旅限無(りょげむ)

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首相の留守には何かが起こる 其の八

2010-10-28 14:23:55 | 政治
 衆院予算委員会は13日、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件の状況を海上保安庁が撮影したビデオ映像について、那覇地検に提出を求めることを全会一致で議決した。だが、政府は当面、非公開とする方針だ。また、議決は具体的な公開方法まで含む要求にはなっておらず、ビデオが国会に提出されれば、理事会で扱いを協議する。……国会法によると、政府は基本的に要求に応じなければならない。しかし、内閣が「提出が国家の重大な利益に悪影響を及ぼす旨」の声明を出せば、提出しなくてすむ。
2010年10月13日 産経ニュース 

■既に「重大な悪影響」は出てしまっております。その原因は菅アルイミ首相がビデオ公開を躊躇して攻める好機を逸したからであります。今となっては、ビデオを公開して最大の被害を受けるのは那覇地検に圧力をかけて「釈放」させた民主党政権に他なりませんから、政権維持のために邪魔なビデオを仕舞いこんで国民が忘れてくれることを願うばかりなのでしょうなあ。


……衝突事件をめぐり、菅直人首相は18日夜、民主党の岡田克也幹事長、輿石東参院議員会長らと首相官邸で会談し、海上保安庁の巡視船が衝突時に撮影したビデオテープを国会に提出する方針を決めた。公開の時期や方法については今後与野党間で協議する見通し。……ビデオには中国漁船が故意に巡視船に衝突する様子が克明に記録されており、公開すれば国際世論は日本に有利に傾くとされる。仙谷由人官房長官は9月28日の記者会見でビデオ公開の可能性を示唆したが、その後中国側に配慮し、消極姿勢に転じていた。
2010年10月18日 産経ニュース 

■「日本が一方的に悪い!」と居丈高に決め付けて学生にデモまでやらせているチャイナが事件の記録を「公開するな!」と言っているのは辻褄が合いませんが、一方的に押し捲られた日本側がそれに同調して「配慮」しているというのはメチャクチャな話であります。『週刊新潮』10月21日号の特集記事「尖閣ビデオに怒髪天の国辱シーン」で、最も重大な場面は活字になって紹介されておりますし、ネット・ニュースの中にもビデオの概要が出ているのですから、この期に及んでビデオを出し渋るのは偏に「北京政府が怒るから」という卑屈な理由によるのでしょうなあ。


中井洽衆院予算委員長は27日午後、国会内で、尖閣諸島沖の中国船衝突事件で、海上保安庁が撮影したビデオ映像を横路孝弘衆院議長から受けとった。衆院予算委は午後に理事懇談会を開き、取り扱いを協議する。横路議長は同日午前、政府からビデオの提出を受けていた。横路氏はビデオを渡すにあたり、那覇地検からの要望として「配慮が必要なので、見る方の範囲を含めて慎重に扱ってほしい」と伝えた。これに対し、中井氏は「気をつけて対応します」と応じた。
2010年10月27日 産経ニュース 

■どうして「配慮が必要」なのでしょう?よほど正視に堪えない残酷な場面が含まれているのか?はたまた子供達に悪影響を与える猥褻画面が散在しているのでしょうか?そういう下世話な興味と期待がどんどん膨らんでしまう取り扱い方ですなあ。


自民党は28日午前……政府が国会に提出したビデオ映像は編集され不十分だとして、映像全編の提出を衆院法務委員会で求める方針を決めた。佐藤勉国対委員長代理が記者会見で明らかにした。中国人船長の釈放を判断したとされる那覇地検幹部の国会招致も法務委で求める。……ビデオ映像は、約6分間とされる。自民党国対幹部は「海上保安庁が撮影した映像は約2時間あるという。誰が編集したかも分からず、改竄された可能性もある」と述べた。……
2010年10月28日 産経新聞 

■どうして「6分間」に編集しなければならないのか?しかもオリジナル映像の95%を切り捨てた記録なのに「配慮」だの「慎重に」だのと不発弾のような扱いをしているのも解せません。そもそも、記録映像は菅アルイミ首相が国連会場に持参して「証拠の記録映像を持参した」という一言の切り札にすべき武器だったはずで、これから国内向けに何処かでこそこそと隠れて恥ずかしいビデオでも観るように奇怪な限定付きで公開しても、単に公開したという空疎な大義名分が偽造されるだけでありましょう。


……海保が撮影したビデオ映像は、漁船に衝突された巡視船「よなくに」(1349トン)と「みずき」(197トン)の船首付近から撮影されたもの。……漁船はよなくにの左後方に衝突した後、漁船の左前方を並走していたみずきに幅寄せするように接近した末、左にかじを切って衝突している。漁船がみずきと並走していた際の航行速度は約10ノットだったとみられ、漁船はその後、約12~13ノットに速度を上げてみずきに近づき、「体当たり」しているという。
漁船の最高速度は通常20ノット程度といい、逃走を図ったにしてはやや低速だった。衝突を避ける場合は減速したり離れたりするはずだが、逆に速度を上げて接近しており、「故意の衝突」を裏付けている。……海保に公務執行妨害容疑で逮捕された漁船の中国人船長は衝突前、酒を飲んでいたとみられる。捜査関係者は「海保職員が船長を連行する際、酒臭かった」と証言している。那覇地検は日中関係を考慮し、勾留期限の4日前に船長を処分保留のまま釈放した。すでに釈放から1カ月が経過しているが、まだ処分を出していない。
2010年10月28日 産経ニュース 

■以上の記事は「27日に分かった」との報道になっているのですが、別のメディアからはもっと早くもっと詳細な内容が漏れ出ていましたぞ。

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