(1)四面が海で囲まれて森林、山岳地帯も多く、海産資源、豊富で良質な水、木材資源の
自然力に恵まれた日本も比較して平地部が狭くて多くの人口が生活するインバランス
(imbalance)の形態国だ。
そこで一時期、海浜地帯を埋め立てて干拓事業(land reclamation project)が進められた。
秋田県の男鹿半島では米作り農業圏の中で、干拓地は広大な田園が広がり米作り事業が
定着している。
一方、南の長崎県諫早市は有明海を控えて漁業が盛んな地域の中に干拓事業で埋め立
てた土地で米作りの農業を展開した。漁業と農業が混在する自然環境をつくりだしたために、
諫早湾の海水作用が双方に効果として反比例して、このため政府は諫早湾の入口に7キロ
に渡る堤防排水門を建設して、紆余曲折のうえ97年に鉄扉でゲートを閉門した。
アサリなどの養殖事業の諫早湾では、この閉門が原因とみられる潮流の停滞低下による
赤潮が発生して、漁場環境が一変して漁業に打撃を与えてきた。
漁業と農業が混在する干拓事業に、適切な共存対策を取ってこなかった当時の政府の事
業の見通し、展望の甘さ、専門性(specialty)、先見性(foresight)の欠如が明らかな事例
だ。
(2)福岡高裁の堤防排水門の開門命令判決(5年間。その間に環境影響アセスの調査)
に現政府は上告を断念して、開門が決まった。諫早湾一帯は0メートルの農業地帯も控え
ての防災対策も兼ねていたとはいえ、漁業と農業が混在する湾内の環境影響について適
切な対策を怠って巨額の国民の投資をムダにした政府(当時)の責任は大きい。
今後さらに開門による湾内環境影響調査に必要な対策工事だけで630億円、さらに農
業用水源の事業費を含めて膨大な予算が見込まれている。
事業は、イニシャル(initial)計画の中で総合的に判断、準備、整備されれば経済的にも
効率のいい予算化がはかられるが、後々になっての変更、転換には膨大な重複ムダが発
生する。
この影響は、余りにも非生産的で無意義なものとして国民の投資負担に累積的な影響を
及ぼす。そこに至らない政府、政治の高度な専門性、先見性が当然のように求められる。
(3)政府は高裁の判決を受けて開門を即断したが、ここでも関係自治体への丁寧な説明
責任、方針開示が抜けて沖縄問題同様の地元自治体の反発が表面化している。
政府事業の推進にあたっては、一部受益者に偏重しない地域全体が将来にわたって事
業効果に自ら「責任」の持てるバックグラウンドとして、市民の「住民投票」による意思決定
のデモクラシーがあっていい。そのための「住民投票」は制度、手続きとしてスピード感のあ
るものにすべきだ。
自然環境に逆らって近代化を図る時には、自然を受け継いで育ててきた地元住民の全体
意思を確認(住民投票)の上での、慎重な対策が不可欠だ。
諫早湾干拓事業の堤防排水門を「閉門」して13年、その間の海水環境悪化を受けて今
後これを5年間「開門」してさらに調査して将来を見据える20年近くの結果としての反比例
の事業停滞は、二度とあってはならない国民の不利益だ。
自然力に恵まれた日本も比較して平地部が狭くて多くの人口が生活するインバランス
(imbalance)の形態国だ。
そこで一時期、海浜地帯を埋め立てて干拓事業(land reclamation project)が進められた。
秋田県の男鹿半島では米作り農業圏の中で、干拓地は広大な田園が広がり米作り事業が
定着している。
一方、南の長崎県諫早市は有明海を控えて漁業が盛んな地域の中に干拓事業で埋め立
てた土地で米作りの農業を展開した。漁業と農業が混在する自然環境をつくりだしたために、
諫早湾の海水作用が双方に効果として反比例して、このため政府は諫早湾の入口に7キロ
に渡る堤防排水門を建設して、紆余曲折のうえ97年に鉄扉でゲートを閉門した。
アサリなどの養殖事業の諫早湾では、この閉門が原因とみられる潮流の停滞低下による
赤潮が発生して、漁場環境が一変して漁業に打撃を与えてきた。
漁業と農業が混在する干拓事業に、適切な共存対策を取ってこなかった当時の政府の事
業の見通し、展望の甘さ、専門性(specialty)、先見性(foresight)の欠如が明らかな事例
だ。
(2)福岡高裁の堤防排水門の開門命令判決(5年間。その間に環境影響アセスの調査)
に現政府は上告を断念して、開門が決まった。諫早湾一帯は0メートルの農業地帯も控え
ての防災対策も兼ねていたとはいえ、漁業と農業が混在する湾内の環境影響について適
切な対策を怠って巨額の国民の投資をムダにした政府(当時)の責任は大きい。
今後さらに開門による湾内環境影響調査に必要な対策工事だけで630億円、さらに農
業用水源の事業費を含めて膨大な予算が見込まれている。
事業は、イニシャル(initial)計画の中で総合的に判断、準備、整備されれば経済的にも
効率のいい予算化がはかられるが、後々になっての変更、転換には膨大な重複ムダが発
生する。
この影響は、余りにも非生産的で無意義なものとして国民の投資負担に累積的な影響を
及ぼす。そこに至らない政府、政治の高度な専門性、先見性が当然のように求められる。
(3)政府は高裁の判決を受けて開門を即断したが、ここでも関係自治体への丁寧な説明
責任、方針開示が抜けて沖縄問題同様の地元自治体の反発が表面化している。
政府事業の推進にあたっては、一部受益者に偏重しない地域全体が将来にわたって事
業効果に自ら「責任」の持てるバックグラウンドとして、市民の「住民投票」による意思決定
のデモクラシーがあっていい。そのための「住民投票」は制度、手続きとしてスピード感のあ
るものにすべきだ。
自然環境に逆らって近代化を図る時には、自然を受け継いで育ててきた地元住民の全体
意思を確認(住民投票)の上での、慎重な対策が不可欠だ。
諫早湾干拓事業の堤防排水門を「閉門」して13年、その間の海水環境悪化を受けて今
後これを5年間「開門」してさらに調査して将来を見据える20年近くの結果としての反比例
の事業停滞は、二度とあってはならない国民の不利益だ。