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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

景気は持ち直しているか-エコノミック・シナリオ。 economic scenario

2010-04-14 19:47:48 | 日記
 今、市場経済はどういう状況なのか。「持ち直しを続けており、業種間、企業間の格差も
徐々に縮小している。」日銀支店の景気動向判断だ。

 しかし、
 (1)デパートは、不採算店舗の閉鎖、40%のリストラ(早期退職募集)、連続して10%
前後の売上げ減少、と厳しい経済構造不況状態の中、経営統合、業務形態の転換(スーパー
化)に活路を求めている。
 (2)国内でひとり勝ちのファーストリティリング(ユニクロ)も、気候変動で春先の売上
げが不振で減収に落ち込み、海外に販売戦略を拡げる。
 (3)ガソリン、野菜は高騰を続け、ますます消費低迷は回復せずに、同時にデフレ経済は
継続のままで、低価格競争の中、企業基盤を圧縮している。

 (4)わずかに環境対応型の自動車産業では、国内販売に上向きのきざしは見えるが、国内
の自動車離れ(国内全家庭の25%が自動車不所有)の中、海外販売に拠点を移したり、又
その海外での自動車販売ではリコール対応問題での影響も大きい。
 (5)日銀支店の楽観的観測、「業種間、企業間の格差も徐々に縮小している」のは、「持
ち直し」方向にではなく、「売上げ減少、経営不振レベルへの格差・落差」に向けてでは
ないのかと思える。

 (6)そうなれば、政府の景気対策の出番だ。その政府予算はというと、税収不足による財
源不足が深刻な問題となってきており、あちこちから、たとえば「(ガソリン税)暫定税率
は11年度以降も維持すべき」とか、「消費税引き上げは避けられず、4年先と言わず任期
途中でも衆院解散して増税を検討すべき」とか、「子ども手当の満額支給がいいのか、サー
ビス給付がいいのか検討している」と、すっかりマニフェスト、政策「後退(fall back)」発言が
噴出している状態。

 国民の目線、立場で、情報公開を基本とした民主党による政権交代のはずが、政府予算
の財源不足による政策実行の先行き展望が描けない中で、動揺を隠せない不安を煽(あお)
る政策、政府の「うろたえ」ぶりが、露骨に出てきている。お馴染の閣内不統一の不安定。

 (7)こういう時こそ、当初の政治主導によるマニフェスト、公約実行プランニングとその後の
経済社会状況への対応、予測の「見誤り」を具体的に統計、数理経済上、分析、検証してプ
ロセスを開示して、どこに「問題」、「錯誤」があったのか、今後、どう対処(又は立て直し)す
るのか、政策プランニングを示して(つまりマニフェストの実施変更計画)から、「暫定税率の
据え置き」とか、「消費税引き上げ」とかの論議に入るべきなのだ。

 (8)民主党内には、「政権交代して半年余りでマニフェスト見直しは必要ない」との強行意見
もある。しかし、そういう党と政府が一体となってマニフェスト、公約を一方的に「後退(fall back)」
させてきたのではないのか。無責任な対応だ。

 (9)政権交代時には、国民に約束した政策実行中心にならざるを得ず、ある程度の財政緊迫
は覚悟が必要だった。
 まずは、複数年度にわたる財政再建の総体的な展望を見据えた、財政健全化の計画性
(scenario)を打ち出すべきだ。みだりに国民に負担を強いるだけの表面的な無責任な政府
発言は、不況、不振にあえぐ市場経済、国民生活にますます光明を持たらさない。

 (10)日銀支店の楽観的な景気動向、観測にも、具体的なシナリオ(scenario)をあわせ開示
することを求める。

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