アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

昭和歌謡「上海帰りのリル」

2020-05-14 15:34:42 | 映画とドラマと本と絵画
   ときどきふと口をついて出てくる歌があります。いくつかあるうちの一つが「上海帰りのリル」。あるとき、老若男女が10名ほど集まった料理講習会で、わたしより上の世代の講師の男性がこの歌のことにちょっと触れたことがあります。でも、その場で知っていたのはわたしと、たぶん同世代と思われる男性だけでした。

   しらべたら、津村謙という歌手がこの歌を歌いだしたのは1951年。私が物心ついたころには、過去の歌になっていたはずなので、同世代でもだれもが知っているわけではないかもしれません。でも私には、いつからか親しい歌になっていました。歌詞も出だしのメロディも、1933年にアメリカで放映された映画の主題歌の模倣なのだそうですが、歌から想像される物語はこうです。

   ある男性が、戦争中、上海でリルと恋仲に陥る。
   しかし、何らかの事情で彼女と別れ別れに。
   生き延びた彼は戦後の日本、多分東京でリルのうわさを聞く。
   上海から帰ってきたらしい、と。
   彼は彼女を探し回る。
   「海を見つめていたのを見た」
   「横浜のキャバレーにいた」
   彼女のうわさをちょっとでも耳に挟むとその場を訪れた。
   しかしいつも会えなくて、むなしく帰る。
    ・・・・・・

   先夜、この歌を検索したら映画があるのを発見しました。この映画の予告編らしい映像でが、歌のデモテープ?のようになっていました。

   その映画の画面が、すばらしい! 当時のイタリア・ネオリアリズム映画みたい。「自転車泥棒」を思い出させます。きびきびしていて、アングルがいい。

   上海の裏社会で男たちが暗躍するなか、掃きだめの鶴のような存在だったリル。しかし、戦後主人公がリルに再会した時、彼女は主人公を覚えていなかった。切れ切れの画面をつなぎあわせると、ほぼそんなストーリーのようです。

   リルを演じる香川京子が、男と再会した時のほほえみはよそよそしく、記憶喪失になったかそれとも、男のためを思ってしらばくれているのか不明。ついいろいろ想像してしまいました。

   とにかく緊迫感がすごい。この映画、見たい! ツタヤで調べましたが、おいてありませんでした。あの頃の映画は、すじはともかく、緊張感や熱気がビシビシ伝わる気がします。いつかどこかで見てみたい!

   「誰かリル(の映画)を 知らないか♪」

   



  
    


   
コメント
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