骨で聴く異世界

耳を使わずに「聴く」世界を旅します。耳をふさいでいても聴こえる世界です。

武野神社を骨で聴く

2016-01-21 16:51:29 | 骨で聴く巡礼旅
埼玉県新座市野寺という場所は、東京都の西東京市に隣接しています。
新座市の中心部より都内にある西武池袋線の駅との繋がりが多く、生活圏としては都内という印象です。
しかしそんな新座市野寺ですが、八幡山と呼ばれる丘陵の山上に祀られた神社が、なかなか荘厳な雰囲気を持っています。

丘陵の崖下に旧別当満行寺があり、かつては、『風土記稿』によると「その比は七堂伽藍甍をつらね、鎮守正八幡宮又白山権現・稲荷・富士浅間辨天以下三十余座の末社及び三百所の坊中僧侶充満して、念誦の聲断ざりしとぞ」と記しているほどの規模でした。

八幡山の麓から湧き出る清水があり、この水のおかげで周囲一帯の耕地が潤されたことが想像されます。
そんなことから耕地の安泰を願って水源のあるこの山上に祀られたと推測されています。

残念ながら訪れたときは残雪の影響で確認できなかたのですが、落差10mくらいの崖地の下に湧水の池があるようです。
池から出た清水は、環状に弁天堂を取り囲み水の女神を守っています。



江戸時代初期の「正保の絵図」にも、八幡社参道下の湧き水とそこに祀られる辨天社が掲載されています。

さて、この武野神社ですが、比較的新しく明治41年に、栗原村の浅間社、石神村の氷川社など近郷の五社を、野寺村の八幡社と合祀して新たに建立された神社です。



江戸時代の絵図に掲載されているのに、なぜ明治に建立か、といえば、もともとこの地は、古くは誉田別命を祭神とする八幡社の社地でした。従って八幡社は鎮座いしていたことになります。
ただこの創建年代は不詳で、江戸幕府が編纂した『新編武蔵風土記稿』では、社殿の修復を平安時代の康平6年(1063年)におこなったと記されていますから、かなりの古い歴史があるのは間違いないでしょう。





境内には男坂と女坂もあり、斜面に鎮座する神社らしい雰囲気が漂っています。

社伝によると、永承6年(1051年)に起った前九年の役に、八幡太郎義家は父の頼義に従って阿部氏の反乱を鎮めるために奥州に向かった際、その途中でここへ立ち寄って戦勝を祈願したとあります。
源氏の八幡信仰と関係して、関東ではよくある伝説です。
八幡太郎義家は祈願したあと、社殿を再建して北向きとしたといいます。




寛永15年(1638年)にも社殿を再建しています。このときに名主の村田善左衛門が銅板の棟札を寄進したといいます。
宝暦8年(1758年)には地頭の小野佐渡守が社殿の造営を行ったといいます。



井の頭通りから北上する道路が、このすぐ近くまで開通しました。
新宿線と池袋線の二つの西武線をトンネルで潜り、三鷹方面から新座方面に向かうのには、開通前とは比較にならないほど時間短縮できるようになった道路です。

その一方で、これだけの歴史と雰囲気を持った神社が続いているのが何ともうれしくなります。
骨で聴きます。

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癒し効果です。

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