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「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC) は
第5次総合報告書で、地球温暖化防止に備えて
産業革命後の世界の気温の上昇を2℃未満に
抑える目標達成には、CO2の排出量を約2兆9000
万トン以下に止める必要があるとしている。
現在、余地は1兆トンで目標達成は至難なことだ。
対策を取らなければ今世紀末までに、世界で2.6
~4.2℃上昇するとし、環境省の研究班は同じく
3.5~6.4℃上昇すると発表している。
大きなカギを握っているのが南極大陸の氷だ。
この氷の大陸は厚さ1600mを超える氷の層で
覆われ、最大は4000mにも達する。
この氷が温暖化で全て溶解すると世界の海水面を
4.8m上昇させ、太平洋の島々の国だけでなく
日本の沿岸部の都市の多くも水没する。
南極大陸の氷が溶けて海に流れ出るのを押さえて
いるのが棚氷(たなごおり)で、最大の棚氷である
ロス棚氷はフランスの広さほどもある。
このロス棚氷の上に16台の「広帯域地震計」が
設置され、棚氷の揺れを記録する。
目的は、この巨大な棚氷が波でどれくらい揺さ
ぶられているかを知り、氷の溶解スピードを調べ、
棚氷の破壊される状況を知ることだ。
海に浮く氷は溶解しても海水面は上昇しないが
大陸から流れ出て来る溶解水を押し止める役割を
備えているため、破壊されれば容易に海水面の
上昇につながる危険性が高まるからだ。
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