大田区議会議員 奈須りえ  フェアな民主主義を大田区から!

◆無断転載禁
◆連絡先 office☆nasurie.com(☆→@
◆メルマガ希望はメールで 追って連絡します

【大田区議会の動画付き 】「羽田空港の跡地に入居する企業」と「大田区内の企業」の受発注のしくみ作りに3629万3千円支払うのが問題な理由 12分25秒から

2018年10月04日 | ├TPP・グローバル化・国家戦略特区

「羽田空港の跡地に入居する企業」と「大田区内の企業」の受発注のしくみ作りに3629万3千円支払うのが問題な理由 12分25秒から



第74号議案「平成30年度大田区一般会計補正予算(第3次)」
につきまして反対の立場から討論いたします。 

第二回定例会で、大田区は羽田空港が沖合に移転した後にできた羽田空港跡地5.9haを鹿島建設を筆頭に9社で作る羽田未来開発に50年間1平米当たり600円で貸し出すために165億円で買う議案を議決し、その後、購入しています。

今回の補正予算は、この羽田空港の跡地に、羽田未来開発が建設するビルに入居する企業と大田区内の企業が受発注できるようにするためのしくみづくりを検証するのにかかる経費3629万3千円です。

跡地に羽田未来開発が建築する建物の総床面積は、125,400㎡で、そのうちの先端産業事業スペース(92,600㎡)の中の大田区が借り上げる4,000㎡にかかわらず、入居事業者と区内産業を結び付け、受発注につなげるための仕組みやネット上のサイトをつくるための経費で、コンサルに委託する予定だそうです。

 

国は、住宅や介護施設ほか、公共性が認められる目的で使用するときに、土地の取得の減免を認めています。
大田区が国から165億円という時価で買ったのは、
国の定める減免基準にあっていないからです。

実際、この跡地は、普通財産として貸しつけられています。

地方自治体の持っている財産は、公有財産と呼ばれ、これは、行政財産と普通財産とに分けられます。

行政財産とは、普通地方公共団体において公用又は公共用の目的で使う財産で、普通財産とは、行政財産以外の公有財産をいいます。

跡地は、公用でも公共用でもない目的で使用されているということで、跡地も羽田未来開発が営利活動のために使えるということです。

 

この土地は、ラズ大森、蒲田5町目開発と同じで、借りた後は、事業者が好きに使える一般の借地と同じ位置付けです。

大田区の、「財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例」は、

(普通財産の無償貸付又は減額貸付)について、

第4条 普通財産は、次の各号の一に該当するときは、これを無償又は時価よりも低い価額で貸し付けることができる。

() 国又は公法人が、公用若しくは公共用又は公益事業の用に供するとき。

() 天災地変その他不可抗力によつて、貸付を受けた者が、当該財産を使用の目的に供しがたいと認めたとき。

() その他区長が特に必要があると認めたとき。

 

大田区は、この5.9haを大田区が使うより、「民間事業者が大田区と国とで決めた使い方で使ったほうが目的を達成できると判断して」事業者募集しました。行政がやるより、民間事業者が自らの資金とノウハウで実施する事業の方が優れたアイディアがあると判断したのです。

 

実際、大田区は、事業者が提案した、波及効果「区内ものづくり企業の既存ビジネスのチャンスを拡大するとともに新たな産業分野への参入機械を増大させる」「区内産業の活性化に寄与する」を評価して、鹿島建設を代表企業とする提案グループ構成員8事業者、協力会社20事業者でつくる羽田未来開発を選考しています。

羽田未来開発は、波及効果として、「区内ものづくり企業の既存ビジネスのチャンスを拡大するとともに新たな産業分野への参入機械を増大させる」

「区内産業の活性化に寄与する」と提案しているのです。

 

それなのに、コンサルに、3629万円も支払ってさらに区内企業と連携させる仕組みを作る必要があるでしょうか。

そもそも、民間の提案がなければ、区内企業との連携ができない大田区が、大田区が羽田未来開発から、床を4,000㎡借りて区施策活用スペースを運営する意味はどこにあるのでしょう。

建物は民間に建設させ、運営の提案は民間のコンサルにまかせるなら、大田区は、中身のない、テナント貸し出し業としての役割しか担っていないのではないでしょうか。

 

議案質疑で、

      大田区が、コンサルに3629万3千円支払って、受発注主体の構築を検証させなければ、跡地の産業交流施設の中の、区施策活用スペース4000㎡以外のスペースに入居する企業と大田区内の企業の連携は取れないのか。

今回の調査は、羽田未来開発の提案が不十分で、効果が期待できないから行うということか。

 

      大田区がコンサルに調査させる区内産業との連携のしくみ構築と、羽田未来開発が提案する内容は、どこがどう違うのか。

うかがいましたが、質疑に際し答弁しませんでした。

羽田未来が「区内ものづくり企業の既存ビジネスのチャンスを拡大するとともに新たな産業分野への参入機械を増大させる」

「区内産業の活性化に寄与する」

と言っているのですから、今回の補正予算の調査を認めるということは、羽田未来の提案が不十分なのか、同じ提案にさらに3629万円もしはらうことになり、無駄なのです。

だから違いを説明することも、できません。

説明のできない使途に区民の税金を投入する必要はありません。

しかも、この跡地は国家戦略特区に指定されているとともに、昨年、サンドボックスに指定されました。

指定された直後の昨年3月、空港まちづくり部に、サンドボックスとはどういうしくみでどのようなことが大田区に起きるのか聞きましたが説明できず、答えられませんでした。

それもそのはずで、制度は、現在国会で継続審査中です。

内容もわかっていない、法案も通っていない、のに、松原忠義大田区長は、昨年、平成29年3月11日(土)10:0010:44に小池百合子都知事と国家戦略都区の東京圏の自動走行サンドボックス分科会に出席して、

規制緩和の流れが社会を変えていくということを全国に先駆けて経験してきた自治体でございます。 自動走行という世界的に見ても大変重要な課題について、小池百合子東京都知事の御提案によりまして、この羽田から始まろうとしていることに大変感激をしている。と発言したのち、羽田空港跡地第1ゾーンのまちづくりと関連付け、整備事業者を公募、決定にふれています

日本経済新聞のサンドボックスの説明には、「現行法の規制を一時的に止めて特区内で新技術を実証できる制度。ドローン飛行や自動運転といった先端技術の実証実験を円滑に進めることができる。政府は同制度の創設を盛った国家戦略特区法改正案を今国会に提出している。」

とあります。区長は規制緩和を良いものだと思っているようですが、その影響について検証したことがあるのでしょうか。

現行法の規制を一時的に止めて、先端技術の実証実験を円滑に進めることの恐ろしさがどこまで実感できているのでしょう。

現行法を止めるのが良いことなら、なぜ、構造改革や規制緩和以前、それまで、法を守り、実験といえども、法規制や倫理観を守って技術開発が進められてきたのでしょう。法は私たちを守ってきたのです。

遺伝子操作は何でも許されるわけではない、いくら儲かるからといっても武器や化学兵器の開発は行わないといった、規制がありましたが、これさえもサンドボックスという制度は取り払おうとしています。

今回の調査をみとめ、サンドボックス制度が成立してしまえば、区内企業と特区内の実証試験企業との積極的な連携システムが出来てしまいます。

大田区は、そこに関与し区民への責任がとれるとは到底思えません。

この調査は、まがりなりにも、特区内にとどめている「現行法の規制を一時的に止める」ことを区外にまで広げかねない心配があり、反対です。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。