大田区議会議員 奈須りえ  フェアな民主主義を大田区から!

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公務の公正性は、かたちだけの再就職管理だけで守れるか

2024年07月14日 | ├行政システム・公共調達

大田区は、退職管理の適正を確保するために、条例をつくりました。大田区が、この条例を作ることで、区民が期待する公正性や適正性は守れるでしょうか。

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公務員の退職管理は、
公務員の立場を利用し、区民に不利益を及ぼさないため

 

区民が退職後の職員の就職で関心を持つのは、

・その立場やスキルを利用し、不当な就職機会を得ることや、
・就職先への利益供与をすること

で、結果として、区民に不利益が及ぶからです。


公務員の天下りが社会問題になっていたのも、
多くの人が、定年後には、収入を得られなくなったり、
その収入が大きく下がってしまうのに、

公務員が、不当な就職機会を得ることや
ましてや就職先への利益供与をすることで

結果、私たちに不利益を及ぼすのではないか、という懸念があるためです。

 

 

区民に不利益をもたらすことを抑止するための条例ではない

ところが、
区は、私の質疑

 

この条例が想定する公正性とは、

公務員の立場を利用し不当な就職機会を得ることか。

公務員としての人脈やスキルを不当に利用した、特定企業等への不当な利益供与か。

 

に対し、今回作る条例は、それらを抑止するためではない。

それらは、服務の宣誓や、退職後2年は、退職前5年間従事していた仕事につけないことを定めた法で守られていると答弁しています。


今の、服務の宣誓や法で、区の財産は守れるか

 

服務の宣誓は、

任命権者等の前で宣誓書に署名をしていましたが、提出すればよいことに変わり、形式化してきています。

 

 

法は、退職後2年は、退職前5年間従事していた仕事につけないことを定めているだけですから、それだけで公正性が守れるとは限りません。

 

守るべき公務員の公正性は、
退職管理では無く、現役職員と営利企業等との関係

 

いま、大田区行政における公正性を確保すべきは、退職後の管理職の再就職を管理することではなく、現役職員と営利企業や第三セクターとの関係です。

 

公務員が区の情報や仕組みを使って
企業に利潤を上げることを許す時代

区は、公民連携で企業が区と相談して区の情報や仕組みを使い利潤を上げることを許してしまいましたから、サウンディング調査、事前の意見聴取ほか、職員は一部の営利企業の利潤追求の仕組みづくりに携わっていますし、都市公園法改正、鉄道等利便増進法、特区、大深度地下法など、区政に関わる多くの規制緩和はいずれも、税や行政財産が営利企業の利潤に使われるしくみです。

 


公務員の日常業務に一部企業の利潤追求


公務員の天下りだけでなく、区職員の日常の職務に、一部企業の利潤追求が入り込み、不公平や不適正が、合法化されてしまっていることこそ問題です。

区の職員が営利企業と共同出資の株式会社に転籍

区の職員が、例えば、蒲蒲線という営利企業と共同出資の羽田エアポートラインに転籍し、株主利益最大化のミッションを背負う営利企業社員とともに鉄道まちづくり構想や蒲蒲線開通に従事して、全体の奉仕者の姿勢を貫けるでしょうか。

営利企業で働いた経験を持つ管理職もいると聞いています。

公民連携や、区管理職が営利企業との共同出資の第三セクターに転籍し仕事するなか、職員は、全体の奉仕者の本質的な意味や公平性公正性を守るため公務員がすべきことは何か、の原理原則を学ぶことができるでしょうか。

 

権限を失った後の職員管理より
区民の財産等を営利企業の利潤に使う仕組みの是正

いま、区がすべきは、区を退職し、権限を失ったあとの職員の再就職先を管理する事より、現役職員が、その権限を使い、区民の財産等を営利企業の利潤に使うことを許している仕組みの是正にこそあると思います。

 

行き過ぎた規制緩和から目を反らすに過ぎない条例

この条例は、その行き過ぎた規制緩和から区民の目をそらすことに他ならず反対です。


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