いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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敵基地攻撃能力。 ability to attack the enemy base

2018-11-22 20:21:55 | 日記
 (1)新しい政府の防衛大綱に「敵基地攻撃能力」(ability to attack the enemy base)保有の明記を見送る。一応、日本を標的にした弾道ミサイルの発射基地などを攻撃するものだが、北朝鮮、中国を対象としたものか、それぞれに朝鮮半島の平和安定のために緊張緩和を目指すことが求められている中で、日本の「敵基地攻撃能力」保有というのは国際関係緊張緩和からも逆向するもので理解できない。

 迎撃ミサイルとして陸上のイージス・アショアの配備も検討されており、安全への備えは必要だがそれがどこまでかは周辺国をむやみに刺激しないことが大切だ。

 (2)イージス・アショア配備も発射された弾道ミサイル感知の強力な電波障害が周辺住民生活にとって大きな健康影響被害を生じるもので、簡単にはいかない。北朝鮮のミサイル発射を想定したものだが、今年6月の米朝首脳会談を受けてその後の北朝鮮のミサイル発射は行われずに国際情勢を注意深く見極めて対応すべきものだ。

 「敵基地攻撃能力」ということになれば、憲法第9条の戦力不保持、交戦権を有しない規定との整合性が問題であり、日本の自衛権に限定した防衛政策の精神を逸脱するものだ。

 (3)国の防衛も安全性の高さだけを追究すれば限りなく攻撃能力の高さが求められるもので、しかし行き着く軍事力強化だけで推し量れるものではない。防衛大綱に「敵基地攻撃能力」保有を明記することにより、国の自衛権による防衛政策の行き過ぎ、逸脱を示して周辺国の批判、警戒を招くだけのミスリードだ。

 (4)米子市長は拉致問題の早期解決を願う集会で「安倍政権が軍事行動や憲法改正する際には全面的に支持する趣旨の発言」(報道)をしたとされて驚かせた。
 安倍政権がまさか「敵基地攻撃能力」で北朝鮮を軍事攻撃する機会を狙っているとでも思っているのか、仮にそんなことをすれば拉致被害者の救助はまったく不可能になりあり得ない話ではないのか。米子市長たるものが一体何を考えて話しているのか意味不明の判断というしかない。

 (5)日本の(防衛大綱)「敵基地攻撃能力」保有については、岩屋防衛相は「敵基地攻撃は日米の役割分担で米側に依存する考え方に変わりはない」(報道)と述べている。安倍首相は安保法制で憲法第9条の戦力不保持、交戦権を有しない規定を独自の解釈変更で集団的自衛権の行使容認に踏み込んだが、「敵基地攻撃能力」保有ということになればさらに憲法第9条規定に反して自衛権の防衛裁量を逸脱した攻撃性の高いもので、認められるものではない。

 (6)その憲法上の自主的な制約の中で、日米安保条約による米軍による敵基地攻撃力に頼る日本の安全防衛政策だ。過去歴史のアジア占領支配の反省からのものだ。
 安倍首相、政権は保守思想を強めて、特定秘密保護法、安保法制、共謀罪と強行成立を進め、自衛隊を憲法第9条に明記する憲法改正を目指している。

 (7)社会思想的にも米子市長発言のように極端な保守思想が打ち出される風潮を生んでいる危険性がある。これは世界的な強い極右思想の傾向でもあり、そうだから日本の平和憲法の精神性の高さは意義のあるものだ。

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