いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

反逆のトランプ・自己矛盾の公約。 treasonable trump , a public promise of self-contradiction

2019-10-28 20:11:45 | 日記
 (1)イスラム過激派アルカイダ指導者のオサム・ビンラディンに続いてIS最高指導者バグダディが米軍特殊部隊によって殺害された(報道)とトランプ大統領が発表した。
 これまで死亡説も取り沙汰されていて、5年余り姿を見せずに音声によるテロ指示をくり返してきたが、シリアでの露、トルコ、シリア、クルド組織の協力を受けて米軍特殊部隊がシリア国内に潜伏中のバグダディの居所を突き止めて襲撃し殺害(自爆)したと報じられている。

 (2)トランプ大統領としては大統領就任時の「公約」のシリアからの米軍の撤退を実行して、それに乗じて隣国トルコがクルド組織支配地域に攻撃、軍事介入して均衡が崩れて、米軍のシリア撤退に身内の共和党からも批判を受けて、目先を変えるためのIS最高指導者バグダディの殺害情報だったのではないのかと思わせる。

 来年の米大統領選を1年後に控えて、専門家からはトランプ大統領再選に有利に働く追い風との解説もあり、トランプ大統領としてはシリアからの米軍撤退の公約の代償としてシリアに展開する露さらにトルコ、クルド組織にシリアの協力を受けて米軍特殊部隊によるバグダディ殺害のようにみえる。

 (3)トルコから攻撃、軍事介入されたクルド組織は別にして(シリアと和解か)、シリアに展開する露、トルコそしてシリアにとっては願ったり叶ったりの米軍の撤退であり、IS最高指導者バグダディ殺害だった。

 露もシリアもトルコもシリア潜伏のバクダディ殺害は可能で考えられないことでもなかっただろうが、アフリカ、西アジアにあらたに展開、拠点を移すIS組織から報復テロの標的になることを考えれば米軍に協力して米軍主導でバグダディ殺害を実行することは安全利益になることと判断できる。

 (4)これでISが直ちに衰退することはなく、テロ組織細胞として次から次と新指導者が湧き出てきて、脅威は消え去ることはない。トランプ大統領としては「公約」のシリアからの米軍撤退を進めて(秩序不安定を招いて批判は受けた)IS最高指導者バグダディ殺害でテロ封じ込めに貢献しているとして成果を強調して、来年の大統領再選を目指すシナリオだ。

 トランプ大統領の政策の善し悪しは別にして、選挙戦中、就任時の「公約」を実行することで固い岩盤支持層の取り込みをはかり再選へのシナリオを確かなものにする戦術の目論見がみえる。

 (5)その「公約」を選挙結果として支持したのも米国民であり、公約(public promise)どおり実行していることに批判、反対を受けることはトランプ大統領にとっては心外、不満、不平であることだ。

 米国としては前回大統領選で結果として国民が選択した大統領の「公約」に今更ながら脅かされこれに批判、反対をするハメに陥っている自己矛盾(self-contradiction)だ。

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