東京都の三年に一度の固定資産税評価額の評価替えに伴い、道路占用料などの改定の議案が送付されました。
改定料は1割を超える大幅な引き上げだっため、固定資産税の評価額がどうなっているのか調べたら、14.6%と大幅な引き上げでした。
前回の引き上げが0.1%だったことや、東京都の中でも23区の宅地の引き上げ幅が突出して大きいことなどを考えると、区民生活に及ぼす影響も大きく、警鐘を鳴らす意味も込め反対しました。
フェアな民主主義奈須りえです。
第15号議案 大田区特別区道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例
第16号議案 大田区公共物管理条例の一部を改正する条例
第17号議案 大田区立公園条例の一部を改正する条例
第18号議案 大田区立下水道関連施設公園等の設置及び管理に関する用例の一部を改正する条例
に反対いたします。
反対の立場から討論いたします。
第15号議案 、第16号議案 、第17号議案
は固定資産税評価額の3年に一度の評価替えに伴う料金改定です。
第18号議案は、今回初めて有料施設を追加するため、料金改定はありませんが、評価替え後の料金になっているため、料金は、固定資産税評価額の14.6%の上昇に基づき設定されています。
この改定に伴い、道路や道路として認定されていない通路、公園の電柱や工作物、広告などの占用における占用料を引き上げるために改定するものです。
固定資産税の評価替えに伴い、おおむね1割程度の料金の引き上げになっています。
これらの料金は、電気料金など区民がモノを買う際に価格に転嫁されたり、自ら公園や道路などを使用する場合に負担することになります。
固定資産税の評価替えに伴い、23区域を二つにわけ、それぞれ同程度の割合で引き上げています。大田区が他区に連動し引き上げの提案をしたことは、わかりますが、そもそも固定資産税が1割程度も引き上げられることは妥当でしょうか。
東京都固定資産評価審議会の議事録を読むと、全国の固定資産税の評価替えに伴う平成30年度の固定資産税収見込みは、土地でプラス2.5%725億円、建物で-1.0%で369億円の微減になっています。
一方、特別区の宅地の評価額は14.6%の上昇で、これが、今回の道路占用料などの引き上下提案の根拠になっています。
特に、固定資産税評価の中でも田・畑・山林はほぼ変わりませんが、宅地の中でも特別区の上昇割合が大きくなっていて、都心部の評価が高いため、それが東京と全体の引き上げ幅をおし上げる形になっています。
しかし、固定資産の評価額が変われば、税負担がかわり、モノの値段が変わります。
家賃が上がれば、そこで売るものの値段が上がります。
前回の3年前は0.1%の引き上げですから、この14.6%は、異常ともいうべき信じられないほどの大きな上げ幅です。
東京都の最低賃金は、985円で、平成29年の958円から27円引き上げていますが、上げ幅からみれば2.8%に過ぎず、平成27年だと907円で、78円、8.6%、固定資産税評価額の特別区の宅地14.6%には大きく足りません。
しかし、固定資産税の引き上げは、家賃、運賃、などあらゆる分野に影響を及ぼします。
仮に、政府の雇用政策が功を奏しているとしても、こうした固定資産税の評価替えは、最低賃金の上昇による恩恵を目減りさせるだけでなく、場合によっては負担の増で可処分所得を減らす区民もいるはずです。
大田区が、固定資産税の評価替えに伴う道路占用料や公共物管理条例の占用料などを引き上げれば、連動して物価の上昇を招くことになりますし、公園等の使用料を引き上げれば、可処分所得に余裕のある区民しか、大田区の公園の施設を使用できないことになります。
そもそも都心の貴重な自然空間である公園は原則誰もが無料で使用できるようにすべきで、昨今、ここに、施設を建設し、料金を支払わなければ使えない施設を増やしていますが、誰もが使える公園の公共性の観点から見れば問題があります。
固定資産税評価替えに伴占用料等の引き上げは、区民生活に及ぼす影響も大きく反対です
しかも、公の施設でありながら、公園等の施設の管理運営方法は、うぐいすネットを使ったり使わなかったりと一律でないうえ、管理運営方法の合理的な違いの説明もできません。
今回、大田区は、水神公園を地域住民専用の施設に位置づけていますが、合理的な理由なく、水神公園を地域住民専用の施設に位置づけることは、そもそも公の施設の在り方として違法です。少なくともこうした地域住民限定の施設が、大田区全域に公平に計画的に配置されることを前提に進められるならまだしも、そうした計画どころか、地域住民限定の施設の問題性さえ認識できないことがそもそも行政としてあってはならないことです。
しかも、森ケ崎公園の大田区立下水道関連施設公園等の設置及び管理に関する条例の一部改正は、施設使用における区長に優先使用の優遇をあたえることを認める改正です。
公益上の目的で公園施設の使用を許せば、イイことをすれば優遇的に施設の使用が認められることになり、そうなると、営利目的の事業者を優遇して施設を使わせることも可能です。
しかも、イイことをするものがたくさんいた場合、誰に優遇的に使わせるかの基準があいまいで、公の施設を区長の必要以上の裁量権の元、使用の承認を与える条例は、行政権限の私物化で問題です。
また、今回の改正ではありませんが、公園施設の使用料は上限を定めるもので、規則にこれをゆだねています。
今後、パークPFIなどの手法により事業者に公の施設を使わせることになれば、企業と行政が議決なく使用料を引き上げることも可能になります。
条例に定める料金が、妥当であるかの厳しいチェックも必要で、いたずらに幅をもたせ、高めの料金設定にしてはならないことも申し添えます。
以上の理由をもって反対です。