いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

バリアフリーと皇帝。 barrier free and a king

2011-10-05 19:32:12 | 日記
 (1)エレベーター(elevator)、エスカレーター(escalator)は、近代化の象徴としてビル建物に設置されて利用者には便利なものだけれど、身体不自由な人の移動手段として、つまりバリアフリー(barrier free)対応の設備だ。

 このバリアフリー知識の理解と活用の「意識」が設置者にないと、とんでもないことが起きる。たとえば駅構内プラットホームからの線路への転落事故だ。工事費がかさむこともあって、また各車両の出入り口の不規則設定に合わせる技術的な問題から安全だと理解していても、プラットホームの安全柵設置がなかなか進まない。

 名古屋市では、地下鉄の駅のエスカレーターで通常は「下り運転」のエスカレーターが隣の「上り運転」のエスカレーターが工事中のため、急きょ「上り運転」に変更切り替えられていた。ところが案内は「張り紙」だけで、誘導員を配置するでもなく変更運転されていた。

 ここに、本来のバリアフリー利用者の視覚障害の人がいつものように「下り運転」と思って乗ろうとして、転倒して指を骨折するという事故が発生した。
 駅関係者によると「視覚障害者の立ち入りは想定していなかった」というものだから、バリアフリー対応時代の不特定多数が利用する象徴的なバリアフリー設備施設の駅構内の管理者としては、余りにも知識の理解と活用に意識の欠如、あるいは単に利用者全般に対する「便利さ」だけのサービスに固執しての本末転倒、本来目的からはずれた不相当の認識と言えよう。

 駅構内の安全柵の設置が進展しないのは、経費だけの問題ではない、知識の理解と活用の「善良な管理者」の「意識」に基本的な問題があることを示すものだ。
 社会全体として本末転倒、本来目的からはずれた不相当の社会認識の検証、再確認が必要だ。

 (2)「シンボリルドルフ」。8戦全勝のままG1・3冠を達成した史上初めての希代の名馬は、何んとも「余韻(reverberation)」のいい名前だ。
 競馬にさほど興味のない人にも、社会現象として知られ君臨したまさに競馬のルドルフ「皇帝(king)」であった。

 昨日4日に30才と高令を生き抜いての、すべてに名馬の生涯を閉じた。これほどすべてに名馬だった競走馬もない。

 20才の高令の馬体から生まれて、史上初の不敗のままのG1・3冠記録達成というドラマを魅せ、自身も次代を担った「トウカイテイオー」(4冠馬)を産んで30才までの生涯を生き抜く、正真正銘の一代名馬であった。

 記録によると「どんな距離レースでも自在に適応して、ライバル馬が距離や精神面で限界を見せる中、『賢さ』と成長力で傑出した存在であった」(報道)と言う。
 
 馬はいつも伏し目がちにその「強じんさ」を押し隠して、いざと言うときにその馬力を見せる「正義」がある。その頂点にいたのが「シンボリルドルフ」だった。

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