■海通禅師は、遠くアフガニスタンのバーミアンに巨大な石窟大仏が存在している事を知り、更に、大規模な治水工事も同時に進める計画を構想したのだそうです。大仏と石窟寺院を作る時に掘り出される膨大な石材を、仏の足元を流れている長江の難所に投げ込み、仏教信仰という聖なる仕事と世俗の治水工事とを一挙に完成させるという大計画だったのです。日本の行基菩薩など、奈良時代の僧達は社会福祉に深く関わって土木・医療・福祉に関する確かな知識と技術を持っていたいそうですが、それはチャイナで発達した仏教の特徴のようです。
……複数の地元の研究者の話では、高さ71メートルの全身のあちこちに亀裂が走り、くぼみや穴が多く見られ、30年前と比べて体が小さくなった。地元の成都理工大学と日本の山県大学理学部の柳澤文孝教授(環境化学)らの研究チームは98年から、省都・成都付近の大気汚染や酸性雨の調査を続けて来た。……大仏を形づくる砂岩には炭酸カルシウムの量が多いうえ鉄分も含まれる。酸性雨にあたると化学反応を起こしてカルシウムが溶け、強度が落ちて剥落しやすくなる。剥落箇所に粉塵などの汚れが付着。さらに鉄分も溶け出し、汚れが付着して黒ずんだらしい。
■朝日新聞が紹介している「大仏の涙」の正体に関する分析です。大仏が溶けて痩せているのですなあ。
四川省は、石炭を利用する発電所や工場が多いことなどから全国でも酸性雨が多い地域とされる。ここ数年、中国では酸性雨は改善したと言われるが、柳澤助教授は「建設ラッシュによって舞い上がる粉塵の中に含まれたカルシウムを通じて中和され、見かけ上は良くなっているが、大気汚染はひどくなっている」とみる。「酸性の霧の中に大仏がうかんでいるようなもの」という。
■文末は何とも恐ろしい表現になっています。巨大な石仏を溶かすほどの酸性雨と霧が漂っているのですから、生命や植物に及ぼす影響は明らかでしょう。『三国志』の時代から穀倉地帯と言われて来た蜀の巨大な盆地が、酸性霧の容器になっているとしたら、土壌の酸性化が進んで食糧生産も落ちて行くでしょうし、住民の中に呼吸器系の病気も増えて行くでしょうなあ。「環境」「医療」という名目が出て来ると、経済発展と軍事費増加によって廃止が決定している対中国ODAが復活する可能性が高まります。日本列島の酸性雨は実質的には根絶されているそうですから、環境対策の技術は世界一なのでしょう。そうした宝の山を、無料で手供するような愚かな事はせずに、軍事費を削ってでも「適正な価格」で買わせるように、しっかりと準備しておくべきでしょうなあ。まさか、「宗教は阿片だ!」と叫びながら国内の宗教勢力を弾圧し、チベットに雪崩れ込み、恐ろしい事を繰り返した北京政府が、「仏教遺産」を守るために援助を要請して来るのを受け入れるのではないでしょうな?!
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■文末は何とも恐ろしい表現になっています。巨大な石仏を溶かすほどの酸性雨と霧が漂っているのですから、生命や植物に及ぼす影響は明らかでしょう。『三国志』の時代から穀倉地帯と言われて来た蜀の巨大な盆地が、酸性霧の容器になっているとしたら、土壌の酸性化が進んで食糧生産も落ちて行くでしょうし、住民の中に呼吸器系の病気も増えて行くでしょうなあ。「環境」「医療」という名目が出て来ると、経済発展と軍事費増加によって廃止が決定している対中国ODAが復活する可能性が高まります。日本列島の酸性雨は実質的には根絶されているそうですから、環境対策の技術は世界一なのでしょう。そうした宝の山を、無料で手供するような愚かな事はせずに、軍事費を削ってでも「適正な価格」で買わせるように、しっかりと準備しておくべきでしょうなあ。まさか、「宗教は阿片だ!」と叫びながら国内の宗教勢力を弾圧し、チベットに雪崩れ込み、恐ろしい事を繰り返した北京政府が、「仏教遺産」を守るために援助を要請して来るのを受け入れるのではないでしょうな?!
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