて、こんな鮮やかな実をつけているのは、風藤カヅラという植物。胡椒の近縁?だそうで、食べるとかすかにコショウの味がするのだとか。葉っぱをかじってみましたが、強い香りはするもののコショウとはいいがたかった。

   この島は縄文期から人が住んでいて、古墳時代には海を渡って交易する人たちで栄えていたのだそうです。だか、小さな島に古墳があちこちにあります。こちらもその一つ。石室がちゃんと残っています。

    アートの島として、ここ20年の間に佐久島は観光地としてずいぶん有名にはなりましたが、島の人口は、こちらの山間地域同様激減しています。島おこしのプロジェクトの一つとして再生した古民家・大場邸の中庭です。

   島に点在するアート建造物の中でもっとも有名なおひるねハウス。たしかに、波の音を聞きながらお昼寝するにはふさわしい場所です。    

   泥岩と砂岩が混じってできたという独特の地層。砂岩だから簡単に割れます。

   おひるねハウスから民家の間の細い路地を抜けて南の海岸べりを辿り、西港へ。早朝6時過ぎに稲武を出て、一色港発9時半の船に乗り、帰りは5時過ぎに一色港に到着。帰宅したのは8時半でした。往復にかなりの時間を費やしましたが、島では、のんびりと山歩き、海岸ベり歩きを楽しむことができました。

   小さな島ですが、一回だけでは到底巡り切れません。行きも帰りも、船は満員でしたが、私たちが歩いた道ではほとんど誰にも会うことはなく、心ゆくまで暖かい島の春をゆるゆると楽しむことができました。また違う季節に、ぜひとも出かけたいと思います。

 

 

 

 


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