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自由訳 大智度論

※初めての方はこちら「プロローグ」「このblogの趣旨」からお読みください。

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寒暖の差が激しく、体調を崩しやすいこの季節。皆様いかがお過ごしですか?(喉を赤々と腫らしながら)

鼻声ゆえ、「ジュ…ジュゥン!!(田中邦衛チックに)」ってな感じで6月に突入した黒斎です。

北の国から風邪気味でこんばんは。


えー…

とりあえず、さっさと訳の方を進めていきたいと思います。


このお話、キュアXさんがお気づきの通り、お釈迦様がお酒にまつわるデメリットを、35個もずらずらと並び立てるお話です。

これ、調べれば調べるほど面白くてね、お釈迦様がいた頃のインドと、現在の日本の様子が凄く似ていまして…

話の背景・流れが色々と一致していくんです。

というか、2500年前と今、全然変わってないじゃん!って感じでびっくりです。

なので、今回はこの「大智度論(尸羅波羅蜜義 第二十一)」を、かなり現代風にアレンジして、翻訳ならぬ、自由訳で綴っていきたいと思います。


お話は、お釈迦様が難提迦(ナンディカ)という人物に「お酒は呑まない方がいいよ。」と語っている様子です。


雲黒斎流 自由訳『大智度論(尸羅波羅蜜義 第二十一)』


( ̄д ̄ ) 「お釈迦様、お釈迦様。私、在家の信者、ナンディカと申します。今日はお釈迦様にお伺いしたいことがありお邪魔いたしました。」

(  ̄Д ̄) 『ほほぉ。聞きたいこととは何でしょうか?』

( ̄д ̄ ) 「お釈迦様は、お酒を呑むことを戒めておられるとお聞きしまして。」

(  ̄Д ̄) 『いかにも。』

( ̄д ̄ ) 「お釈迦様は、一切呑んではならないと仰いますが、お酒には良い面も沢山あると思うのです。」

(  ̄Д ̄) 『お聞きしましょう。例えばどんなメリットがありますか?』

( ̄д ̄ ) 「はい。お酒は冷えきった身体を温めてくれます。また、ほどよい摂取は心身へのリラックスをもたらし、養生に繋がる場合もございます。さらに、1996年には、適量であればお酒の摂取は抗ガン作用の可能性があるとの新聞報道もありました。さらにさらに、ワイン等に含まれるポリフェノールには、ガンの他、抗酸化作用・虫歯予防・動脈硬化・高血圧等に効果があるとされています。まさに、酒は百薬の長と言えるのではないでしょうか。それなのに、そこまで呑むなと仰るのはナンディカ?」

(; ̄Д ̄) 『洒落? 最後、「ナンディカ?」って聞こえたけど…洒落?』

( ̄д ̄;) 「洒落はともかく。」

(  ̄Д ̄) 『それではお答えいたしましょう。まず、あなたの仰る「抗ガン作用」については単なる情報操作です。惑わされてはいけません。確かにお酒の中にはポリフェノール等、抗ガン作用があると考えられる物質が含まれております。それは事実。しかしながら、抗ガン作用はあくまでポリフェノール等の働きであり、アルコールの働きではないのです。いくら抗ガン作用のある物質が含まれていると言っても、同時に発ガン性物質が含まれています。「アルコール」はIARC(国際がん研究機関)による発ガン性リスク評価で「Group1」に指定されています。これはアスベストやプルトニウム等と同じ扱いです。ポリフェノールを摂取したいのであれば、なにもお酒を呑む必要はありません。ブドウや桑の葉、サツマイモや山芋等で充分摂取出来ます。また、医学的・科学的に分析すれば、アルコールの持つ作用はドラッグそのものです。WHO(世界保健機関)発表による、作用比較を見てみると、精神依存・身体依存・耐性形成における総合的依存影響レベルはヘロインとコカインの間に位置します。』

※IARCによる人に対する発ガンリスクの分類
グループ1:発がん性がある
グループ2A:おそらく発がん性がある
グループ2B:発がん性があるかもしれない
グループ3:発がん性を分類できない
グループ4:おそらく発がん性はない

※WHO発表による薬物依存影響レベル比較
(左から順に精神依存・身体依存・耐性形成)
ヘロイン:◎・◎・◎
アルコール:○・◎・○
コカイン:◎・×・×
覚せい剤:○・×・○
マリファナ:○・×・×
LSD-25:△・×・○


(  ̄Д ̄) 『ナンディカさん、あなたは健康維持のため、毒入りのサプリメントを摂取したいですか?』

( ̄д ̄;) 「…いえ。」

(  ̄Д ̄) 『お酒は、それと同じことなのです。お酒がお酒と呼ばれる所以は、そこにアルコールが含まれているからです。私はなにも、飲料を飲むことを止めなさいと申しているのではありません。水分補給は大切なことです。必要なことです。でも、そこにアルコールが含まれているのであれば話は別です。お酒にも穀物酒や果実酒、動物の乳を発酵させたものなど沢山の種類がありますが、アルコールが入っているのならどれも同じことです。自ら毒を摂取する必要はありません。』

( ̄д ̄;) 「それでも“酒は百薬の長”という諺もあるぐらいですよ?」

(  ̄Д ̄) 『それも国による情報操作です。医者が酒飲みの弁護のために言った言葉ではありません。ですから「諺」ではなく、「宣伝文句・広告コピー」なのです。前漢末時代(BC1年頃)、単に酒の専売事業のために国(新の皇帝「王莽」)が仕掛けた宣伝文句です。酒は身体に良いということにしておき、それを専売することで財政を立てようという企てによるものです。ナンディカさん、宣伝ってのは巧妙な情報操作で行われています。分かりやすい広告だけが宣伝じゃありませんよ。もっと巧妙に、メディアや報道なども利用して情報を浸透させていくんです。広告クリエイターの言うことを真に受けちゃいけませんよ。』

( ̄д ̄;) 「お釈迦様…」

(  ̄Д ̄) 『なんですか?』

( ̄д ̄;) 「あちらで聞き耳をたてていた“黒斎”と名乗る者が悶えておりますが。」

(  ̄Д ̄) 『ほっときなさい。ただの広告クリエイターです。 さて、話を続けましょう。』

( ̄д ̄;) 「はい…」

(  ̄Д ̄) 『それにね、何もガンだけの話じゃないですよ、お酒のデメリットは。では、いくつか挙げてみましょうか…』


とまぁ、こんな感じのプロローグから、いよいよお釈迦さまのマシンガントークが炸裂します。


続きは、次回。




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