あふんっ

2016-05-27 18:32:34 | 

 「 中世ヨーロッパ残虐物語 」 を買う。大西巷一著。KADOKAWA MFコミックス。

 「 ダンス・マカブル 」 というシリーズのダイジェスト版らしいが、そんなことは知らずにコンビニで見かけて、読んでみた。

 登場人物は、ジャンヌ・ダルク、スペインの異端審問官、バートリ・エルジェーベト、ジル・ド・レ、シャルロット・コルデーとパリの死刑執行人。どんな内容なのかはこれで想像がつくだろう。レイプ、拷問、快楽殺人。これらが、少女漫画風の繊細なタッチで、実に具体的に描かれている。まともな神経の持ち主なら、途中で読むのを放棄してしまうだろう。

 これらは、殺人というよりは、生命の浪費と言った方がいいかもしれない。「 生は、生を破壊する 」。「 極端な生は、死に直結する 」( ジョルジュ・バタイユ 「 エロティシズム 」)。

 最後のエピソードだけが、異色。死刑囚と執行人の、死 ( 生 ) についての対話が延々と続く。そして、互いを認め合いながらも、刑は執行される。

 終わりまで読んで、号泣しちゃったわ。コンビニの店員さんに、「 大丈夫ですか。救急車呼びましょうか 」って言われちゃった。最後の物語が、それまでに 「 浪費 」 された人たちの鎮魂の役割を果たしているの。なんて構成がお上手なのっ。こんな作者に、ワタシのア・・・・・・( 中略 )。でも、「 残虐物語 」 はまだ続いているのだわ。20世紀以降、テクノロジーの進歩によって、ケタ違いの大量殺人が行われるようになったのだから。
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