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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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仏の第三革命的政治史。 the third revolutionism of French politic history

2022-04-27 20:43:46 | 日記
 (1)仏は同じ自由主義圏でありながら覇権国家の米国とは距離を置き、独自の革命的政治思想史(the French Revolution)を持ち、政治、文化、社会思想で高い国民性を持つ。仏大統領選は中道のマクロン大統領が極右「国民連合」のルペン候補を破って再選を果たした。

 (2)近年の仏政治状況を示す本流と極右の対決構図で、報道による「選択肢なき選挙戦」とか「政治不信ピーク」が示すかっての誇り高い独自の革命的政治思想からは仏政治の低落を示すものだ。仏大統領選の棄権が28%といわれるが国民投票率は71.99%で、日本の国政選挙の50%程度からみれば国民の政治選挙への関心は高い。

 (3)仏の大統領選挙制度が2回投票制を採用しており、1回目投票で過半数票を獲得しなければ上位2名による決選投票で決着するという国民の意思が強く反映される政治思想がある。日本のように低投票率で有権者の過半数の支持もない候補者が当選するのとは大きな違いがみられる。

 そういう中で仏大統領選でここ2回続けて決戦投票に名乗りをあげたのが極右政治勢力「国民連合」のルペン候補ということで、つまりは権威主義で富裕層優遇政策のマクロン大統領への強烈な最も距離を置く反マクロン対抗、抵抗(resistance)勢力としての極右政党候補支持という国民のアンチテーゼ(antithesis)にみえる。

 (4)仏政治の特徴でもある革命的政治思想、社会思想には純粋な極右政治思想もあるといえるが、欧州ではかっての独のヒットラー独裁政権の人類抑圧の苦い経験もあり、富裕層優遇の中道マクロン大統領に対してここまで純粋に意趣返し、アンチテーゼとしての極右政治政党支持としてあてつけるのは「選択肢なき」、「政治不信ピーク」の国民からの反逆ともいえる革命的反抗といっていいだろう。

 (5)それでも72%近い投票率で応えたところが仏国民の政治への関心の高さ、意識、自尊心でもある。EUの議長国であり、これまでEUをけん引してきた独メルケル前首相にかわりEUをけん引することになる仏マクロン大統領の再選は、その欧州でNATO加盟を巡って露のウクライナ軍事侵攻が東部戦線に特化して露軍の攻撃が激化している中ではこれまでプーチン大統領と停戦外交、交渉を続けてきたマクロン大統領にとっては国民の支持を受けての力強い影響力を示す、できる政治状況にもあり、早い停戦を望む国際政治、社会とすれば期待も大きいものがある。

 (6)米国がNATOに再び関心、協力をみせて、こちらはかってほど米国離れでもない協調姿勢の仏マクロン大統領がEU、NATOとして米国と露の対立に双方からの譲歩案を示せるかは注目される。

 

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