いまさらながらの原点回帰
あの世に聞いた、この世の仕組み
極楽飯店.65
※初めての方はこちら「プロローグ」、「このblogの趣旨」からお読みください。
※「極楽飯店」の第一話はこちらから。
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「さて、」と閻魔が身を乗り出し、話を続けようとしたその時。左半身が半透明になったままの坂本が「ちょっといいか?」と閻魔に声を掛けた。
「こうして姿を消したりすることも面白いし、浮遊や変身てのも確かに興味深いんだが……。これじゃあホントにオバケか幽霊だ。まるで人を脅かすための練習をしてるみたいじゃないか。こんなことを習得して一体なんの意味があると言うんだね?」
坂本がそう言い終わると、「言われてみればホントにそうですね」と白井が笑った。
返答を求める皆の視線が閻魔に集まると、閻魔は「チッ」と一つ舌打ちをして、背中を丸めて後ろを向いた。
「もう少しでおまえらを完全な浮遊霊にすることができたのに……」
「えっ!?……いま、なんて!?」
濁らせるように口元でボソボソと呟いた閻魔の言葉に、藪内が素早く反応して目を見開いた。
「冗談、冗談だってば。そんな怖い顔でみないでよ」閻魔が振り向きながら藪内を「まあまあ」となだめて笑う。
「勿論、しようと思えばできないこともないけどさ。この練習は人を脅かすためのものなんかじゃないよ。人間とコミュニケーションするための練習なんだ」
「人間とのコミュニケーション?」
人間とのやりとりに、なぜそんな練習が必要なんだと坂本がさらに訊いた。
「君たちが肉体を離れるずっと前から僕は君たちを見守ってきたけど、その間君たちは僕の姿を見たことはないでしょ? 多分、この声も聞き覚えないと思うんだ」
メンバーは互いに顔を見合わせ、確かに見覚えも聞き覚えもないと一様に頷いた。
「この次元の存在形態は人間界とまるで違うから、僕が声を掛けてもなかなか気づいてもらえなんだ。霊と肉体の周波数に違いがあるって言えばわかってもらえるかな。とにかく、直接コミュニケーションをとるということは、なかなか難しいものなんだ。だから、詰まりが消えている僅かなタイミングを見計らってメッセージを送る工夫をする必要がある」
「工夫?」今度は田嶋が訊いた。
「人間には人それぞれ個性があるよね、僕たちはその個性にあわせて、コンタクトの取り方を模索しているんだ。人間の個性や気質は、どんなカルマを保持しているかで違いが現れる。それは、言い方を変えれば、ソースとの分離を生む壁の違いと言ってもいい。僕たちはその壁の薄いところや僅かな隙間をぬってコンタクトを図っているんだ。僕たちが上手く接触することができれば、人間はそれを様々なインスピレーションとして感じ取ることができる。ある人はビジュアルとして、またある人は音楽や言葉として受信する」
閻魔はそう言うと、クルリと身を翻して宙に舞い、その身体から緑色の閃光を放った。
俺たちの頭上高くに飛んだ閻魔はその閃光を四方八方へ飛ばしながら、間もなくストンと着地を決めた。
が、そこに立っていたのは見慣れた緑色の怪物ではなく、セーラー服を纏ったグラマーな少女だった。
どこかで見たことがある様な気がする、と坂本が眉間に指をあてている横で、田嶋が目と口を限界まで広げていた。
「ああ!田嶋くんのスケッチブックに書かれていた女の子だ!」
いち早く気づいた白井が手を叩いて笑った。
「うん、そういうことだよ。トモちゃんが以前から描き続けてきたオリジナルキャラクターはほら、僕の姿さ」
聞き慣れた閻魔の声が、セーラー服の少女の口から発せられた。
「カルマの壁に隙間があれば、そこを通って何かを送れる。トモちゃんの場合は『ビジュアル層』にその隙間があったんだ。だから僕は、色々なビジュアルを通して君にメッセージ(インスピレーション)を送ることが多かったんだよ」
そして少女(閻魔)は説明を続け、変身は映像的なメッセージを送るため、姿を透明にするのはカルマの壁が厚い場合に、そこをすり抜けられる状態に変化する必要があるからなのだと話してくれた。
←ボタンを押さずに素通りする読者を前に、黒斎は「チッ」と一つ舌打ちをして、背中を丸めて後ろを向いた。
※「極楽飯店」の第一話はこちらから。
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「さて、」と閻魔が身を乗り出し、話を続けようとしたその時。左半身が半透明になったままの坂本が「ちょっといいか?」と閻魔に声を掛けた。
「こうして姿を消したりすることも面白いし、浮遊や変身てのも確かに興味深いんだが……。これじゃあホントにオバケか幽霊だ。まるで人を脅かすための練習をしてるみたいじゃないか。こんなことを習得して一体なんの意味があると言うんだね?」
坂本がそう言い終わると、「言われてみればホントにそうですね」と白井が笑った。
返答を求める皆の視線が閻魔に集まると、閻魔は「チッ」と一つ舌打ちをして、背中を丸めて後ろを向いた。
「もう少しでおまえらを完全な浮遊霊にすることができたのに……」
「えっ!?……いま、なんて!?」
濁らせるように口元でボソボソと呟いた閻魔の言葉に、藪内が素早く反応して目を見開いた。
「冗談、冗談だってば。そんな怖い顔でみないでよ」閻魔が振り向きながら藪内を「まあまあ」となだめて笑う。
「勿論、しようと思えばできないこともないけどさ。この練習は人を脅かすためのものなんかじゃないよ。人間とコミュニケーションするための練習なんだ」
「人間とのコミュニケーション?」
人間とのやりとりに、なぜそんな練習が必要なんだと坂本がさらに訊いた。
「君たちが肉体を離れるずっと前から僕は君たちを見守ってきたけど、その間君たちは僕の姿を見たことはないでしょ? 多分、この声も聞き覚えないと思うんだ」
メンバーは互いに顔を見合わせ、確かに見覚えも聞き覚えもないと一様に頷いた。
「この次元の存在形態は人間界とまるで違うから、僕が声を掛けてもなかなか気づいてもらえなんだ。霊と肉体の周波数に違いがあるって言えばわかってもらえるかな。とにかく、直接コミュニケーションをとるということは、なかなか難しいものなんだ。だから、詰まりが消えている僅かなタイミングを見計らってメッセージを送る工夫をする必要がある」
「工夫?」今度は田嶋が訊いた。
「人間には人それぞれ個性があるよね、僕たちはその個性にあわせて、コンタクトの取り方を模索しているんだ。人間の個性や気質は、どんなカルマを保持しているかで違いが現れる。それは、言い方を変えれば、ソースとの分離を生む壁の違いと言ってもいい。僕たちはその壁の薄いところや僅かな隙間をぬってコンタクトを図っているんだ。僕たちが上手く接触することができれば、人間はそれを様々なインスピレーションとして感じ取ることができる。ある人はビジュアルとして、またある人は音楽や言葉として受信する」
閻魔はそう言うと、クルリと身を翻して宙に舞い、その身体から緑色の閃光を放った。
俺たちの頭上高くに飛んだ閻魔はその閃光を四方八方へ飛ばしながら、間もなくストンと着地を決めた。
が、そこに立っていたのは見慣れた緑色の怪物ではなく、セーラー服を纏ったグラマーな少女だった。
どこかで見たことがある様な気がする、と坂本が眉間に指をあてている横で、田嶋が目と口を限界まで広げていた。
「ああ!田嶋くんのスケッチブックに書かれていた女の子だ!」
いち早く気づいた白井が手を叩いて笑った。
「うん、そういうことだよ。トモちゃんが以前から描き続けてきたオリジナルキャラクターはほら、僕の姿さ」
聞き慣れた閻魔の声が、セーラー服の少女の口から発せられた。
「カルマの壁に隙間があれば、そこを通って何かを送れる。トモちゃんの場合は『ビジュアル層』にその隙間があったんだ。だから僕は、色々なビジュアルを通して君にメッセージ(インスピレーション)を送ることが多かったんだよ」
そして少女(閻魔)は説明を続け、変身は映像的なメッセージを送るため、姿を透明にするのはカルマの壁が厚い場合に、そこをすり抜けられる状態に変化する必要があるからなのだと話してくれた。
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先ほど聞き忘れてしまったのですが、起きてる時には聴覚だけの時期と視覚だけの時期があるのは何故なんでしょう??
寝ている時は夢見ながらメッセージも聞けたりするから便利ですね。
詰まりとりたぁぁい
すごい!
同じこと度々言われたな、ずっと話し掛けている(きた)のに、私が気付いていないって(ノ_<。) そんなこと言われたって、分からないんだもん。泣。
w川(;◎Д◎)w<!!!(どひゃー♪)
・・・そして
閻魔を書く人が現れるであろう…
てへへ♪ヾ(´▽`;)ゝ(予言ネタです)
夢中になって楽器演奏しているときなんか、不思議な感覚になる時があるのは、そういうことなのかな・・・・?
明日その辺のこともお聞かせ下さい^^!
雲さんも黒斎さんの隙間(リラックス状態?)を
見つけてこうしてメッセージ送り続けているってことですね。
明日のライブ楽しみにしています。札幌は、すっかり秋模様の気温です。
もし、全人類が悟ったら、人間として存在する必要あるでしょうか?と、ふと思ってしまった。
おもしろかったです。
体があってもなくても存在しているっていうメッセージ。なんだかすごく納得してしまいました。
夢の中で自分が幽体として存在している夢もみたことあります。床をすり抜けて5階くらいのビルから1階までいきました。
そんな体験って、やっぱりメッセージなのかな?
最近、あんまり死が怖くなくなったというか。
なので、TVでやってた地球滅亡説を聞いて怖がる子供にも、たとえ死んだってみんな一緒だよって、変になっとくしながら声をかける自分がいて、それもなんか不思議。
でも死が怖くなくなったってことは、何か大きな執着が1つなくなったような気がして、それはもしかしてカルマの壁が少し薄くなってきてるってことなのかな?
最近は素直にインスピレーションに従うようにしています。それでいいんだよね?
お話が佳境に入って来て、とても楽しみにしています。最近は、いつも感じている事を、違った角度から読める感じで納得しながら読んでいます。嬉しくなって、ついコメントしてしまいました。
インスピレーションも、出所を押さえながらキャッチしていければ最高ですね。たまに混信もあったりしないのかな?
見つけ出していくとぉぉ
私のほうがきれい
私のほうが美人
私のほうがかわいい
私のほうがお金持ち
私のほうが本当のお金持ちを知っている
等々が出てきたんですがね。
あれですなぁ。
「こいつ嫌い」って思う奴の
「こういう風にあいつは思っているやろ、
そこが嫌いやねん」と感じている
部分とかぶりますなぁ。
自分の自我と相手の自我がマッチングしているんですかな。
自我のプログラムが持つ特徴はそういった面だけに向けられるワケではありません。
最初のうちは大豆蜂蜜ヨーグルトパックさんがあげてくれたような優位性を目指しますが、これが叶わない事を悟ると、一気に裏返り
私の方が不幸
私の方が醜い
私の方が不健康
私の方が恵まれていない
私の方がついてない
私の方がより大きな被害を受けている
などといったものを探し出します。
勝ることよりも簡単に獲得出来るものなので、一度味を占めると繰り返しそういったものを纏うようになるんです。
お問い合わせありがとうございます。
「あの世に聞いた、この世の仕組み」の電子書籍は、現在App Storeで購入いただけるものだけですので、残念ながらiPhoneやiPad等じゃないとお読み頂くことが出来ません。
先日ご案内した電子雑誌「アレ!」もpcかタブレット、スマートフォン対応ですので携帯電話ではご覧頂くことができないんです。
ご了承くださいませ。
直感に頼ってみようかな!?
「スターピープル」のあべっちょんとの対談みたよぉ
光っておった
凄い面子(スマソ)ばっかり!!!
興奮したっ♪
ので、毎月とることにしますた(ニパ
・・・またまた、だんだん解らなくなってきた。
もう少し理解を深めねば。
何かのメッセージなのね。
確かに心のままに生きようと決めた時から、そんな現象ありました。
いつも後であ~そうゆうことなのねって、何となく解りました。いつも後なんだけどね。
瞑想中に身体がピリピリ何かエネルギーに包まれて、ふわって浮かぶ感覚はなんだろう。
黒斎さんの講演会に行って感じたのとよく似ています。
浮遊ですかね。
でもそんな事より、ソース(源)はいつも私たちとコンタクトとろうとしてくれている事に感動しました。
ありがたいなぁ~。
ありがとう
ございます(^^)
時の流れに身を任せて
生きています
直感で物事を
決めています。
成るようになります
「ソースとの分離を生む壁の違い」
これはつまり、ステーキにはソースが必要ですが、
最後に振り掛けるコショウの種類。
ステーキな夜を・・・
<ソフトパンク>
これも、何かの お導きでありますように♪
もしかしてそこって景洛町なのかな~と。。。
2階に上がると大きなホテルのエレベーターホールみたいで、
エレベーターで上に行けるんだけど、君はまだダメ、みたいな。。
誰かに言われるわけではなく、自然にそう思ってる。
かと思うと、大きなプールみたいな風呂(銭湯みたい?)が、
階段を下りたところにあって、しかも混浴。
旅館みたいな場所にもよく行きます。
そこへ行った後は、現実世界でなんだかすごく気分が晴れやかです。
なんでもできそうな気がします☆
また人生においてどのようにすごしたらいいのか
勉強になります。次回を楽しみにしています。
過去のデーターから導き出されている場合と
そうでない直感
今日のトークライブ、大変楽しく拝聴できました。ありがとうございました。
灰皿、大切にします。
最近じゃトークに行くと灰皿がもらえるのかい?
同じ空間で聞くとより一層理解が深まるような気がしました。
また札幌でお会いできること楽しみにしています。
5月の『阿雲の呼吸』も行きましたが、今回もより一層楽しく解り易く、腑に落ちた事が多々!
また札幌でお会い出来る事を楽しみにしておりますー!!(^0^)/
大好きです!
それはそうと、65話にて「初めて」1話へのリンクを「暴投」(冒頭だっけ?)に貼ったのは何故故????
(  ̄д ̄;)ゞ ポリポリ
_φ(.. ) メモメモ♪
(ツイッターネタ♪ね?)
「自己過少評価+受取拒否の件」は、よくぞ言って下さった!と心の中で手を叩いてました。
テーブルに上がって踊り出せば良かったですかね。
そのくらいすっきりして嬉しかったもので。
雲黒斉さん、気負わず、自然体でいまのままがんばってください。
黒斎さんのお友達が、会場の皆さんの黒斎さんに対する印象を心配(?)していらっしゃいましたが
話し方も上手で楽しく、ハンサムで素敵な感じです!
過去は関係ありませんよ!
好感度バッチリです!!
行って良かったと思いました。
ありがとうございました!!
私は○○より上!
だけじゃなく
私は○○より下!
も自我だったのですね。
確かに、私は○○より下!のほうが
楽に○○を見つけ出せますね。
○○より上・下を考えない、考えても気づく・・
をしてみると、
頭の中はほとんどそれらばっかりですね・・・。
では、それら以外が自分の考えなのかというと、
どうも違うような気がします。
考えるときに頭に響く自分の声は、
自我が絡んできていないかと言われると
そうとも言えないし・・・。
そもそも、考えていることのスタートは、
自我から始まったものばかりです。
しかも、頭に響く声なしで、考えたり動いているときもあるわけですし。
どんどん排除していったら
残ったのは思考にくっ付いてくる感情だけになりました。
お話の内容を味わいながら、翻って、そのとき、その場を共有している...ということを、素直に嬉しく感じていました。
これからの、ご活躍も、楽しみにしています!
応援しています
人に入るのは似て非なる?波長や引き寄せとは別なような気がする…(o_ _)o
次の物語に期待(?_?)