大田区議会議員 奈須りえ  フェアな民主主義を大田区から!

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大田区議会のペーパーレス19万枚紙削減で得るもの、失うこと

2020年12月20日 | ●議会改革

大田区議会では、議員にiPadを配り、議案や委員会資料をデータで送付するようになっています。区議会のICT化です。


議案や資料がデータになったことで、検索や保存が便利になりました。


一方、iPadによるデータは、一覧性、俯瞰性に欠けるため、私は細かく読み込むには紙の方が良いので、毎回、膨大な時間をかけて印刷しています。


紙とICT技術とを併用すれば、利便性も向上し、議会の審査・調査機能も上がると思うのですが、大田区議会では紙の議案や資料は配布されなくなってしまいました。


しかも、情報公開配信された議案も委員会資料も区民にも公開すべきだと思いますが、議案の一部をPDFで公開しているだけで、ICT化の利便性は議会内にとどまります。


そのうえ、サイドブックスに配信された資料の保存年限を定め、iPadのクラウドから強制的に4年で削除すると言い始めています。


紙の良さをなくし、データ配信による利便性さえ、なくすなら、何のためのICT化でしょう。


 


紙で配布された資料は議員個人のもので、あとの保存は自由にできますが、iPadに配信された資料は、貸し出された資料ということでしょうか。


保存も印刷もやろうと思えばできるのだから、自分でやりなさいと言われますが、保存も印刷も一括で行うことができないため、簡単ではありません。


サイドブックス https://sidebooks.jp/ というクラウドに入っている資料にたどり着くために、何度もホルダをタップし、そこから、自分の書棚に保存し、ようやく保存や印刷ができます。

たとえば委員会資料だと

 ?サイドブックス
 ?大田区議会
 ?常任委員会
 ?自分の所属する委員会
 (?開催の年度)
 ?委員会開催日
 ?当該資料

で資料にたどりつき、その資料を自分の本棚に保存し、そこから送信や印刷することになります。


しかも、資料ごとに保存し印刷するので、10の委員会報告があれば、10倍の手間になります。
4年たって過去の委員会資料、議案が削除されてしまうと、せっかくICTで便利に探せていた資料を見つけ出すことができなくなります。


ちなみに、議会にiPadから印刷するためのプリンターが設置されましたが、速度も遅く白黒印刷しかできません。


目的はペーパーレスで、議案と委員会の紙をデータ配信したことで、年間29万3千300枚、約30万枚の紙の削減の効果があったそうです。


30万枚の紙を削減しできたのは良いことだと思いますが、私はじめ一部の議員は、印刷していますから、必ずしも30万の紙が削減されたわけではありません。


ネットでA4用紙の値段を調べたら、5000枚で税込み約3000円強、だいたい、18万円の経費削減効果です。


一方で、iPadは4年ごとに買い替えていますし、通信費もかかります。年間18万円の紙の削減費では足りない費用だと思います。


議案や資料をデータ配信して、紙より議員の目にふれにくくなり、4年でクラウドから削除となれば、いったい何のためのICT化でしょう。
議会と民主主義が、より充実するためにICT技術を活用すべきだと思います。



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