人のゴミはださないよ。

2009年01月19日 | 家族
 社史うんぬんなんて言っていたら、息子が勤務先の記念誌「50年の歩み」を持ってきてくれた。創立が我が社より1年早いということだと、同時代を生きた会社に親しみを感じながら拝見させていただいた。

 就職氷河期に卒業を迎えた息子が、僕は長男だから佐久に戻ると、晴天の霹靂のセリフで宣言したのは正月のことだった。アルバイトの明け暮れでなかなか帰省もしなかったから、その言葉には実際驚いたものだった。

 田舎に帰って仕事があるはずはないだろうから、息子の就職には口を挟むまいと夫と話し合っていた私たちであった。

 正月休みに資料請求の葉書を出して(この翌年からはパソコンの時代になったけど)と、のんびりとした出だしである。

 出かけて来いという連絡を受けた会社で、春休みに内々定をいくつかもらい、その中の1社の社長さんとの面接で、心に響く物があったらしく早々に彼の就職活動は終わった。

 息子が入社して、私が感じたのは「温かい会社」そのものだった。会社の行事でも、会社の労働組合の定期大会の冊子を読ませてもらっても、それを感じる。上司の方もいいのだろうと顔色よく出勤する息子をみて母親として安堵していた。

 ある日、同僚がラジオで「ゴミと人は出さない」と社長さんが言っていたのを聞きましたよと教えてくれた。あーやっぱりと納得し、息子の選択が間違っていなかったとうれしく思ったものだった。
 
 「50年の歩み」を拝見していたら、平成16年1月にPHP研究所「トップ168人からのメッセージ 諸君 もっと熱くなれ」に当時の社長さんが書いたものが掲載されていた。タイトルが「我が社は人のゴミを出さないよ」と

 以下はその引用です。
 (前略)企業における経営者と社員の関係は「運命共同体」であり、死なばもろとも。共に会社を守り、共に仕事を守り、共に生活を守って行くという信頼と協力の関係で、車の両輪の役割を担っているのだと思います。
 したがいまして、企業を存続発展させ、社員の雇用の場を確保し、社員の生活を守って行くことは、、経営者の最大の責務だと考えています。
 (中略)定年までは安心して我が社に勤めていただきたい、そして定年を迎えるまで胸を張って活躍して欲しいと。(後略)

 今までだって幾多の危機があったはずである。労使共々協力しあい、雇用を守ってきたこの会社はすばらしいことだと頭がさがる思いがする。

 今回のような猛烈な仕事の減少で、雇用を守って行くことがどんなに大変なのか、痛いようにわかる。日本中どころか、世界中の経営者が眠れぬ夜を過ごしているだろう。

 今回の危機は今までに例のない規模だ。車関係は絶好調からのこの騒ぎだ。

 息子でさえこの国の先行きを心配している。

 息子、心配することなかれ。こんな日が永遠に続くことはない。
あなたの会社はすばらしい会社だよ・・・・そんな思いでこの記念誌を読ませてもらいましたよ。


 
 依田 美恵子
  

    軽井沢・佐久で建てる外断熱・省エネ住宅 中島木材の家


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