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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

政治家のジョブ。 essentially job of statesman,woman

2010-12-23 19:20:27 | 日記
 (1)議院内閣制で国民には政治家、議員に安全、平和、生活、財産、権利の保障を委託す
るので、「知る権利」も保障されている。政治家、議員の仕事、能力は何かと言うと、その裏返
しで国民の付託に公正で公平な観点から、行政、立法、外交を機能させて条件の環境整備を
はかり、国民の信頼に最大限応えることだ。

 国会議員、政府、内閣には、基本的に結果として隠し事、機密などあってはならないし、国民
をあざむいて独善的な自己満足の政治にしてはならないのは当然の議院内閣制だ。
 結果はどうかと言うと、政治資金収支報告では適正化にほど遠く、疑惑解明もままならず、
議員の開き直りあげくの果てが自己防衛ばかりの党内権力闘争だ。
 外交では、内閣の不手際を隠すために機密守秘など持ち出して情報開示もせずに、外国政
府に足元を見られての押し付けられ一方的不利益関係が続く。

 (2)政府、内閣がひたすら隠そうとするから、知る権利の国民世論は開示を求める機運がまん
延して、ネット社会の多様性、不正義感が法律の網の目をくぐって情報は社会に流出する。
 社会も社会で、国民の安全、平和、生活、権利に影響力のあるものとして当然開示すべき
情報が、必要に迫られて社会に流出しただけのことで、機密情報の漏えいには一定の理解、
賛同は示しても、その元凶となる内閣の不手際、それを隠そうとする不適正な政治手法その
ものにはさして関心を示さない。平和慣れの気楽さだ。

 尖閣諸島沖ビデオ流出、ウィキリークスの外交公電のネット流出は、本来国民から付託を
受けた政府、政治家が国民に隠し事、あざむきなどあってはならない政治姿勢のはずが、実
は政治の裏ステージで自己満足の独善的なかけ引きをして時には国民に知らさないまま多大
な負担を強いていたことを明らかにした。

 (3)政治家、議員の仕事のもうひとつの大きな部分が、国の中、長期的、そして普遍的、
継続的な成長、発展のグランドデザイン(grand design)を示すことである。現在時点から、
将来、未来社会に向けても国のあり方についてその時々の国民の安全、平和、生活、権
利の保障について責任を持つ。
 「今」を乗り越えれば、あとの効果、解決は未来社会に付け送りすればいいという自己満
足的な無責任なものではない。

 (4)外交文書が一定期間(年限)を経て日米で開示されている。こちらは流出ものではなく、
法律にもとづいた国民の知る権利に広く応える制度によるものだ。
 政治家、議員はこういった制度のもとで、将来、未来社会に向けても政治責任が問われて
いる重い仕事だ。

 72年の沖縄返還に向けての交渉では、秘かに非核三原則の日本主権の及ぶ領土への
核兵器の持込み(搭載寄港)が密約されていたことが開示され、また巨額の米軍基地維持
費の負担が国民に知らされないまま約束されていた。
 すべて結果として、将来、未来社会の国民への大きな負担となって影響を及ぼしている。

 (5)最近になって、あらたに同外交文書開示で米軍施設改良移転費名目で6500万ドル
(当時)の日本側負担が明らかにされた。
 当時の国会でこの密約の存在が盛んに指摘されて、国会質問でも取り上げられていたが、
当時の政府、外務大臣は一貫してその「存在」を真っ向から否定してみせた。
 未来社会に不利益を付け送りするというあってはならない「厚顔」な外務大臣は、政治の
世界では実力者と言われ、後に首相も経験した政治家だったが、国民から負託を受けた政治
家としては「失格」であった。

 ①政治の機密、隠し事と、②情報開示と、③政治家の本来的仕事(essentially job of
statesman,woman)について考えさせられる、象徴的な1年であった。

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